イチゴの実の形が凸凹でいびつになる原因と対策【奇形果・乱形果】
お庭や市民農園での家庭菜園やベランダでのプランター菜園など、イチゴを栽培していると実の形が凸凹(でこぼこ)になって、全体的にいびつな形の実がなることがあります。
初めてイチゴ栽培にチャレンジした初心者にとって、病気が原因なのか?それても何かほかの原因があるのか?分からないと思います。
そこで、この記事ではイチゴの実の形が凸凹でいびつになる原因と対策について徹底解説したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
イチゴの実の形が凸凹でいびつになる原因と対策
- 受粉がうまくできていない【奇形果】
- 花托(かたく)の発育が良くない【乱形果】
- 一番果に起こりやすい【鶏冠果】
受粉がうまくできていない【奇形果(きけいか)】
まず、いびつな形の実がなるほとんどの原因は受粉がうまくできなかったことが原因です。
イチゴの実が成り収穫するまでの過程を見てみましょう。
開花
↓
受粉(自然受粉OR人工授粉)
↓
結実
↓
肥大
↓
収穫
この中で「受粉」がありますが、さらに分けるとイチゴの受粉には自然受粉と人工授粉があります。
■イチゴの受粉方法
- 自然受粉・・・ミツバチなどの虫や風によって自然に行われる方法
- 人工授粉・・・筆や梵天(ぼんてん)を使って人工的に行う方法
いずれの場合も受粉のしくみは同じで、おしべの花粉がめしべの柱頭に着くと受精が行われます。
そうすると私たちが食べているイチゴの実の部分が出来るのですが、このときにおしべの花粉がめしべの柱頭にまんべんなく付着しないと形がいびつになるんです。
なぜイチゴに限って凸凹のいびつな形をした実ができやすいのかというと、イチゴが特殊な構造を持つ野菜だからです。
対策:めしべにまんべんなく人工授粉する
では、どうすれば形の良い実を作れるのか?というと、人工授粉によってめしべの柱頭におしべの花粉をまんべんなく付着させればいいんです。
先ほども紹介した通り、イチゴに受粉させるには自然受粉と人工授粉があるのですが、自然受粉に頼るとどうしても、まんべんなく受粉される実とまばらに受粉される実に分かれます。
ミツバチやマルハナバチ、シマハナアブに頼るよりも、私たち人間が筆や梵天(ぼんてん:耳かきの反対側についているフワフワした綿)を使って人工授粉した方がきれいな形をした実になる成功率が上がります。
人工授粉のやり方については以下の動画を参考に実践して下さい。
花托(花床)の発育が良くない【乱形果(らんけいか)】
花托(かたく)=花床(かしょう)とはイチゴの実の元になる部分を指します。
この花托(かたく)が成長すると私たちが食べている赤いイチゴの実になります。
花托は日中、太陽が出ている間は肥大が停止し、夜間に肥大します。
また温度や湿度が高いと肥大が促進されるので、栽培環境が大きく影響します。
そのため日当たりが悪かったり、たまたまその年の天候が花托が肥大するのに不利だった場合、うまく発育できないことがあります。
花托の発育が良くないことで形がいびつになることがあります。
それが乱形果(らんけいか)です。
乱形果の場合は、奇形果と違い基本的な育て方をしていても起こり得るため、ある程度は仕方ありません。
一番果に起こりやすい【鶏冠果(けいかんか)】
お客様の感想
『先日、ふれあいで鶏冠果をGETし、子供と美味しくいただきました💕
ジューシーでとても美味しかったです!』
ありがとうございます。
明日も頑張ります☆#くわの農園 #いちご #鶏冠果 #農家直送 #あまおう pic.twitter.com/6yh75E9h4w— まーくん♪★福岡で頑張る専業農家 (@noitigo3) January 28, 2017
まず、この鶏冠果(けいかんか)に関しては初心者が家庭菜園等でイチゴを栽培する場合、奇形果や乱形果と比較すると圧倒的にできることは少ないと思います。
鶏冠果は花芽が作られる時期に肥料のチッ素成分が多すぎたり、ホウ素が欠乏したり、地温や気温が高いなどが原因で発生しやすく、十分に栄養が行き渡った結果出来ます。
そのため一番最初にできる一番果(いちばんか)が鶏冠果になりやすいので出来ても1個、2個と珍しいものです。
3個目、4個目と成るにつれてだんだんと通常の品種サイズの実になるので心配いりません。
まとめ
■イチゴの実の形が凸凹でいびつになる原因と対策
- 受粉がうまくできていない【奇形果】
- 花托(かたく)の発育が良くない【乱形果】
- 一番果に起こりやすい【鶏冠果】
初心者がイチゴ栽培でイチゴの形がいびつになってしまう原因の多くは、受粉がうまくできていないことによって起こる奇形果です。
ミツバチなどの受粉を助けてくれる虫がたくさんいれば良いのですが、なかなか難しいと思います。
ハウス栽培のイチゴ農家さんは授粉用のミツバチを購入して、ハウス内に放ち受粉をさせたりしています。
きれいな形の実のイチゴを作るのには本来、手間がかかるものなんです。
ただ、100%ではないのですが筆や梵天を使って行う人工授粉をすれば品種本来のきれいな形をしたイチゴを成らせることは可能なので、ぜひ人工授粉にチャレンジしてみて下さい。
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