イチゴの実のなり方|実が成るまでの流れと果実部分を画像解説

いきなりクイズですが、イチゴは果物だと思いますか?それとも野菜だと思いますか?
答えは野菜です。
子どもから大人まで人気の“デザート”として食べられているイチゴですが、意外性の多い野菜でもあります。
例えば、スーパーでみる赤いイチゴは実際、どのように実が付き、どうやって赤くなっていくのか?以外と知らない人も多いと思います。
そこで、この記事ではお子さんでもわかるように、イチゴの実のなり方を実際に私が育てたイチゴの画像を使って、時系列に沿って解説したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
イチゴの実がなるまでの流れ
まず、イチゴの実がなるまでの流れをざっくりとみて下さい。
つぼみが付く(着蕾)
↓
花が咲く(開花)
↓
おしべの花粉がめしべに付く(受粉→受精)
↓
小さい実がなる(結実)
↓
実が大きくなる(肥大)
↓
色が赤くなる(完熟)
つぼみ(花芽)が付く
イチゴには秋から春にかけて育てる種類と秋もしくは春から夏、秋まで育てられる種類の2タイプがあります。
- 秋~春にかけて育てる(一季成り性品種)
- 秋・春~夏・秋まで育てる(四季なり性品種)
一般的にイチゴの栽培方法は秋に植えて春(4~5月)に収穫する露地栽培(ろじさいばい)という方法です。
※露地栽培(ろじさいばい)・・・秋~春まで屋外で育てる
秋に苗を植えると、すぐに花が咲くことがありますが外で栽培した場合この時期では気温が低いため、受粉しても赤い実になるまで十分に成長できません。
そのため、一般的にイチゴの実になる花のつぼみができ始めるのは3月くらいからです。
花が咲く(開花)
花が咲くのは4月~5月が一般的です。
四季なり性品種の場合は6月以降も成ります。
ご覧のようにつぼみが開きそうです。
そして白い花を咲かせます。(品種によってピンクや赤色の花もある)
おしべの花粉がめしべに付く(受粉→受精)
花が咲くとおしべの先端にある葯(やく)という花粉が入っている袋が開き花粉が飛びます。
花粉がめしべの柱頭(ちゅうとう)というネバネバした部分に付くと、花粉から花粉管(かふんかん)がつくられます。
小さい実がなる(結実)
その後、めしべの柱頭から花粉管が入り、子房(しぼう)の中で受精(じゅせい)されます。
受精すると花びら(花弁)は散り、実が大きくなる準備が整います。
そして、イチゴの中心の部分(花托(かたく)が大きくなっていきます。
実が大きくなる(肥大)
肥大が始まると私たちが知っているイチゴの実の原形がハッキリとわかるようになります。
なぜ花托は大きくなるのかというと種(種子)が育っているからです。
イチゴの種は実の表面にあるブツブツした部分の中にあります。
詳しくは後半で解説しています。
色が赤くなる(完熟)
花が咲き終わったあとの中心部が大きくなり、最初は緑色の実になります。
だんだん白っぽく変色してきます。
そして、少しずつ白い実がピンクがかり、赤くなります。
放っておくと、どんどん赤くなり、真っ赤になります。
さらに放置しておくと、今度は実の硬さが柔らかくなって、ぶにょぶにょになり、果肉の部分が腐ってきます。
普通はこうなる前に収穫します。
【偽果(ぎか)】イチゴの実の部分は“果実”ではない!
Q:イチゴの実はどれですか?
と聞かれたとき、多くの人は“赤い実そのもの”と答えると思います。
しかし、実は私たちのがイチゴの実だと思っているものは植物学的には果実ではありません!
正しくは「偽果(ぎか)」と言います。
では、イチゴの“果実”はどこの部分なのか?
というと、下図の通り花托(かたく)が大きくなったものと実の表面に付いてる粒々の痩果(そうか)を含めて果実と呼びます。
種はどこにある?イチゴの実の構造
今度は
Q:イチゴの“種”はどれですか?と聞かれたときほとんどの人は
実の表面に付いている粒々と答えるでしょう。
しかし、粒々は種ではなく“痩果(そうか)”と呼ばれる「果実」の1つです。
この痩果は「子房(しぼう)」というものでできています。
では、イチゴの種はどこにあるのか?というと子房の中にあります。
子房の中には胚珠(はいしゅ)というものがあり、それが発達すると種(種子)に変化します。
イチゴは特殊な植物
トマトやナスなどは、めしべの基部にある1つの子房の中に胚珠(はいしゅ)があり、ここで受精が行われ、種(種子)ができます。
さらに種子が熟すと果実になります。
しかし、イチゴは私たちが種だと思っている表面の粒々1つ1つが子房なので、そこで種ができ、果実になります。
だから、イチゴの種は表面の粒々の中にあるといえますし、痩果(そうか)というのもわかりますね。
イチゴはちょっと特殊な構造をしています。
まとめ
イチゴの実が成るまでの過程を知ることで、イチゴをもっと知ることが出来たと思います。
また家庭菜園やベランダ菜園でのプランター栽培など、これからイチゴを育てる場合にも役立つはずです。
イチゴの実を成らせるには、花が咲き受粉することが絶対必要です。
受粉は風やミツバチなど虫によって勝手に受粉される場合と、人間の手によって人工授粉する場合の2通りがあります。
畑で栽培する場合もプランターで栽培する場合も、確実にきれいな実を付けたいなら人工授粉は欠かせない作業なのでぜひ>>イチゴの人工授粉の仕方|受粉のコツと実を成らせる方法を図解&動画解説も参考にしてみてください。
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