プランター菜園で育てるミニトマトにやってはいけない水のやり方
一生使える失敗しないミニトマトの水やり方マスターしてほしい!
今回はやってはいけない水やり方法を紹介し、ではどうすればいいのか?
栽培本ではわからない実践的なミニトマトの正しい水のやり方を教えます。
もくじ(タッチすると移動します)
やってはいけないミニトマトの水のやり方
- かわいいから毎日水をやってしまう
- 2日に1回など間隔を決めて機械的にやっている
- 土の表面(表土)が乾いたら水をやっている
× かわいいから毎日水をやってしまう
ミニトマトを育てていると愛情がわいて、ついつい毎日水をあげたくなってしまいます。
しかしミニトマトは根から水を吸収して株全体、葉先まで水を届けます。人間もそうですが必要以上に水を飲まされたらお腹壊しますよね?
ミニトマトの原産地は標高3000~4000mのペルー・ボリビア・エクアドルなどの日照量が多く雨が少ないアンデス高地のような中南米の高冷地です。
元々乾燥に強い野菜なのでミニトマトの状態を観察せずにただ可愛いからと毎日水やりをするのは逆効果になります。
× 2日に1回など間隔を決めて機械的にやっている
何日に何回などあらかじめ水やりをする間隔を決めて機械的に与えるのは間違いです。
気温が30℃を超える夏場は水を与えてもすぐ乾いてしまうので朝10時より前に1回、夕方に1回の2回与えることがありますが、例えば置き場所によって乾きが遅かったり、北海道と沖縄など住んでいる地域によって環境が異なるため「夏は1日2回!」と決めつけることができません。
また気温が高く晴れた日に水を与えても、その後1週間曇りや雨が続けば土の乾きも遅くなります。
事実2017年の東京は晴れが少なかったため、例年と同じような水やり方法ではうまくいきませんでした。
△ 表土が乾いたらたっぷり水をやっている
野菜や草花の栽培本には水やりについて必ずと言っていいほど「表土が乾いたらたっぷり水をあげて下さい」等と書かれています。
実は正確に言うと半分正解で半分間違っています。
たしかに植物の水やりの基本は「土が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり与える」です。
なのでそれを判断する方法として表土が乾いたら水をあげましょう!と書かれているわけですが、
表面の土は乾いていても鉢の中の方の土は乾いていないこともあります。
ミニトマト栽培では10号鉢、土25~30ℓが必要ですが、このように鉢が大きく土の量が多ければ水やり後、乾くまでの時間もかかります。
初心者がよくやる水やり失敗例として「表土が乾いていることだけで水やりをし水分過多で根が腐り枯れてしまう」です。
なのでミニトマトを栽培するにあたりプランターの大きさは重要です。
プランターの大きさを知る
まず、ミニトマトに水やりをするに当たり、苗を植えているプランターの大きさについて確認してみます。
ひと口にプランターといえどホームセンターにいけば何種類もありますが、苗を植えるプランターがミニトマト栽培に適しているのかを考えなければなりません。
プランターというと以下の写真のような横長の鉢を思い浮かべますが形に決まりはありません。
ミニトマトを栽培するには横長よりも丸型の深鉢に苗1本植えるのが基本です。
支柱が倒れない支柱ホルダー付きの鉢ならばなお安心ですね。
横長よりも以下の写真のような直径30㎝×深さ30㎝(容量15ℓ~25ℓ)程の丸型プランター(コンテナともいう)を選びましょう。
◎ 深鉢の丸型 支柱穴付き
支柱専用な穴が付いていなくても良いので直径30㎝×深さ30㎝(容量15ℓ)程の丸型プランターであればOKです。
○ 深鉢の丸型
トマト栽培をするにはやはり今まで紹介した丸型の深鉢が良いのですが、深さ30㎝以上であれば横型の鉢でも可です。
△ 深鉢の横型
逆にダメなのは以下のような草花用のプランター(横約65㎝×縦24㎝×深さ18㎝(容量13ℓ))です。
☓ 浅鉢の横型
これですと深さが浅すぎて根が伸びることができないため生育不良になります。
次に自分が使っているジョウロの容量を確認しましょう。適当な大きさでないと水のやり過ぎにつながります。
じょうろの容量を知る
普段なにげなく使っているじょうろですが、自分のもっているじょうろの容量って知っていますか?
以下の写真は昔からある「トンボジョウロ」ですが標準サイズは3リットルです。
水やりは通常、土の表面が乾いたら鉢底から水が出るまであげるのが基本です。
しかし、じょうろの容量が小さかったり、大きすぎたりすると水やりの基本を忘れじょうろの容量に従ってあげてしまいがちです。
水のやり過ぎはミニトマトの栽培環境に合わないため枯れてしまいます。
どうすればいい?ミニトマトの水やりのタイミングをつかむコツ
- 乾いた状態と水やり直後の鉢の重さを比較して感覚を覚えておく
- ミニトマトの株全体と葉の様子で判断する
乾いた状態と水やり直後の鉢の重さを比較して感覚を覚えておく
表土が乾いているのは確認できても、鉢の中の土は見えないため確認できません。それを確認する方法として、土が乾いた状態の鉢を軽く持ち上げて重さの体感を覚えておきます。
次に水やり直後に同じことをします。
次回の水やりのベストタイミングは土が乾いた状態の鉢の重さに近いと感じた時です。
だいたいの体感でOKです。
ミニトマトの株全体と葉の様子で判断する
水が不足しているときは、やや株全体がしんなりとしています。具体的には葉が下向きになってきます。
一方、水が足りているときは株も葉もシャキッとしています。
毎日株を観察していると初めはわからなくても水が不足ている時と足りている時の違いがわかってきます。
観察!観察!観察!観察を重ねることで水やりのタイミングを習得できるようになります。
ミニトマトの水のやり方Q&A
Q:ジョウロで水をやるとき株の上からシャワーでかけてもいい?
A:いいえ、基本的には株元にあげます。
葉に水をかけることで通気性の悪い乾燥によって起こるハダニの発生を防止することができますが、
逆に加湿が原因により病気を誘引することもあります。
高温・乾燥で晴天が続くときは株の全体にシャワーなどで葉に水をかける葉水(はみず)をして下さい!
最悪こうなります。
⇒ミニトマトに白糸状のクモの巣!小さい赤茶色い虫はハダニ
Q:大玉トマトは雨よけする必要があると聞きました。ミニトマトも雨よけは必要?
A:いいえ、ミニトマトは雨よけしなくてもOKです。
雨よけのメリットは泥はね等による病気予防や水分制限による糖度上昇がありますが、
大玉トマトは雨よけした方がよくミニトマトはしなくてもいい理由は「裂果(れっか)」による違いです。
裂果とは水分過多により実が割れて黒くなってしまう現象。雨に濡れると実に直接水が入り込んだり、乾燥が続いた後に雨が降り根からの吸水量が増えることで実の内部が膨張し裂けてしまうことがあります。
大玉トマトは大きい分だけ水分も多く裂果が起きやすいのですが、ミニトマトは小さいのでその分水分も少なく避けにくいのと、大きくする必要がなく早く収穫できるという点で雨よけしなくてもOKです。
ちなみに雨よけができるのであればした方がベターです。
Q:水やりを控えると甘さが増すって本当?
A:はい、本当です。しかし家庭菜園レベルではおすすめしません。
過酷な環境に置くことでトマトの甘さの元である果糖とブドウ糖の糖度が増すと言われているのですが生産者による高度な栽培技術によってできるので、
初心者が家庭菜園で甘いトマトを作るには甘い品種を選び、リン酸分の高い肥料を与え、雨よけをしたり、生育に障害が出ない程度に水を控えるくらいです。
それくらい水を控えて甘さを出すのは難しくおすすめしません。枯れたり病気になるリスクの方が高いです。
甘いトマトを作る肥料に関しては
⇒トマト・ミニトマト栽培で実を大きく甘くするための肥料の種類
Q:水やりをかねて液体肥料を与えるときの注意点は?
A:原液のうすめる倍率をちゃんと守る
ミニトマトの栽培途中から与える追肥(ついひ:追加で与える肥料)の簡単な方法は「液体肥料」を与えることです。
なぜなら水やりを兼ねて2週間に1回程度、じょうろなどの水に混ぜて与えるだけで良いからです。
しかし、液体肥料のボトルのパッケージを見ても10ℓの水で薄める例など、とても家庭菜園、プランター栽培レベルでは必要のない量の肥料の作り方が記載されていたりします。
そのため、自分でうすめる分量を計算しなければならずとても面倒く多くの人はテキトーに与えがちです。
結果的に肥料過多(ひりょうかた:肥料のやりすぎ)になってしまうことが多く根を傷めてしまうことがあります。
ですので、この際全くの初心者の方でも正確に液体肥料を与えられる方法を液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!にて紹介しています。
植物の基礎!なぜ水をやるとミニトマトは育つのか?
ミニトマトに限らず植物を育てには水が必要ですが、なぜ水をあげると成長するのか知っていますか?
子供の頃からなんとなく花に水やりをしてきたと思いますが、ちゃんと意味があります。
植物が成長するのに必要なもの
- 水
- 空気
- 適当な温度(適温)
- 日光
- 肥料
植物は水を求めて根を伸ばす
ミニトマトの最終的な目的は実を付けてタネを作り子孫を増やすことです。
植物は子孫繁栄のために鳥や虫に目立つようにきれいな花を咲かせ受粉をし実を付け、タネを作り、また芽を出すサイクルを繰り返しています。
丈夫な株になるためには水や養分を吸収するために根を伸ばし増やさなければなりません。よく何かを始めるとき「地に根を張って」などと言いますよね。
根は生長しつつ土の水分が不足すれば水分を求めて根を伸ばしていきます。
逆に常に水分が足りているとさらに水分を必要としないので根を伸ばす必要もなく軟弱な株に育ちます。
乾かないうちにどんどん水やりをすると窒息状態になるため、最終的に枯死します。これが「根腐れ」です。
水やりには空気循環の意味もある
水やりは水を与えるためだけにやる作業だと思っている人が大半ですが、実はそれだけではありません。
上記で説明した植物が成長するのに必要なものの1つに空気があります。
水やりと同時に鉢中の古い汚い空気を押し出し、新鮮な空気に入れ替える役割があります。
ちなみにこれは光合成とはまた別の話です。
まとめ 水やり3年
園芸業界には「水やり3年」という言葉があります。
植物に合わせた最適な水やりをできるようになるまでに最低3年かかるという意味です。
水やりは初歩的な作業ですが、実はとっても難しい技術。
基本的な水やりの方法として「鉢土の表面が乾いたらたっぷりあげる」ですが、
鉢の中の方が乾いているかどうかを確認するのは至難の業です。
ぜひ今回紹介した以下2つの水やりのタイミングのコツを習得しましょう!
- 乾いた状態と水やり直後の鉢の重さを比較して感覚を覚えておく
- ミニトマトの株全体と葉の様子で判断する
美味しいミニトマトを作るには栄養分が分散しないための「わき芽摘み」作業も重要です。
⇒ミニトマトのわき芽はどこ?トマト栽培に必要なわき芽かきとは
水のやり過ぎで苗を枯らしてしまったらこちらの記事を
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