ウンベラータの育て方!冬に葉が黄色く落ちる原因も解説
インテリア雑誌にもよく登場する、大きな葉を広げた姿が印象的なオシャレで人気のウンベラータ。
正式名称は「フィカス・ウンベラータ」です。
フィカス(Ficus)、つまりイチジク属のことでゴムの木の仲間なのですが定番のゴムの木とくらべてオシャレな印象が強い観葉植物ですよね。
ウンベラータ(umbellata)の意味はラテン語の「日傘」なので葉の特徴が由来です。
野生のウンベラータは写真のような10メートルを超す大木になりますが、マンションのリビングでも十分に育てることができます。
意外にも丈夫で手間がかからないので、サロンや店舗のディスプレイにもよく使われる人気の大型観葉植物です。
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ウンベラータの育て方
原産地はセネガルをはじめとした熱帯の中央アフリカです。
なので基本的に日当たりが良く暖かい場所を好みます。
反対に、寒いのは苦手。栽培の最低気温は12℃前後とやや高めです。
置き場所と管理のポイント
室内の明るい場所に置きましょう。春~秋の成長期は、屋外で日に当てると良いのですが移動させるのが大変!
インテリアで楽しみたい、という場合は一年中「明るい室内」でOKです。ただ、動かせるサイズであれば5月~10月(東京)までは屋外で栽培できます。
真夏は直射日光を避けたいです。でないと葉焼けといって太陽の光で葉が焼けて黄色っぽく葉色が薄くなったり黒く枯れこんできます。
ちなみに耐寒性はないので沖縄などを除いては地植えなどの年間通しての屋外栽培は出来ません。
水やりのやり方・タイミング
春~秋の水やりは、土が乾いたらたっぷりと。鉢底から流れ出るまであげるのがポイントです。
次の水やりのタイミングの見分け方は、鉢土の表面がカラッと乾いてからやることです。観葉植物を枯らす最大の原因は水のやり過ぎです。
例えば、毎日やる人はまず枯らします。鉢の大きさにもよりますが、1週間くらい水をあげなくてもほとんどの観葉植物は枯れません。
逆に1週間毎日水をやる続けるとまずどんな観葉植物も根が腐り枯れます。元気がないと感じるのはこのようにだいたい根に異常をきたしていることが多いです。
水をやらな過ぎで枯れる場合の状態とは、鉢を持った時に軽い、鉢内の淵と土の間に地割れのような隙間ができるほどカラッからになりますが、土が湿っていてウンベラータの株が元気がない、葉が落ちて丸坊主だ、という場合は根腐れです。
1つ覚えておいてほしいのは、植物は水を求めて根を伸ばします。常に水分があると根を伸ばす必要がないので貧弱になります。
水分を吸収するほど根の数が少なく短いため、さらに水を与えられると溺れているのと同じ状態になり結果枯れるんですね。
よく道端に転がってる鉢底から根がはみ出し大木になっている植木を見かけますが、ある程度ほったらかしくらいの方が植物は生きよう!と逞しく成長します。
ウンベラータは1月~3月位まで冬の寒い時期は成長が止まるので、水やりは控えめに、乾かし気味にしましょう。
特に夏は水やりとは別に、霧吹きで葉っぱに水をあたえる「葉水=シリンジ」もするとなお良いです。
葉が黄色くなる・落ちる原因は寒さと日照不足と生理現象
ウンベラータを栽培していて一番大きな悩みは落葉、つまり葉っぱが落ちてしまうこと。
葉が黄色くなって落ちるのが流れだと思います。
ウンベラータは夏の直射日光だと葉焼けしてしまい、葉色が薄くなったり黒くなったりするのですが年間室内で栽培しているのに葉が落ちるのは日当たりの悪さか寒さによるものです。
蛍光灯のみで日光が入らない室内栽培は日照不足
私も試したことがあるのですが一切日光が入らない部屋で半日くらい真っ暗な条件下では葉が黄色くなり落ちてしまいました。
やはり蛍光灯と太陽の光では明るさが全然違うんですね。特にウンベラータはこのような環境下では栽培が難しいです。
冬の室内でも葉を落とす理由
観葉植物の多くは熱帯の植物なので、日本の寒さには弱いんですが、多くの観葉植物は葉をつけたままの状態で室内で冬越しすることができます。
しかし、ウンベラータ栽培に必要な最低温度は12℃以上。そして盲点は暖房を切った夜の室温です。
冬の日中はエアコンの温度を最低でも20℃以上に設定していると思いますが、夜、寝るときはリビングでもエアコンを消すと思いますし、ましてやお店に置かれている場合は夜間から明け方にかけては1月~2月は東京でも0℃近くまで下がるはずです。
このように温度が保てない場合、葉っぱを全部落としてしまうんです。
ココがウンベラータの惜しいとこで冬は完全に葉を落とし枝だけになることがほとんどです。
ですので、ここで「枯れちゃった!」と思う方が多いのですが寒さをやり過ごすために葉っぱを落としただけのことなので春まで気長に待ちましょう。
同じくクワ科のベンジャミンも寒さで葉を落とします。
なのでディスプレイとしてはハゲの期間があるのでこれをNGと取るか落葉中と受け入れるか難しいところですね。
ただ自宅で栽培している場合は捨てるのはもったいないですね。
どうしても葉を落としたくなければ寒さ対策として最低12℃以上を保つしかありません。
葉っぱが落ちてしまっても、控えめに水やりは続けてくださいね。真冬は成長がほとんど止まっているので月1回~2回でも十分です。
気温が上がって5月くらいになると茶褐色をした新芽が芽吹いてきます。ウンベラータの新しい葉は赤茶色をしておりだんだんと緑色に変化していきます。
購入したばかりなのに葉が落ちるのは生理現象
購入して3日くらいしか経ってないのに葉が落ちるのは、植物が置かれていた環境が変わったことによって新しい場所に適応するためにエネルギーを使うため葉を落とします。
環境の変化によって自分自身が絶滅しないように省エネ活動をしているとイメージするとわかりやすいです。
剪定方法~長く付き合うスタイリング(仕立て方)
居心地が良い場所に置かれるとけっこうなスピードで大きくなってしまうことがあります。
また間延びしてたり横に広がりすぎたり、一般の家庭や、あまり大きくしたくない場合は、適度にカットしてあげた方が、形がキレイに保てます。
切る時期と場所
梅雨時~秋にかけての成長期にこれ以上伸ばしたくない先端をカットしましょう。
カットした脇から赤茶色の新芽が出てボリュームもアップします。先端の切り口からは新芽は出ず必ず腋から芽がでるのでこれを脇芽、成長すると脇枝と呼びます。
大きな植物の場合は、少し切ったくらいで枯れることはないので思い切って剪定しましょう。これを強剪定といいます。
ポイントは 「梅雨から秋までの成長期」に行うこと。成長期は植物に力があり、弱ることも少ないのです。
ただ、冬に葉が落ちて丸坊主の枯れ木になってしまった場合、先端がしわしわになって明らかに新芽が出ない枝があります。樹形を整えたい場合は3月くらいに先端を切っても春以降に新芽が出ますので不可能ということはありません。
間延びしているときの仕立て方
葉と葉の間が空いて間延びしているときは葉を出したい高さまで間延びしている茎枝をカットします。
そうすると節が詰まった状態で脇から新芽が出てくるので樹形が整います。
横に広がるのを真っすぐにする仕立て方
横に葉が広がり過ぎて伸びてしまっている場合はや高くしたい場合はそこまでに出でいる脇の枝をカットするしかありません。
葉を出したくない位置から出ている枝は主の枝から分かれている部分をカットします。
主の枝の先端をカットすればそこは幅はあれど左右から新芽が出てくるはずなので、上のほうだけ傘のように葉が出た樹形を作ることができます。
ちなみに枝や幹を大きくしたいという質問を頂くのですが、やはり脇枝はともかく主枝が伸びたり太くなるには時間がかかります。当然、元から大きな木であればあるほど樹勢も強いためたくさん芽が出たり伸びたりします。
鉢・土と植え替え時期と作業
ウンベラータの植え替え時期は真夏を避けた5~6月か10月のどちらかがお勧めです。
鉢は今植わっている鉢よりも一回りだけ大きい物を選び、土は観葉植物用の土や培養土を選びましょう。
2年くらい経つと鉢内に根が回り根詰まりという状態になりがちです。
鉢内に根が詰まると呼吸できなかったり水分が吸収しづらくなり生育不良になります。例えば栄養分の吸収も滞るので葉が小さくなったり葉色が悪く黄色くなるなどします。
肥料・栄養剤(活力剤)
観葉植物用の肥料が販売されています。
観葉植物用の肥料とは窒素成分がリン酸やカリの割合よりも多く、葉の成長を促す要素が大きくなっています。
肥料を与える時期は5月~10月に2週間に1回くらい水やりと一緒に液体肥料を与えるか、もしくは固形の肥料を2ヶ月に1回くらい鉢内に置いておけばOKです。
ちなみに鉢に小さいボトルみたいのを逆さまにして挿すタイプのものがありますが、あれは肥料ではありません。
活力剤といって人間でいうとユンケルやオロナミンCのようなものなのでシャキッとなりますが葉が大きくなったり葉数が増えるなど株に対する化学的な効果はないので勘違いのないように。
病気・害虫駆除
まず、ウンベラータによくみられる害虫はハダニによる症状です。
葉がベトベトしたり床がベトベトしてたりする場合はハダニの排泄物です。粘液のようなものですね。
ハダニが起こる原因は乾燥で、風通しが悪かったりすると発生します。
葉裏に赤い小さな虫がいたらハダニだと思ってください。赤い斑点が出ている場合も病気ではなくハダニの仕業です。
ハダニ防止のためには夏だけでなく霧吹きで葉に直接水をかけて乾燥を防ぐことです。葉水とかシリンジといいます。
また葉に溜まったホコリも原因になりますのでこまめに拭きましょう。
その他害虫としてはアブラムシやアリ、コバエ、枝に小さい貝殻が付いていたらカイガラムシです。
各種害虫駆除の薬品はホームセンター等で販売されていますのでそちらを参考にして下さい。
挿し木による増やし方
ウンベラータは挿し木によって増やすことができます。挿し木に適した時期は5~6月か10月です。
挿し木にする枝を親木から採る必要がありますが、先端の葉が2枚くらいついた1~2節くらいの枝を切ります。
白い樹液が出ますのでそれを洗い流し1時間くらい水につけておきます。小粒のバーミュキュライトに発根促進剤である「ルートン」を切り口に付けて挿します。
温度20度以上、湿度60%くらいの環境下で管理すると約2カ月くらいで発根します。
ウンベラータの臭いと白い樹液(乳液)は有害なラテックス
ウンベラータの葉の付け根のニオイに臭みがあるのをご存知でしょうか。
また枝を傷つけると白いベタベタした樹液(乳液)が出てくると思います。
冒頭でもお話したようにウンベラータはクワ科イチジク属でゴムの木と同じ仲間。大昔はこの白い乳液であるラテックスからゴムを作っていました。
ラテックスの成分は有毒なため猫などに限らず人間でもアレルギー反応を起こし皮膚がかぶれることがあります。
皮膚が弱い人や赤ちゃんなどは口に入れたり触らないように気を付けましょう。
ウンベラータの枝に結実するものとは?
ウンベラータもある程度年数が経ち大木になるとコブのような実が付くことがあります。
繰り返しますがクワ科のイチジク属なのでイチジクの実が付きます。
ただ、フルーツとして食べているイチジクはフィカス・カリカ(Ficus carica)という別の種類の実ですのでウンベラータの実は食べらるかわからないので食べないことをおすすめします。
茎枝からヒゲのような根が出ている正体は「気根」
ガジュマルやセロームなどでよく見られる「気根」
茎枝からヒゲのような細い根が何本も出てくることがあります。
あれは気根(きこん)といって木を支えたり水分を得るために出るものとされており、切っても生育には影響しないと言われています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ひと鉢置くだけでおしゃれな雰囲気になる「ウンベラータ」。シンボルになる観葉植物をお探しの方は、ぜひ育ててみてくださいね。
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