11月のイチゴの育て方！栽培管理と作業

11月のイチゴの

• 畑(露地栽培)とプランター栽培
• 鉢植え促成栽培

の具体的な作業をそれぞれ紹介します。

前半で説明している【畑(露地栽培)とプランター栽培】は、初心者でも簡単な最もポピュラーな育て方ですが、後半で説明している【鉢植え促成栽培】は年内に実を成らせて終わらせる、ちょっと上級者向けの方法になります。

育て方のサイクルが全く異なるので、別の栽培方法として分けて考えて下さい。

11月の畑栽培(露地栽培)の作業

枯葉取り

9月の終わりから10月にかけて植え付けた苗が根付いてくる頃です。

イチゴは寒さに当てることで花芽を作る準備をしますが、目に見えてわかるのはタンポポのように株が地面に対してペタッとロゼット状になります。

中心の2～3枚以外の葉は寒さによって枯れてきますがこれは異常ではないので安心して下さい。

枯れた葉はそのままにすると病害虫の発生源になるので、見つけたら随時ちゃんと切り取り除去して下さい。

1回目の追肥

冬越しするためのパワーをつけるために肥料を与えます。

株元から10～15㎝程度離れた場所に1㎡あたり

• 化成肥料(12g)
• 油かす(20g)

を軽く土となじませます。

化成肥料であれば25～30gで油かすはいりません。

【通常】春に成らせるプランター栽培の11月作業

秋に植え付け春に収穫する一般的なイチゴのプランター栽培の11月作業は

畑(露地栽培)と同じく枯れ葉取りと追肥を行います。

追肥に関してはイチゴ専用土や肥料が配合されている一般的な花と野菜栽培専用の培養土であれば、敢えて与える必要はありません。

肥料配合済みの培養土にはだいたい30日～180日など施肥効果が記載されているので確認してみましょう。

さて、同じプランター栽培でもクリスマス、12月から1月に収穫を目指す「促成栽培」を行うのであれば工夫が必要になります。

家庭菜園ではあまりやらない方法ですが出来ないことはありません。

11月の鉢植え促成栽培の作業

温度管理

イチゴは5～7.5℃を下回ると休眠の準備をし始めます。春に収穫する場合は寒さに当てることが必要なのでこれで良いのですが、12月～1月に収穫するためには寒さに当ててはいけません。

これから8℃を下回らないように栽培する必要があります。

対策としてプランターを南向きの日が良く当たる場所に置きます。

防寒対策として土が見える部分を梱包材のプチプチのようなもので覆ったり、鉢全体を保温シートで包む、発泡スチロールや木枠などの中に入れます。

安全策としては気温が下がる夜間は玄関などとにかく8℃以下にならない環境に移動させましょう。

ただし、暖房がガンガン効いている場所でもいけません。

イチゴの生育適温は17～20℃程度ですから生育が悪くなります。

水やりと追肥

水やりは土の温度が下がらないように必ず晴天の午前中に行います。やる量は鉢土が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷりです。

追肥は1株にたいして化成肥料4～5g、株元から10㎝程度離してまきます。

株元にまいてしまうと効きすぎてしまい肥料焼けという現象により株にダメージを与えてしまうからです。

また肥料に関しては「花工場」「ハイポネックス」などの液体肥料を水やりと同時に与えても良いでしょう。

人工授粉

春にイチゴの実を成らせる場合は、あえて人工授粉をしなくてもミツバチなどの虫によって勝手に受粉されるのですが、11月にはほとんど受粉を助けてくれる虫がいません。

そのため、人工授粉をする必要があります。

といってもそんなに難しい作業ではありません。

花が咲いたら3～4日以内の晴天時の12時頃に花の中心を筆や耳かきの梵天などで撫でるだけです。

この作業によっておしべの花粉がめしべの柱頭という部分につくので人工受粉されたことになります。

詳しくは＞＞イチゴの人工授粉の仕方｜受粉のコツと実を成らせる方法を図解&動画解説を参考にして下さい。

摘花(てきか)

摘花(てきか)とは花を摘むことです。

イチゴの花は一房にいくつも花を咲かせます。

受粉がうまくいくと当然すべての花が実になるのですが、その分養分も分散されてしまうため実が小さく成ったり味が甘くないことがあります。

なので、一番最初に花が咲く房(第一花房)に15個花が咲いたら残りの蕾や花は全て摘みましょう。

摘花することで養分を集中し第2花房以降にも美味しいイチゴを成らせることができます。