液体肥料-さすタイプ【アンプル】の使い方|活力剤と間違えないことに注意!
液体肥料を選ぶとき初心者の方が選びがちなのが土にさすアンプルの商品です。
※アンプルとは薬液を入れる容器のことです。
おそらく多くの方が植物に与える肥料=あの土にさすアンプルだと思っているのではないでしょうか。
しかし、実は注意しなければならないことがあります。
それはアンプルの形状をしていても中身が肥料ではなく活力剤(活力液)であることがあります。
実は肥料と活力剤は似て非なるもの、正しく理解していないためにうまく野菜や花を育てられないケースがあります。
この記事では土にさすタイプ(アンプル)について詳しく解説しています。
もくじ(タッチすると移動します)
さすタイプ(アンプル)の液体には2種類ある
- 肥料・・・肥料取締法によって成分量が規定されている必須栄養素を含むもの
- 活力剤(活力液)・・・肥料取締法によって規定される「肥料」に含まれないもの
肥料
肥料とは植物が成長するのに必須である三大栄養素(窒素・リン酸・カリ)を必ず含む商品で、肥料取締法で定める規定を満たしていることが条件です。
肥料は人間でいうところの「ご飯」です。米やパンなど何でもいいですが人間の体を作るたんぱく質や糖質などの栄養素を摂取しないと人は生きていけません。
植物の場合、成長に必要な三大栄養素はチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)です。
チッ素は葉の成長を助け、リン酸は花を咲かせたり実を付けさせる役割を持っています。そしてカリ(K)は根を丈夫にする働きがあります。
肥料と書かれてる商品には必ずチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)が含まており、種類によってその3つの成分比が異なります。
使用用途によって成分が合っているものを選びましょう。
活力剤(活力液)
活力剤とは肥料取締法によって定められた「肥料」に該当しないものを指します。
人間でいうところの「健康補助食品、栄養補助食品、サプリメント」のような役割を持っています。
活力剤(活力液)の成分にはチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)が全く含まれていないものから、微量に含まれているものまで幅広く販売されています。
そのため成分に関してはミネラルが主です。
肥料におけるミネラルとはどのような栄養素の種類があるのかというと、例えばマグネシウム(MG)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)など植物の生育に欠かせない成分のうち、必要量が微量である「微量要素」と同じものがあります。
活力液肥ってなに?
活力液肥という活力液なのかそれとも液体肥料なのか分かりにくい名前の商品も販売されています。
ちなみに写真の“活力液肥”はチッ素(N)5・リン酸(P)10・カリ(K)5を700倍に希釈+マグネシウム(MG)、カルシウム(Ca)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ナトリウム(Na)といったミネラル成分が配合されているので、写真の商品に限っては「肥料」になります。
肥料と活力剤(活力液)のちがい
肥料 | 活力剤(活力液) | |
肥料取締法 | N-P-Kそれぞれ0.1%以上あるいは2成分以上の合計が0.2%以上含有している | 左記に満たないすべて |
役割 | 植物の成長に不可欠な栄養素を含み促す | 必須栄養素プラスα補助 |
イメージ | 主食 | 栄養補助食品(サプリメント) |
アンプルの正しい使い方
まず、購入段階でアンプルが肥料なのか、それとも活力剤(活力液)なのかを確認します。
どちらを買っていいのかわからない場合は、「肥料」をおすすめします。
なぜなら、肥料として使うのであればアンプルを土にさすだけでOKです。
しかし、活力剤(活力液)として使う場合はプラスて別に肥料を与える必要があります。
先程説明したように、肥料が主食で活力剤(活力液)はあくまで栄養補助食品(サプリメント)の役割です。
栄養補助食品(サプリメント)だけではバランスよい体作りが出来ないのと同じく植物も活力剤(活力液)のみでは十分に成長することはできません。
使い方はとても簡単でアンプルのキャップの先端をねじるあるいはハサミで少し切ります。
なぜなら、液体が漏れないように先端部はふさがっているからです。
株元から10㎝程度離れた場所にアンプルを逆さまにして土にさします。
茎の近くの方が効き目が良いと思うかもしれませんが、効きすぎてしまい根を傷める可能性が高いです。
植物にとって根は養分や水分を吸収する要の場所です。
そのため根が弱ると当然、茎は葉など植物全体の成長が鈍り、過度に肥料を与えると枯れることもあるので注意しましょう。
アンプルをさす角度については、倒れない程度の深さにさせばOKです。
アンプルの液体がなかなか減らないワケ
アンプルをさしたのに、なかなか中身の液体の量が減らなくて気になっている方も多いのではないでしょうか?
ですが、だからといってアンプルの側面を押して液体を出してはいけません!
なぜ急激に減らないのか?というと単純にアンプルの切り口部分が小さかったり、圧力の問題もあるのですが、
水やりをするたびに植物は水分を吸収します。
その時にアンプルから出ている肥料も一緒に吸収されているため、無理に減らす必要はありません。
ですので、わざわざアンプルをぎゅうぎゅう押さなくても大丈夫です!
アンプルの3大肥料成分の割合が小さい理由
「花工場原液」のチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)の割合を見て下さい。
チッソ・リンサン・カリのそれぞれの数字が(8-10-5)と大きいですよね。
一方、「花や野菜の肥料アンプル」のチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)の割合を見て下さい。
チッ素(N)0.12ーリン酸(P)0.2-カリ(K)0.1
花工場原液の各割合と比較すると驚く程少量です。
なぜこのように割合の数字が少ないのかというと、そのまま与えても根が傷まないからです。
原液の場合は植物に与えても根が傷まないように、ジョウロの容量に合わせて何リットルもの水でうすめて使います。
しかし、アンプルや「ストレート液肥オールパーパス用」のような、うすめる必要がない液体肥料はチッ素(N)0.1-リン酸(P)0.2-カリ(K)0.1の割合が少なく作られているため、そのまま与えるだけで良いのです。
まとめ
アンプルの液体肥料はプランターの土にさすだけで手も汚れることなく手軽で簡単です。
そのため初めてお花や野菜をプランター栽培する方にとってはおすすめのタイプです。
ただ、気を付けて欲しいのはアンプルであっても中身が肥料なのか、それとも活力剤(活力液)なのかを購入段階でしっかりと確認して下さい。
ホームセンター等に行くとさまざまなメーカーから液体肥料が販売されており、どれを選んでいいのかわからなくなります。
また「活力液肥」といったような初心者が見ると活力剤(活力液)なのかそれとも肥料なのか、区別がつかないケースもあります。
基本的に肥料より活力剤の方が安いので値段で判断できたりもするのですが、確実なのはパッケージの裏面にチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)の割合がはっきり記載されているかどうかでわかります。
もし、チッ素(N)リン酸(P)カリ(K)が入っていると記載されていても、具体的な数値割合が書かれていない場合は、活力剤(活力液)だと思ってください。肥料ではありません。
アンプル1本だけで肥料を与えたいと考えているのであれば「活力剤(活力液)」ではなく「肥料」のアンプルを選びましょう。
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