イチゴ苗の増やし方|ランナーから新しい子苗を作る方法
東京などの中間地では6月に入ってくるとプランター栽培で育てていたイチゴの収穫期も終了します。
トマトやナスであればまた来年に向けてタネからもしくは来春に苗を新たに購入する必要がありますがイチゴの場合は多年草のため今年育てた株(親株)から伸びているつる(ランナー)から子苗を作ることができ、来年も収穫することができます。
そこで、今回は今年育てた株(親株)から新しく来年用の子苗を作る方法を詳細な作業工程について基づいてご紹介したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
子苗はどこからできる?
イチゴを育てていると株元からつるのようなものが伸びてきていたと思います。
これはランナー(ほふく枝)と呼ばれるもので、伸びながら先端に子株を付けて増えていきます。
5月のイチゴの実の収穫最盛期には同時にこのランナーも伸びていたと思いますが、この時期に伸びてくるランナーは株元から切る必要があります。
なぜかというと成長にかかる養分が分散されてしまい、実が甘く大きくならなくなってしまうからなんですね。もし、忘れてしまっている場合は来年のためにも以下の記事でおさらいしておきましょう!
子苗取りの時期
ランナーからできる子苗を作る時期についてですが、早くて6月の中旬からにしましょう。実がなっている時期から敢えて新苗作りに挑戦する必要はありません。
親株の状態にもよりますが1株から10本程度のランナーが伸びて1番目の子苗ができ、さらにそこからも
ランナーからが伸び2番苗、3番苗と最終的には1株から10~30株くらいは子苗ができるので秋の植え付けまでにウイルス病に特有の葉の縮れやモザイク病症状のない青々した元気な苗を選びましょう。
作業手順
1、ランナーを間引く
プランターで栽培している場合はだいたい縦横20cm×65㎝くらいの容器に2~3株植えてあると思いす。
1株から10本程度ランナーが伸びてくるわけですから3株あれば30本その先につく子株さらに・・・となると相当数の子株ができます。
そこで、来年用のイチゴの子苗を作る場合、何株くらい作るのかを先に決めておきましょう。
どのランナーを残すかのポイントとして、まず一番収穫量が多かった丈夫な株を選び、そこから太くて元気のあるもっともよく伸びている苗を残します。
実がたくさんなった親株の性質は子苗に引き継がれるからです。そのため弱々しい株やランナーは避け、カットしてしまいます。
また実付きの時同様、たくさんのランナーを残したまま子苗作りをしても養分が分散してしまうためやめましょう。
2、子苗の選び方
では、丈夫なランナーを残したあと、どこの子苗を取ればいいのかというと1本のランナーからできる3~4株の子株のうち親株にもっとも近い1番苗ではなく2番苗、3番苗の中で丈夫なものを選びましょう。
なぜかというと、1番苗は生育が不安定なことが多いためできるなら避けた方がいいです。
3、ポット上げ
次に育苗用(いくびょうよう)のビニールポット(3.5号)に元肥入りの培養土を入れて、中央に穴をあけて親株から伸びているランナーの子株を切り離さずに、針金などを切ってUピンを作りランナーを押さえて子株の根を浅く植え付けます。
もしくは、ビニールポットを使わずに親株が植わっているプランターの空いている場所に同じようにして植え付ける方法もあります。
ですが、ビニールポットが用意できるのであればそちらで苗作りをしていきましょう。
4、子苗の管理方法
イチゴは暑さに弱いので直射日光がガンガンにあたってしまうと葉やけをしてしまうので日当たりがいい場所で日よけをしビニールポットは水が乾きやすいので夏は早朝と夕方に様子をみてカラカラに乾きすぎないように注意して通常の水やりをして管理します。
初心者の人がイチゴの苗をダメにしてしまうのは主に夏!収穫が終わり気を許した時期が落とし穴です。
そして、上手くいくと3週間くらい経つと根が付きます。確認方法として根元を軽く引っ張って抜けないようであれば成功しています。
そうしたら親株と繋がっているランナーを切りましょう。2番苗を利用した場合は親株と繋がっていたランナーの他に3番苗に繋がっているランナーもあると思いますこちらも切り離せば子苗の完成です!
10月中旬になったらプランター等に植え付け来年の栽培を始めましょう。
親株は残して育てられる?
子苗は完成したとして、今年栽培していたイチゴの親株は多年草だし来年もこのまま収穫できないのでしょうか?というご質問を頂くことがあります。
結論から言うと親株の寿命は2~3年なので収穫は可能なのですがズバリ、親株を残すのはおすすめしません。
なぜかというと、いくら肥料を与えていたからといってたくさんの実を付けた株は疲れています。そのため翌年は実が小さくなったり収穫量も減る傾向があります。
また、イチゴには連作障害といって毎年同じ科の野菜を同じ場所で育てていると病気に感染しやすくなったりその後の生育も不良になることがあるため、親株を残して育てるのは避けた方が無難です。
いかがでしたでしょうか。今回は今年栽培した親株から来年用の子苗を取る方法についてご紹介してきました。
イチゴは家庭菜園初心者にも簡単に育てられる丈夫な野菜です。栽培の基礎を見直して1年目、2年目とイチゴ栽培上級者になるために色々な種類のイチゴを栽培してみるのも面白いですよ!
育て方の基本はすべて同じですので以下の記事を参考に復習しておきましょう。
トマト栽培特集!
イチゴの月別!栽培方法
10月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
11月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
12月1月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
冬のイチゴの育て方! 2月の時期の作業と栽培方法 | |
3月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
4月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
5月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
6月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
7月8月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
9月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |