中玉トマトの育て方!プランター栽培できる方法
中玉トマトを育てよう!と思ってこの記事をご覧下さっているあなたはマニアックです。
多くの初心者はミニトマト栽培からスタートし、少し慣れた人は大玉トマトにチャレンジします。
そのため、敢えて中玉を選んだあなたは玄人気質の方ではないでしょうか。
■中玉トマト栽培の注意点!ミニ・大玉と何が違う?
- 育て方はミニトマトと同じ
- 人工授粉&雨よけ無しでも実は成る
- ミニトマトより収穫までの時間が少し長い
- 収穫サイズを把握しておく
この記事では、上記だけでなく実際にわたしが中玉トマトをプランター栽培した様子をオリジナル写真と共に詳しく解説します。
中玉トマト栽培基本データ
科名 | ナス科 |
原産地 | 南米・ペルー、エクアドルのアンデス高地 |
食用部分 | 実 |
生育適温 | 25~28℃ |
発芽適温 | 25~30℃ |
スタート方法 | タネ、苗 |
株サイズ | 草丈150~200㎝ 株幅60㎝ |
病害虫 | アブラムシ・ハモグリバエ・うどんこ病・青枯病・萎凋病・葉かび病・疫病等 |
中玉トマトの栽培時期と収穫までの流れ
地域 | 植え付け | 収穫 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 4~5月 | 7~8月 |
北海道・東北 | 5~6月 | 7~9月 |
四国・沖縄・九州南部 | 4~5月 | 6~8月 |
寒冷地・中間地・暖地の区分
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・四国、九州南部、沖縄県
用意するもの
- 苗(中玉品種)
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(排水システムがあれば不要)
- プランター(丸型) 395×380×353(㎜) 土容量15~20ℓ
- 支柱 直径11㎜以上のもの
- ジョーロ
- スコップ
- 肥料
中玉トマトの主な品種
中玉トマトはミニトマトや大玉トマトと比べると、圧倒的に流通している種類が少ないです。
ここでは家庭菜園向きのメジャーな品種を紹介します。
品種名 | 特徴 | 平均果重 | 種苗会社 |
フルーツルビーEX | 糖度が高く実割れしにくい | 40~60g | 日本デルモンテアグリ |
フルティカ | 糖度7~8度、葉カビ病に強い | 40~50g | タキイ種苗 |
ルビーノ | 甘さ&酸味。どっさり実る | 30~45g | サントリー |
シンディースイート | やや小ぶりで食べやすい | 35~40g | サカタのタネ |
高リコピントマト | リコピンが同社中玉比1.5倍。中まで赤くゼリー質が多い | 80g前後 | カゴメ |
>>家庭菜園におすすめの甘いミニトマト・大玉・中玉トマトの種類
実践!中玉トマトのプランター栽培手順
ここからは、実際に栽培の流れ、手順を解説していきます。
育て方はミニトマトと同じです。
苗の購入時期
中玉トマト苗の購入時期ですが、ミニ、大玉問わず、初心者は5月のGWあたりに購入することをおすすめしています。
なぜかというと、トマトは暑さには強いですが寒さには弱い植物です。
そのため、最高気温が安定して20℃を超える5月以降から栽培をスタートするのが良いです。
もし、4月に購入したのであれば直ぐに植え付けるのではなく、GWくらいまでポット苗のまま管理しその後植え付けます。
苗選び
トマトの苗には「実生苗(みしょうなえ)」と「接ぎ木苗(つぎきなえ)」の2種類があります。
初心者は「接ぎ木苗」かタグの付いているブランド苗を選んで下さい。
接ぎ木苗は病気に強いのと、収穫量が多い傾向があります。
タグの付いているブランド苗とは、例えばこのように日本デルモンテアグリさんのタグが付いている苗ですね。
タグ付きのブランド苗の多くは実生苗(種から育てたもの、自根苗(じこん)とも言う)なんですが、
耐病性や収穫量が多いなど、育てやすいように品種改良を重ね作出されています。
プランター選び
中玉トマト栽培に適したプランターですが、形状は丸型でも四角型でも構いません。
重要なのはサイズ。
特に深さ30㎝は必要です。
よく浅いプランターに苗が植えられている光景を見かけますが、根が十分に張らずうまく収穫まで到達しません。
■おすすめプランターサイズ
丸型 外径395㎜×内径380㎜×深さ353㎜ 土容量15ℓ
四角型 幅600×奥行324×深さ324㎜ 土容量22ℓ
培養土選び
基本的に野菜栽培用の培養土であれば、どれを選んでもあまり問題ありません。
中には、ごろゴロゴロした土が混ざっている粗悪なものもありますが、心配であれば「トマト専用土」を選ぶと間違いありません。
苗の植え付け
今回育てるのは、日本デルモンテアグリの中玉トマト「フルーツルビーEX」です。
プランターの上の淵から3㎝くらい下のところまで培養土を入れます。
手もしくはスコップを使い穴を掘ります。
この時に、苗の株元と土が水平になるように植えます。
水やりをして植え付け完了です。
下写真は少し成長してしまった様子。根元に害虫除けシートを敷いています。
支柱立て
使う支柱は太さ11㎜以上。
苗から5~10㎝程度離れた場所に支柱を立てます。
わき芽かき
わき芽を摘まないでそのまま放置すると、養分が分散し実が大きくならない、沢山成らないことがあります。
そのため、わき芽かきは中玉トマトに限らずトマト栽培に欠かせない作業です。
詳しいやり方は>>ミニトマトのわき芽はどこ?トマト栽培に必要なわき芽かきとはご覧ください
開花 人工授粉と雨よけ無しでも実は成る
房状に付いた花芽が開花し、黄色い花を咲かせます。
中玉トマト栽培において、人工授粉(じんこうじゅふん)と雨よけは必ずしも必要ありません。
ミニトマト同様、やらなくても実は成ります。
(私自身、写真撮影のためにやったことはありますが、普段は特にやりません。)
ただ、確実にたくさん成らせるためには、人工授粉と雨よけはやった方が良いに越しません。
人工授粉と雨よけに関しては>>大玉トマトの育て方!プランターで栽培できる方法をご覧ください。
着果
花が終わりしぼむと、そこの部分から青い実が膨らみ始めます。
水やり
基本的にミニトマトの水やりは土の表面が乾いたら与えます。
しっかり土を観察することが大切です。
夏は朝夕の2回、もしくは3回。
鉢底から水が出るまでやってください。
追肥
株の状態を観察しながら行います。
追肥のタイミングですが、一番最初の房(第一果房)に小さい実が付いたら2~3週間に1回ペースで行います。
液体肥料と固形肥料のどちらでも構いませんが、液体肥料は水やりを兼ねてできるので、肥料の与え忘れを防止できます。
害虫対策
まず、白い小さな虫が葉に付いていたり、株の周囲を飛んでいたらそれはアブラムシです。
アブラムシは野菜栽培にはつきものなので、5月中にを殺虫剤を散布し、大量発生を防ぎましょう。
その他、害虫については殺虫剤散布など都度対応していきます。
殺虫剤の中にも天然成分による商品もあるので、安心です。
病気対策
病気対策の基本は防御です。
つまり罹ってから対策を検討するのではなく、罹らないように、日当たりが良く風通しが良い場所で育てる、事前に殺菌剤を散布するなどしておきます。
摘芯(てきしん)
摘芯(てきしん)とは、茎の先端を切ることです。
中玉トマトは、成長すると上方だけでなく、四方八方に茎が枝分かれします。
放置するとその分、養分が分散してしまい実が小さくなったり、収穫まで至らないことが起こります。
そのため、摘心によって必要以上の成長を止め、確実な収穫を目指します。
下葉かき
株の下のほうに付いた葉は様々な要因によって黄色くなったり、枯れたりします。
病害虫が原因のこともあれば、役目を終えた=“生理現象”で葉が黄色くなることもあります。
いずれの場合もそのような葉は取り除いて下さい。
風通しを良くすることで、病害虫発生防止につながります。
青い(緑色)実が赤くなるまでの経過
着果のところでもご紹介しましたが、花が終わりしぼんだところに小さな青い実がなります。
そしてその品種の規定サイズまで、成長します。
やがて通常の赤くなる品種はオレンジがかってきます。
中玉トマトはミニトマトより収穫までの時間が長い?
中玉トマトはミニトマトより収穫までの時間が少しだけ長いです。
簡単な話で、実が大きくなるには時間がかかりますよね。
ミニトマト < 中玉トマト < 大玉トマト
収穫までの栽培期間が長くなるということは、その分、病害虫被害に遭う確率も上がりますし、
裂果(れっか)といって実が割れる可能性も高まります。
ただ、そうは言っても大玉トマト栽培よりはだいぶ難易度は下がり、ミニトマト栽培と変わりません。
収穫
赤くなった実からどんどん収穫していきましょう。
フルティカ(タキイ種苗)を例にとると、だいたい一房に8~12個ほど実が成ります。
しかし、全ての実が赤くなるまで待っていると、最初の方に赤くなった実は熟しすぎて虫に食べられたり、腐ってしまうことがあります。
でも、そもそも中玉トマトがどのくらいの大きさまで成長するのか分からない人も多いでしょう。
その場合は以下を参考にして下さい。
収穫サイズの把握!中玉トマトってどのくらいの大きさ?
中玉トマト栽培において、本来の収穫サイズを把握しておくことは大切です。
中玉トマトは品種や育て方によって変わってきますが、
だいたいゴルフボールやピンポン玉と同じ大きさです。
- ゴルフボール(直径42.67㎜)
- ピンポン玉(直径40~44㎜)
こちらの「レッドオーレ」という品種はタグにゴルフボールと比較した写真が載っています。
このくらいの大きさになれば収穫しましょう!という目安ですね。
調理
中玉トマトは小さすぎず大きすぎないのが特徴ですよね。
そのためサラダなど生食の場合、丸々1個でも良いし、カットしても分量的に丁度いいです。
フルーツトマトを良く食べる方であれば、中玉トマトは最適なサイズです。
まとめ
■中玉トマト栽培の注意点
- 育て方はミニトマトと同じ
- 人工授粉&雨よけ無しでも実は成る
- ミニトマトより収穫までの時間が少し長い
- 収穫サイズを把握しておく
中玉トマトはミニトマトや大玉トマトと比較し、品種数も少ないですし地味な存在です。
しかし、人工授粉や雨よけ栽培をしなくても栽培できるため、初心者でも簡単です。
ぜひこの記事を参考にして美味しい中玉トマトを収穫してみてください。
尚、大玉トマトとミニトマトの栽培方法については以下を参考にして下さい。
>>ミニトマトの育て方!プランターで初心者がベランダ栽培できる方法
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