シソの育て方|プランター栽培で初心者が収穫できる方法
そうめんや冷ややっこなどに薬味として散らして食べたいシソ(大葉)ですが、わざわざスーパーで買うほどのものでもない野菜(ハーブ)でもあります。
今回は用途の多い初心者でもベランダ菜園のプランターで十分大きく育てる青ジソ栽培のコツを紹介します。
もくじ(タッチすると移動します)
栽培基本データ
シソは一般的にハーブに分類されるのですが、野菜売り場にも野菜として販売されているなど広く野菜として認識されているためこの記事では「野菜」として紹介します。
科名 | シソ科 |
食用部分 | 葉・芽・穂・実 |
生育適温 | 20~25℃ |
発芽適温 | 20~25℃ |
スタート方法 | タネ・苗 |
株サイズ | 幅30㎝×高さ50~60㎝ |
病害虫 | アブラムシ・ハダニ・ハスモンヨトウ等 |
シソの栽培時期と収穫までの流れ
地域 | 植付け | 収穫 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 5月中旬~7月中旬 | 6月下旬~8月下旬 |
北海道・東北 | 5月下旬~7月下旬 | 7月中旬~9月中旬 |
四国・沖縄・九州南部 | 5月初旬~7月初旬 | 6月初旬~8月中旬 |
寒冷地・中間地・暖地の区分
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・四国、九州南部、沖縄県
シソのプランター栽培のコツ
- 摘芯(てきしん)をしてわき芽を伸ばす
- 花芽摘み(はなめつみ)
- 害虫対策
- 追肥(ついひ)
用意するもの
- 苗
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(排水システムがあれば不要)
- プランター 直径30㎝×深さ30㎝
苗選びのコツ
- 茎が真っすぐで太くてしっかりしている
- 葉が青々としている
- 葉につやがある
- 葉が虫に食われていない
4月後半から5月になると3.5号ポットに植えられたシソ苗が多く販売されます。
選び方のコツとしてまず茎が真っすぐで太くてしっかりしているものが良いです。また葉が青々として害虫などの被害にあっていないつやのある苗を選んでください。
7,8月以降になると、以下のような立派に大きく成長した株が出回ることがあります。
この場合は株もある程度成長しており、しっかりしているため超初心者でも問題なく収穫できます。
このくらいまで株が成長していれば水のやり過ぎ等に注意すればすぐに枯れるなんてことはありません!
プランターの準備
用意するプランターですが、私の場合は直径30㎝×深さ30㎝の排水システムが整ったプランターに1株植えて育てています。
1株でも100枚以上は収穫できますが、もっとたくさん収穫したい方は幅65㎝×奥行20㎝×深さ20㎝ 容量15~20リットルの横長の一般的なプランターに3、4株植えることができます。
ただ、やはり1株を大きく栽培するには株と株の間を最低20㎝以上は空けないと上手く育ちません。
1株を大きく栽培するかそれとも複数株をある程度の大きさに留めて栽培するかは自由です。
苗の植え付け
肥料配合済みの培養土をプランターの上から3㎝くらいまで入れて下さい。
上までたっぷり入れてしまうと水をやったときに土ごと溢れてしまうため、ウォータースペースといって水をあげても溢れ出ない空間を3㎝程度作ってあげておく必要があります。
プランターの中心にポットを置き、植える位置を決めます。
手、もしくはスコップで穴を掘ります。
穴の深さは株元の高さと水平になる位置です。
深すぎても浅すぎてもいけません。
苗をポットから取り出し、根を崩さずそのままの状態で植えます。
株元の土を軽く押さえ、水やりをして完了です。
摘芯(てきしん)
草丈が30㎝くらいになったところで、中心の茎の先端をパツンと切ります。これを園芸用語で摘芯(てきしん)と言います。
摘芯をすることで、その下の茎の左右からわき芽が出てきます。
わき芽を出させることで収穫できる葉数を増やすことができます。
さらに成長すると
上からみるとこんな感じに葉が増えました。
硬い葉を柔らかくする花芽摘み(はなめつみ)
梅雨明け頃にシソの葉がごわごわと固くなってくることがあります。
硬い葉でも構わない人は良いのですが、食べるにはちょっと舌触りがよくありません。
なので、柔らかい葉を再生させるためには次から次へと出てくる花芽を摘み取る必要があります。
花芽と摘み取ることで花を咲かせるための養分を葉の成長に回ることができます。
そうするとまた新しい柔らかい葉が出てきます。
水やり
シソの生育適温は20~25℃と高温に強い野菜なのですが、真夏の日差しに当たるとわりとすぐに水切れします。
真夏は早朝~朝10時まで、夕方は5時以降に2回水やりをしてください。
その他のシーズンは土が乾いて、シソの葉がややしんなりとしてきたら次の水やりをしましょう。
初心者にありがちなのですが、真夏を除き、毎日水やりをすると枯れます!
乾く時間がないと水分過多になり根が水を吸う前に腐ります。
根がダメージを受けると当然株全体が枯死してしまいます。
反対にシソは完全に水切れすると葉が縮れたようにしなっとなり、枯れたようになります。
丈夫な野菜なので水を与えれば回復はしますが、そのようになるまで水やりをしないと株が弱ってしまい寿命が短くなります。
ですので完全に水切れする前によく観察し、水やりをしてください。
害虫対策
春から夏にかけて栽培する野菜の天敵であるアブラムシや、梅雨明けから夏にかけて被害を及ぼすハダニ、葉を食害するハスモンヨトウなどがいます。
害虫予防として苗の植え付け時に以下のような虫よけシートを引くと多少ですが効果はあります。
害虫対策として風通しの良い場所で栽培し、定期的に「アーリーセーフ」等の天然成分由来の薬剤を散布することをお薦めします。
天然成分由来の薬剤とはヤシ油やデンプンなどの粘着性を利用して防虫します。
|
ただ、天然成分由来であろうがなかろうが、薬剤を使いたくない!完全無農薬で栽培したいのであれば、風通しの良い場所に置くのはもちろん、過乾燥によって発生するハダニを防ぐためにシリンジといって葉にもジョーロ等でも水をかける、そして、ある程度の虫食いは受け入れることです。
初心者がシソ栽培するうえで、完全無農薬でまったく害虫被害がない株の状態を作るのは難しいです。
病気対策
シソは他の野菜と比べ病気にかかる心配も少ない丈夫な野菜です。
害虫対策と同様、風通しの良い場所で栽培し、定期的に株全体にジョーロなどで水やりをすることも大切です。
葉を食す野菜は病気にかかってから対処するという考え方ではなく、病気にならないように予防するという考え方が重要です。
必要に応じて天然由来成分の農薬である「アーリーセーフ」などを使用することも検討しましょう。
追肥(ついひ)
苗を植え付けてから1か月程度経過したら、固形肥料あるいは液体肥料で追加で肥料をやる(追肥=ついひ)をしてください。
プランター栽培の場合は水やりの度に土から肥料成分が流れ出てしまうため、追加で肥料をやる必要が出てきます。
だいたい2週間に1回程度水やりを兼ねて液体肥料をやるか、株元に化成肥料等の固形肥料をやると良いです。
ただし、分量を守らないと肥料が効きすぎて葉が固くなることがあります。
夏の日差しで葉が大きく成長し肥料も効きすぎると葉がゴワゴワした食感に成るので注して下さい。
シソは4段階で収穫できる
シソの食用部分は葉・芽・穂・実の4つです。
成長過程に沿って収穫することができます。
芽ジソの収穫
まず、一番早く収穫できるのが芽ジソです。
ただ、これはタネから栽培した場合しか収穫できません。
シソの種をまき、数日経過すると以下のような可愛いシソの芽が出てきます。だいたい本葉3~4枚たくらいを芽ジソと言い、土際からハサミでカットしましょう。
葉ジソの収穫
葉ジソとはその名の通り「葉」のことです。葉ジソに適した大きさは8~10㎝程度。
必要な分を1枚1枚葉の付け根から切り取ります。
下写真を見て下さい。葉裏もきれいです。
株の上、先端の方が新しい葉であり、当然柔らかいです。反対に株元に近いほど固くなります。
シソの葉は大きく成長すればいいわけではなく、あまりに大きくなると葉が固くなります。
そういう葉は収穫ではなく光合成のためにあえて残しておきます。
穂ジソの収穫
穂ジソとはお刺身のツマとして有名ですね。シソには殺菌作用があるのでね。
夏になるとシソの花芽が立ち上がってきます。植物学的には「花すい」と呼びます。
穂の下から順番に開花するので、だいたい下3分の1まで花が咲いたところで穂ごと収穫して下さい。
実ジソの収穫
そして最後は「実ジソ」です。
シソの実と呼ばれるものですが、収穫の方法は花が全部咲いた後、実ができます。
その実が膨らんだ状態に収穫します。
しごいた実を薬味にしたり、ハクサイの漬物などに入れるなど風味づけに使います。
調理
シソの葉の調理と言ってもそうめんや、冷やっこの薬味、あるいは天ぷらなど主役になる機会の少ない野菜です。
収穫したら汚れを流水で洗い流し、キッチンペーパーなどで水を拭き取ります。
一度に使いきれない場合は野菜室で保存できますが、収穫の項目でも言いましたが、必要な分を1枚1枚収穫しましょう。
まとめ
シソは1株のプランター栽培でもたくさん収穫することができます。
スーパーで購入するよりはずっとお得かつ初心者向けの野菜なので、ぜひ栽培してほしいです。
プランター栽培で忘れがちなのは追肥(ついひ)です。水やりのたびに少しずつですが肥料成分は流れるので、植えっぱなしにせず、液体肥料でも固形肥料でも良いので必ず肥料をあげることを忘れずにお願いします。
最後にもう一度シソのプランター栽培のコツを紹介しておきますね!
シソのプランター栽培のコツ
- 摘芯(てきしん)をしてわき芽を伸ばす
- 花芽摘み(はなめつみ)
- 害虫対策
- 追肥(ついひ)
トマト栽培特集!
イチゴの月別!栽培方法
10月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
11月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
12月1月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
冬のイチゴの育て方! 2月の時期の作業と栽培方法 | |
3月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
4月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
5月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
6月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
7月8月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
9月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |