卒業式・卒園式の花の鉢植え!装飾やプレゼントの種類と育て方

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卒園式・卒業式の会場装飾担当になってしまい、ステージ上に等間隔で置く花鉢を用意しなければならない!
下級生から卒園生、卒業生に向けて小さい鉢植えをプレゼントしたい!個人的に卒園・卒業式お祝いで何か鉢植え花を差し上げたいなど、保育園や幼稚園の卒園・小学校・中学校・高校・専門学校・短大・大学・大学院など各種卒業式に関係するお花のことで悩まれている方は多いのではないでしょうか。
今回は現役の花屋である私が卒園式・卒業式に使う花の鉢植えについて種類や育て方、そして大きさサイズや用途、準備手順、管理方法などをすべて丸ごと詳しく解説したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
卒園式・卒業式に使う鉢植え花の種類
鉢植えの花=花鉢(はなばち)といい、お花屋さんに注文する場合も通じます。
卒園式や卒業式は3月初めから20日頃くらいまでに集中して行われますが、この時期に流通している花鉢で卒園・卒業式にふさわしい手頃な花鉢というのは種類が限られています。
どんな種類があるのか早速見ていきましょう。
サイネリア(シネラリア)
卒園式、卒業式の花といえばサイネリアと言われるほど定番の花鉢です。主に用途としては5号鉢(直径15㎝)の色とりどりのサイネリアをステージ上の前方に装飾用として等間隔に置くものです。またはプレゼント用としても利用されています。
なぜこの花が多く使われているのかというと、まずピンクやクリーム、青、紫など色の種類が多く卒園・卒業式のお祝いの席では華やかに見える点があります。
また形状が背が低くて花数が多く、こんもりと丸くて冬の寒い体育館に2日くらい置きっぱなしでも枯れないこと、
これらの利点に対し価格が1鉢1000円くらいなので予算内に収まりやすい、時期的に花屋さんが用意しやすいなど様々な理由があるからです。
ちなみにこのサイネリア、学名ではローマ字読みなのでCineraria→シネラリアと読むのですが日本では“シネ”(死ね)と同音になるため流通上は敢えて避けて使っています。
簡単なサイネリアの育て方
本来は多年草なのですが暑さに弱いため日本の気候環境下では一年草扱いとして夏前に枯れるまで楽しめる花です。陽当たりの良い窓辺において育てます。
鉢土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えるほか、暖房が効いているお部屋では葉に霧吹きをかけてあげると良いでしょう。
エラチオール・ベゴニア(リーガース・ベゴニア)
こちらも卒園・卒業式の定番花であるエラチオール・ベゴニア、別名リーガース・ベゴニアといいます(旧西ドイツのオットー・リーガーという育種家が作出した系統群が普及したため)。
用途としては5~6号鉢(直径15~18㎝)のサイズはサイネリア同様、ステージ上の装飾用に使われたり、プレゼントにも使われています。色は赤・ピンク・黄色・オレンジが主で青系はありません。
最近では八重咲きやフリルタイプも出てきていますがこちらは一般的なものよりも値段も高く完全なギフト用に利用されています。
寒さに弱いのと、この花の性質上触るとぽろっとすぐ花が落ちます。そのため装飾用として使えないことはないのですが、サイネリアの方を優先して使うことが多いです。値段も5号鉢(直径15㎝)で1000円前後。
簡単なエラチオール・ベゴニアの育て方
繰り返しますが、エラチオール・ベゴニアを育てるうえで割り切ってほしいのは花を触ったり鉢を動かすだけで花がぽろっとすぐ落ちます。
また茎も弱いので何かの衝撃でポキッと折れることもあり慎重に扱いましょう。風通しの良い室内で管理します。
高温多湿に弱く、水を与え過ぎすると即根腐れして枯れます。花屋の経験として見栄えは良いのですが“長く育てる”のは結構難しい花だと思います。こちらも一年草扱いです。
プリムラ“オブコニカ”
プリムラの中でも通称“オブコ”と呼ばれるオブコニカは、用途として5号鉢(直径15㎝)サイズのステージ装飾に使われることがあります。値段も7~800円くらいです。
ただ1つ注意してほしいことがあります。
プリムラは全般的にプリミンと呼ばれる有毒成分をもっており、花・葉・茎などに白い棘のようなもの(腺毛)があるのですが、これらに触れるとプリミンに対するアレルギー反応が出て、手などが赤くかぶれてしまい、かゆくなってしまう人がいます(サクラソウ皮膚炎)。
とりわけこのオブコニカはプリミンの影響が出やすい種類として有名です。
私も花屋ですがあまり触らないようにしていますし、一応軍手など素手で触らないようにしています。そのため卒園・卒業式には使用しないようにしています。
品種改良によってプリミンが出ない種類も流通しているのですが、花屋さんも仕入れたプリムラがそれかどうかを確認するのが非常に難しいのが現状です。
小さいお子さんなどは免疫力が弱かったり、大人でも普段は大丈夫だったのに疲れていたなどの理由でたまたまプリミンにアレルギー反応を起こしてしまうこともあります。ですので安全性を考えるとプリムラ全般は避けた方がいい花です。
プリムラ“マラコイデス”
学名がPrimula malacoides なのでマラコイデスを省略して“マラコ”と呼ばれたり、呼び名として本当は間違いなのですが、メラコイデス、“メラコ”と呼ぶ人もいます。プリムラ・マラコイデスも卒園式・卒業式の装飾に使われる鉢花の1つ。用途として5号鉢(直径15㎝)サイズのステージ装飾に使われることがあります。値段も7~800円くらいです。
プリムラはサクラソウ科の花なのですが、このプリムラ“マラコイデス”は他の種類のプリムラと比べてサクラソウそのものに非常に花が似ています。色のバリエーションは白、ピンクです。
プリムラは暑さに弱いですが寒さには強い花なので、初春に行われるまだ寒い時期の体育館でも耐えることができます。またこのマラコイデスもプリミンによるアレルギー反応(サクラソウ皮膚炎)によってかぶれやすい種類です。
プリムラ“ポリアンサ”
プリムラ“マラコイデス”・“オブコニカ”とご紹介してきましたが、同じプリムラでもあまり姿形が似ておらず、プリミンの影響が出にくい種類です。
ポリアンサにはあまり大きい鉢植えがなく、3.5~4号鉢くらいが多く流通しています。
白、ピンク、赤、青、黄色、オレンジ等など色のバリエーションが多いのですが、ステージ上の装飾用にするにはボリュームが物足りないため主にクラスメイト1人1人にプレゼントする需要の方が多いと思います。価格もサイネリアに比べると安く5~600円で手に入ると思います。
プリムラ“ジュリアン”
今や“ポリアンサ”と区別がつきにくくなっている“ジュリアン”ですが、特徴として流通しているプリムラの中で一番小さい種類です。ポリアンサ同様にプリミンによる影響も少ないです。
色も豊富でさらにバラ咲きと呼ばれる咲き方をする品種もあります。
3号ポットで販売されていることが多いためどちらかというとステージ装飾やギフト需要よりも寄せ植えや花壇植えなど苗物として使わてることが多いです。
しかし、卒園・卒業式で使用する場合、予算等が限られていることが多いため、300円くらいから園児や学生へのプレゼントとして需要はあります。
プリムラの育て方
現在、広く流通している上記4つのプリムラは姿形は違えど全てサクラソウ科なので生育環境はほぼ同じです。
寒さに強く丈夫で冬から春にかけて長期間花を咲かせ続けるのも特徴です。色や形が多種多様で色のない冬の季節を鮮やかな景色に変えてくれる数少ないお花です。
屋外でも育てられ、開花中は水切れしないようにしましょう。ポリアンサやジュリアンのように小花をたくさんつける品種は花が終わったらこまめに摘み取ることで株を疲れさせることなく、また新しい花を次から次へと咲かせることができます。
ゼラニューム
小さい花がまとまって1輪をなすゼラニューム。赤やピンクなど色も鮮やかで卒園・卒業式のお祝いにぴったりの花です。
用途として5~6号鉢サイズ1,000~2000円がステージ上の装飾用に使われることがあります。
暑さ寒さに大変強く、屋外に置きっぱなしにしていても毎年花を咲かせるほど丈夫なことから卒園・卒業式が終わった後、“簡単に育てられる花”として人気があります。
ですが、ゼラニュームの残念なところは急な環境の変化に耐えられないことが多く、新品を仕入れても寒い体育館に1日置いただけで葉が真っ黄色になって落ちることがあります。
これは寒さよりも急激な環境の変化に適応しようとし、葉を落とすことによって余分なエネルギーを使わないようにするための生理現象なのですが、こういう枯葉が目立つと“見栄え”として劣るため個人的に卒園・卒業式のステージ装飾には不向きと感じています。
またゼラニュームの葉は独特の苦いような臭いにおいがするのでお祝いの席での個人的なギフトの場合好き嫌いがある花だと思います。初心者でも簡単に育てられる花としてはベストでおすすめですよ!
ゼラニュームの育て方
サイネリアもエラチオール・ベゴニアも日本の気候環境下では一年草扱いなので花が終わったら枯れます。
しかし、ゼラニュームは多年草のため雨に濡れない乾燥気味の場所で育てれば初心者でも何年にも渡って綺麗な花を咲かせられる非常に丈夫な花です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は卒園式・卒業式に使う花の鉢植えについて種類や育て方、そして大きさサイズや用途、準備手順、管理方法などについて解説してきました。
装飾やプレゼントにしてもある程度まとまった量が必要な場合はなるべく早めに花屋さんに注文してください。
この時期は日本全国で一斉に卒園・卒業式シーズンのため花屋さん同士でも仕入れ段階で取り合いになり、必要数をご用意できないケースもあります。予約をしてもらうと先取りすることが可能なのでなるべく早めに予約される方がおすすめですよ!
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