ミニトマト葉が黄色くなる6つの原因と対処方法
ミニトマトを栽培している中で葉が黄色くなってくることがあります。
この記事では、その原因として考えられる6つについて記しています。
- 葉の老化による生理現象
- 病気被害
- 害虫被害・特にトマトサビダニ
- 肥料欠乏(ひりょうけつぼう)・過剰障害(かじょうしょうがい)
- 過乾燥・水やり不足
- 加湿・水のやり過ぎによる根の傷み・根腐れ
もくじ(タッチすると移動します)
葉の老化による生理現象
おそらく、最も多くの人が直面する葉が黄色くなる原因は、老化による生理現象です。
はじめてミニトマトを栽培すると驚くのですが、成長とともに葉が黄色くなり、そのまま落とすことがあります。
株の上の方は問題なく順調に新しい葉が伸びたり、花が咲いて実が成るなど成長しているのにも関わらず、下の方の葉が黄色く変色してきているのであればほぼ間違いなく葉の老化が原因です。
この“上の方が順調に成長している”というのがポイントです!
この後に詳しく理由を説明しますが、簡単にいうと、緑色の葉が役目を終えて黄色くなったということですね。
なぜ黄色くなるのか?というと、ちゃんと理由があります。
ミニトマトの下葉が黄色くなる原理
ミニトマトに限らず植物は太陽の光を使って葉で光合成という働きを行い、糖やでんぷんなどの養分と酸素を作り出します。
その養分を利用して花を咲かせたり、実を成らせたり、葉をたくさん増やしたり、茎を太く上に伸ばすなど株全体を成長させます。
で、ミニトマトは上に上に2m以上成長するわけですが、株が枯れる最後まですべての葉は必要ではなく、花が咲き、実がなったらそのすぐ下にある3枚の葉は養分を送る役目を終えます。
葉が役目を終えた状態=だんだん黄色く変色し、最終的に茶色く枯れて葉を落とすんですね。
だからミニトマト栽培では下の方の葉は無くなっていき、茎だけの寂しい状態になります。
一見すると、心配になるのですが、正しいミニトマトの成長状態なので心配する必要はありません。
葉の老化による生理現象の対処方法
生理現象なので特に問題ありません。
ただ、黄色くなった葉はハサミで切って取り除いて下さい。
一度黄色くなった葉は緑色には戻りません。
放っておくと茶色くなって枯れますが、病気や害虫の発生原因になるので早めに取り除きましょう。
病気被害
次にミニトマトの葉が黄色くなる原因として病気被害があります。
ミニトマトがかかる病気はたくさんあるのですが、例えば
- 葉かび病
- すすかび病
- 斑点病(はんてんびょう)
- 輪紋病(りんもんびょう)
- 萎凋病(いちょうびょう)
などは、どれもいきなり葉がだんだんと黄色くなるのではなく、最初は葉の表面や裏面に斑点(はんてん)が出始めたり、黄色だけではなく茶色や黒っぽいカビのようなものも混じる、しおれるなど段階があります。
なので、前の項目で説明した老化による生理現象とは区別がつきやすいです。
尚、老化による生理現象では株の下の方の葉が黄色くなっていたと思いますが、病気による原因の場合は葉の付いている場所は上下関係なく、どこでも被害に遭います。
害虫被害・特にトマトサビダニ
次に葉が黄色くなる原因として害虫被害が挙げられます。
ミニトマトに被害を及ぼす害虫として代表的なのはアブラムシやハダニ、ハモグリバエ(エカキムシ)などがいますが、アブラムシやハモグリバエが直接的に葉を黄色くすることはありません。
放置することで被害が酷くなり葉が枯れる途中で黄色くなることはありますが。
ミニトマトに被害を与えるダニ類にはナミハダニとトマトサビダニがいるのですが、直接的に葉を黄色くしてしまうのはトマトサビダニです。
- トマトサビダニ・・・黄色くなる
- ナミハダニ・・・葉が白っぽくカスリ状になる
トマトサビダニの発生原因は乾燥です。
具体的にいうと乾燥している葉に寄生しやすいんですね。
対処方法
発生してしまった後は病気被害にあっている黄色くあるいは茶色がかった葉を取り除き、薬剤散布をしてください。
完全無農薬栽培にこだわる場合は、葉を取り除くだけですが、株全体に被害が広がってしまうと成長が悪くなったり収穫量が減ることがあります。
一方、発生する前の予防としては定期的に葉面に水を散布します。
専門用語では“シリンジ”などと言いますが、要するに水を撒く際にシャワーにしたり、ジョーロで葉っぱ全体に水をかけるか、霧吹きでも構いません。
通常は、雨が当たったりするので畑栽培の場合はあまり心配する必要がないのですが、雨の当たらないハウス栽培やベランダなどで育てる際には気を付けたいですね。
病気を予防するという観点からいうと、なるべく葉が重なってうっそうとした状態にせず、特に株の下の方は風通しよくするために実が成った後は積極的に葉を取り除くことも大切です。
緑の葉であっても既に実が成った場所より下についているものは取っても構いません。
風通しを良くすることで病気の発生を抑える効果があります。
肥料欠乏・過剰障害
肥料が足りない時や反対に肥料が多すぎる場合(肥料焼け)も葉が黄色くなることがあります。
大玉トマトでよく起こりがちな土の中のカルシウム不足によって実の下が黒く変色する「尻ぐされ病」などがありますが、同じように肥料の問題で葉が黄色くなることがあります。
例えば
- カルシウム欠乏・・・葉先が黄色く枯れる(=チップバーン)
- カリ欠乏・・・葉の淵が黄色くなる
- カリ過剰(=苦土欠乏)・・・下葉や古葉に黄色のまだら模様が出る
- 鉄欠乏・・・新葉が表脈に沿って黄化
など、土壌中の肥料要素が不足したり多すぎると葉に黄色くなる症状が出ることがあります。
ただ、家庭菜園においては特別にある1種類だけの肥料をあげているとか、畑に原因があるなど特別な原因が無い限り、これらが原因で葉が黄色くなっていることは少ないと思います。
畑でもプランター栽培でも初心者がミニトマトを育てるときに使う肥料は、化成肥料もしくは有機複合肥料、あとは発酵油粕やバッドグアノ、液体肥料など、袋やボトルに記載されている量と配合を適正にしていれば、大きく成長に影響するようなことはありません。
ただ、目分量で肥料をたくさんあげている方は該当するかもしれませんので、必要量は守って与えて下さい。
過乾燥・水やりの不足
家庭菜園でミニトマトを栽培する方が、過乾燥、つまり水をあまり与えない、ということはほどんどないと思います。
一応、説明しますと、ミニトマトに限らず植物の成長に必要な要素は光・水・肥料です。(ここでは土は当然のこととします)
- 太陽の光を利用した光合成によって養分を作り出す
- 水を根から吸収し株全体に回し成長する
- 肥料を与えることで光合成では足りない養分を補う
このように光と水と肥料はミニトマト栽培でも欠かすことのできません。
で、水が不足すると当然、根より上の部分にある茎や葉は元気がなくなり枯れていきます。
その過程で見えるのが黄色くなる状態です。
抜いた雑草を想像してほしいのですが、根が空中に出た状態で放置するとしおれて葉が黄色く茶色くなって最終的に黒くなりますよね。
よく駐車場などに放置されているあれです。
ミニトマト栽培では水不足によって葉が黄色くなるよりもむしろ、水の与え過ぎによって失敗するケースが多いです。
加湿・水のやり過ぎによる根の傷み・根腐れ
葉が黄色くなる最後の原因として、加湿、水のやり過ぎがあります。
この状態では株の全体的に葉が黄色くなり、成長は止まり、土も濡れている状態だと思います。
数日経過しているにもかかわらず、土が一向に乾かないのは根が吸収できる水分量を超えて弱っているためです。
人間もそうですが、自分が飲むことができる水の限界量がありますよね。
水中毒といって大量の水を飲むと人は死んでしまうのですが、そこまで至らなくても夏場に水分を取り過ぎるとお腹を壊すことがあると思います。
あれは胃腸で水分を吸収できる量を超えてしまうため起こるわけですが、植物も同じように常に水がある状態だと根が弱くなり傷んでしまいます。
ですので、根の先にある茎や葉に影響が出て、葉が黄色くなったり、株全体の成長に影響がでます。
根が傷むと葉が黄色くなるだけでなく株全体の成長が悪くなる
根はミニトマトの株を支える重要な役割を持っています。
それは単に株の重みを支えるというだけではなく、根から吸収した水分や肥料分は茎の中にある導管や師管を通って葉や花、実など株全体に行きわたります。
根が元気だからこそ株は順調に成長しミニトマトの果実を成らすことができるわけで、根が傷んでしまうと上手く成長できないのは容易に想像がつくと思います。
水のあげなさすぎ(過乾燥)、水のやり過ぎ、肥料欠乏・過剰障害など根を傷めると植物は1つのサインとして葉が黄色くなったり、落としたりします。
そのため、根を傷めないことが大切になります。
まとめ
■ミニトマトの葉が黄色くなる原因
- 葉の老化による生理現象
- 病気被害
- 害虫被害・特にトマトサビダニ
- 肥料欠乏(ひりょうけつぼう)・過剰障害(かじょうしょうがい)
- 過乾燥・水やりの不足
- 加湿・水のやり過ぎによる根の傷み・根腐れ
初心者の方にとってせっかく元気で青々としていた葉がいきなり黄色くなってくると、とても心配になると思います。
まさか元気に成長していても老化によって葉を黄色くし枯れる生理現象などが原因の1つとしてあるとは想像も付かないですよね。
これまで見てきたように、葉が黄色くなる原因はいくつかありましたが、避けられないものと基本的な管理をしていれば避けられる可能性が高いものがあります。
例えば、病気や害虫被害ではうっそうと茂った葉は間引いて風通しを良くし、病害虫の発生しやすい環境をなくしたり、肥料に関しては適正な肥料を適正量与えればいいわけです。
水やりに関しては株の状態を毎日よく観察すれば水が不足しているのか、足りているのかわかるようになります。
始めて栽培する場合は色々なことが起こり不安だと思いますが、ぜひ今回ご紹介した知識をしっかりと身に付けてトマト栽培のスキルをあげて頂ければ幸いです。
トマト栽培特集!
イチゴの月別!栽培方法
10月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
11月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
12月1月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
冬のイチゴの育て方! 2月の時期の作業と栽培方法 | |
3月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
4月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
5月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
6月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
7月8月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
9月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |