トマトの茎に白い毛!トライコームの役割と生える理由
ミニトマトや大玉トマト栽培初心者の方の多くが抱く疑問の1つに「茎に白い産毛(うぶげ)のようなものが生えてくること」があります。
この記事ではこの白い産毛のようなものの正体と生える役割、理由について詳しく解説しています。
もくじ(タッチすると移動します)
白い毛の正体はトライコーム
トライコーム(trichome)とは表皮細胞(ひょうひさいぼう)といって一番外側にある細胞が伸びたことによってできた「毛」を指します。
日本語に訳すと毛状突起(もうじょうとっき)と言いますが、分かりやすくいえば毛のように出ているものということです。
実はこのトライコーム、トマトだけに発生するものではなくナスやシソ、アサガオ、ヒマワリ、藻類など多くの植物に見られます。
トライコームの役割
トライコームの役割として挙げられるのは以下です。
- 水分の蒸散防止(じょうさんぼうし=外に出ていってしまうのを防ぐ)
- 紫外線防止(直射日光から守る、日除け効果)
- 貯水(水分を溜めておく)
- 防寒(寒さから身を守る)
- 害虫防止(害虫が歩きにくいなど近寄れない造り)
見ての通り、トライコームは持っている植物によって役割が異なります。
トマトにトライコームが生える理由
トマトは元々、中南米原産の地割れがするようなカラッカラの乾燥地帯に自生する植物のため、少々雨が降らなくても生きていけるのですが、その代わり白い産毛であるトライコームを生やすことで
- 水分が外に出ていってしまう(水分の蒸散防止)
- 紫外線防止(直射日光から守る、日除け効果)
- 害虫防止(害虫が歩きにくいなど近寄れない造り)
の効果があると考えられます。
害虫防止に関していうと、トマトの青くさい臭いもトライコーム(白い産毛)の中に溜められていると言われています。
トマトは過酷な環境下で生きていける工夫を自身でしています。
しかし、よくよく考えてみると、私たちが栽培しているのは中南米の過酷な乾燥地帯ではなく、四季があり雨が多い温暖湿潤気候(おんだんしつじゅんきこう)です。
水分の蒸散を防止するためにわざわざトライコームを出す必要はないですよね。
なぜそれでも白い根が出るのかというと、1つは夏場の過乾燥などが関係ありますが、本能的に出るものでもあるとも言えます。
トライコームは病気ではない
次の写真をよく見て下さい。
ミニトマトの実の表面にも白っぽいトゲのようなものが付いているのがわかると思います。
これもトライコームです。
トマトの茎から出る白い産毛であるトライコームは病気の前兆でもなんでもなく、トマトが持つ本能的なものです。
そのため、なにか薬剤を散布する必要はありませんし、そのまま栽培しつづけて収穫した実を食べても全く問題ありません。
白いヒゲがたくさん出る気根とは違う
お悩み相談を見ていると、「茎に白い毛」が出るものと「茎に白いヒゲ」のようなものがたくさん出ているという2つがあります。
ズバリ、この違いは以下です。
- 茎に白いうぶ毛・・・トライコーム(表皮細胞が成長して毛になったもの)
- 茎に白いヒゲ・・・気根(きこん)
トライコームと気根は似て非なるものです。
写真で比較してみるとはっきりとわかります。
気根についてはこちらの記事をご覧ください。
>>ミニトマトの茎のブツブツ・イボイボは気根の出始め!原因と対策
まとめ
トマトの茎に白い毛!トライコームの役割と生える理由について紹介してきました。
ミニトマト、大玉トマト、中玉トマトなど春先からたくさんの苗が販売され、5月~8月にかけて栽培、収穫することができます。
はじめて家庭菜園、ベランダ菜園など畑の地植えやプランター、袋栽培など様々な栽培方法がありますが、どの方法であってもよ~く茎を観察すると苗の頃から白い産毛を見ることができます。
病気ではなくトマトの持つ特徴の1つなので心配せず、正しい方法を実践して立派な果実を収穫して下さい。
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