ミニトマトの茎のブツブツ・イボイボは気根の出始め!原因と対策
家庭菜園初心者がミニトマトを栽培していると、特に6月7月8月に茎にブツブツやイボイボしたものが出てきて、病気なのか何なのかわからないことがあると思います。
この記事ではミニトマトを含めた大玉・中玉など、トマトの茎に出てくるブツブツ、イボイボの正体と収穫できた実を食べても体に影響はないのか?について記しています。
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ブツブツは病気ではない!気根(きこん)とは
結論から言いますと、ミニトマトの茎にできるブツブツの正体は気根(きこん)といって、地上から出る根です。
ほとんどのケースでは病気ではありませんし、収穫までたどり着けます。
ただ、かいよう病や青枯病など一部の病気が原因で気根が出ることがあります。
気根(きこん)はミニトマトだけに出るものではなく、他の植物でも見ることができますが、気根にも種類があってその役割も違ってきます。
気根の役割
- 空気中の水分を吸収するため・・・ミニトマト、コチョウラン、バンダなどの着生ラン
- 株や茎を地面から直接支えるため・・・ガジュマル、モンステラ、タコノキなど
- 呼吸をするため・・・ヒルギなどのマングローブ植物など
- 壁や樹木に着生、貯水するため・・・ツタ、デンドロビウムなどの着生ラン
なぜミニトマトの茎にブツブツ・イボイボができるのか?4つの原因
ズバリ、地中に生えている水分を吸い上げることができず、茎から根を出して空気中の水分を吸収しようとしているからです。
通常であれば、地中に生えている根から水分や栄養分を吸収し、茎を通って株全体に行きわたらせます。
しかし、何らかの原因があって地中の根では吸い上げられないため気根が出ます。
その原因については主に次の4つが考えられます。
過乾燥による水分不足
まず、7月~8月など真夏の暑い時期によく見られますが、土が乾燥し過ぎていて水分が不足していると、地中の根からだけでは成長に必要な水分が足らないため、空気中の水蒸気を吸収しようと茎から根を出そうとします。
ミニトマトを含むトマトの原産地は中南米の乾燥地帯の野菜です。生育適温は25~28℃と高く、乾燥を好む野菜です。
そのため水をあげすぎると枯れてしまうので少々乾燥気味に栽培した方がトマトのためには良く、また糖分が増し甘くなることがあります。
しかし、乾燥させ過ぎても良くないということです。
対策
極度の乾燥はさせないことです。ミニトマト栽培において、おそらくほとんどの方はむしろ水のやり過ぎで失敗することが多いです。
正しい水やりの方法を覚えてくと良いです。
トマトの水やりのタイミングのコツについては以下の記事を参考にして下さい。
>>プランター菜園で育てるミニトマトにやってはいけない水のやり方
肥料不足
続いて、忘れがちなのが肥料不足です。
ミニトマトにとって肥料は人間でいうところの食事です。
植物は光合成によって糖分やでんぷんである養分を作り出しますが、それだけでは不十分なため、肥料を補給してあげないとたくさん実を成らすことは難しくなります。
畑など地植えで栽培するときやプランター栽培をするとき、苗を植え付ける際に元肥(もとごえ)と呼ばれる肥料を別に与えたり、肥料配合済みの培養土を使ったと思います。
しかし、肥料の効果は種類にもよりますが、だいたい半月~1ヶ月程度です。草花のように鑑賞するだけの植物は水だけでまったく肥料を与えなくてもそこそこ花を咲かせるのですが、ミニトマトの場合はたくさんの実をつけるためそれだけ養分やエネルギーも使います。
対策
そのため、追肥(ついひ)といって追加で肥料を与えてあげないと、ミニトマトはなんとか養分を求めようと大気中にも根を伸ばそうとします。
ミニトマトの株の下の方にたくさんの気根が出るのは、その根を伸ばし再び地中に入って水分や養分をたくさん吸収できる入り口を増やすためです。
ミニトマトの根は支柱に結ばす放っておくと、地面を這うようにうじゃうじゃと暴れます。
正しい肥料のやり方についてはこちら
>>トマト・ミニトマト栽培で実を大きく甘くするための肥料の種類
根の傷み
気根が出るのは地中に生えている水分を吸い上げることができないからですが、水分と肥料が足りているにもかかわらず、気根が出るのであれば今度は根の生育環境に問題があります。
根の生育環境とは具体的にいうと根を取り巻く土の状態です。
例えば、土が湿り過ぎている(水のやりすぎ、日照不足)場合、根が酸欠状態になって傷んでしまいます。
根は呼吸をしています。
乾いた土に水やりをすると、根に水が届き、茎の導管を通って株全体に水を吸いあげます。
同時に与えた水の中に含まれた新しい空気が入り込み汚い空気は押し出されます。※プランター栽培の方が分かりやすいかもしれません。
土は日光や根の水分吸収によってだんだん乾き、根はまた水を求めて成長します。
これが正常な根が成長するしくみです。
しかし、水のやり過ぎによって土が過湿状態になると、常に水に使っているのと同じなので根は酸欠状態になります。
だんだんと根が傷み、それが進行すると根が腐る「根腐れ」状態になり結果的に枯死してしまいます。
水のやり過ぎ以外で根が傷む原因として「肥料焼け」があります。
肥料焼けとは肥料のやり過ぎによって根が傷んでしまうことです。
対策
根の傷みが原因で気根が出るケースは上で説明した水分不足や肥料不足と比較すると圧倒的に少ないです。
根が傷んでいる場合は気根の問題だけでなく、それよりも葉や花など株全体にもなんらかの症状が出ることが多いです。
ですので土の加湿が原因ならばまずは水を控える、根の周りの土を新しい土に変える、プランター栽培ならしっかりと日照が当たる場所へ置き、水を控える、新しいに変える、肥料焼けが原因なら、肥料はしばらくやらない、土も変えるなどの対策を取ることができます。
病気
「青枯病(あおがれびょう)」や「かいよう病」など病気が原因で気根が出てきてしまうことがあります。
まず青枯病やかいよう病がどのような病気なのか見て行きます。
青枯病
症状・・・晴れた日に元気な株が急速に葉が青みを残したまましおれて枯れます。
曇りの日や夜間にはまた元気になりますが、天気のいい日にはまた枯れるなどを繰り返し、そのうち茎から細菌を含んだ乳白色の液体が出ます。他の野菜に移らないように気をつけてください。
青枯病かどうか判断する方法は、最終的に地際の茎を切って乳白色の液体が出るかどうかです。
原因・・・水はけの悪い土壌で多く発生します。土の中にいた細菌が雨や水やりによって運ばれ害虫などによって食害された部分や耕すときに傷ついた根から侵入します。
接ぎ木苗を深く植えてしまったことで、茎から細菌が侵入してしまうことがあるため、浅く植えます。
この細菌が原因で茎・葉・根の中にある水分や養分の通り道である維管束(いかんそく)が壊されてしまうので、地上に気根が出るようになります。
対処法・・・青枯病が原因の場合は、即株を抜いて焼却処分、ビニール袋に入れて早急に近くで栽培している植物から離して捨てて下さい。
青枯病を引き起こす最近は土壌にて2~3年生き続けると言われており、同じ場所にすぐに苗を植えるとまた感染する可能性が高いです。
太陽熱消毒などをして畑などの場合しばらくその場所で野菜を栽培するのは諦めましょう。
プランター栽培の場合は真夏に太陽熱消毒をするか、面倒くさいのであれば今使っている土は捨てて、新しい培養土で新しく購入した苗で再チャレンジして下さい。
プランターの古土の太陽熱消毒方法はこちら
>>プランター土の太陽熱消毒|家庭菜園で使った古い土を殺菌する方法
かいよう病
症状・・・茎に気根が発生します。また下の葉からしおれて、葉が乾燥し巻いてきます。そして葉が黄色く変色し枯れます。茎も黄色く変色し粉状になります。
症状が進行すると茎が割れたり、ブツブツしたできもの(かいよう(潰瘍))が表れます。果実も奇形果が出来てしまい、青いうちに表面に鳥目症状と呼ばれるプツプツの斑点がでるようになります。
原因・・・種にいた細菌や土壌にいた細菌が根から感染することで発生します。
雨が続く梅雨など多湿環境下で伝染が拡大します。
わき芽かきなど茎に傷口が出来るときは晴れた日に行うのが鉄則です。
対処法・・・カスミンボルドーのようなかいよう病に散布する薬剤が必要になります。
ただ、青枯病と同じく土壌に細菌がいることで発生するので、早めに株ごと抜いて処分した方が良いです。
茎のブツブツ、イボイボは元に戻る?解決策はある?
残念ながら、一度発根した気根が消え、きれいな茎に戻ることはありません。
ですので現状を元に戻す解決策はないです。
しかし、病気が原因のケースを除き、気根を取ってしまっても株全体が枯れることはありませんし、そのまま放置しておいても全く問題ないです。
正確には病気が原因のケースは気根を取ったことが原因で枯れるのではなく、病気が株を枯らすと考えて下さい。
一般的にミニトマトの茎から気根が出ている状態というのはよくあることですが、多くは地中の根から十分に水分、養分が吸収できていないことを表しています。
私、個人としては病気を除き、正しいミニトマトの育て方をすれば収穫まで辿り着けるので、あまり神経質にならなくても良いと思いますが、過乾燥による水分不足、肥料不足などが大きく関係していることを知り、それぞれの対策をすることで解決できます。
トマトの果実は食べていいのか?
ミニトマトの茎にブツブツ、イボイボした気根が出てくると、はっきり言ってキモチ悪いですよね。
こんな株に成ったトマトの実を食べても大丈夫かしら?と思われるのも当然です。
結論からいうと、病気が原因の場合を除き食べても問題ありません。
なぜなら繰り返し言っていますが、気根が出る多くの原因は、地中の根が正常に水や養分を吸収できず、地上に出ている茎から水蒸気や養分を得ようと一生懸命伸ばしているだけだからです。
ミニトマトにとってはなんとか生きるための手段なんですね。
まとめ
この記事ではミニトマトや大玉トマトなどの茎に出てくるブツブツ、イボイボ、ゴツゴツなど表現は色々ありますが、その正体である「気根(きこん)」について紹介してきました。
ほとんどは以下が原因です。
- 水分不足
- 肥料不足
- 根の傷み
- 病気
病気による気根の発生かどうかを判断できるポイントは、株全体が元気に成長しているかどうかです。
病気の場合は気根だけではなく、もっと葉や茎など株全体に色々な症状がでます。
葉が青々とし、茎が伸びて新芽が出ている、花が咲き、実がなるのであれば、気根が出ていたとして収穫には問題ありません。
水やりや肥料の与え方に十分注意して栽培し続けましょう!
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