ミニトマトの花が落ちる原因|初心者栽培で考えられる理由
ミニトマトの花が落ちてしまう現象がありますが初心者の場合、どの原因が当てはまるのかもよく分からないと思います。
そこでこの記事では初心者の方が栽培しているときに考えられるよくある理由から優先して順番に紹介していきます。
ではどうぞ。
もくじ(タッチすると移動します)
花が落ちる王道原因はつるボケ
まず、ミニトマトの花が落ちる原因の王道は茎や葉ばかりが成長してしまう「つるボケ」現象です。
栄養分が花を咲かせて実を成らせるためにうまく回らず、茎や葉の方へ行ってしまうことで花は咲いても実になる前に落ちてしまいます。
で、ミニトマトに限らずトマトという野菜は一番最初に花が咲く房(第一花房)でちゃんと花が咲き実に成らないと、つるボケ状態になってしまう性質を持っています。
そして、茎や葉ばかり成長してしまうつるボケ状態を作り出す原因としてチッ素成分の多い肥料を使っていることが挙げられます。
なぜチッ素成分の多い肥料を使うとつるボケになるのか?
ミニトマトだけでなく野菜や花などの植物が元気よく育つためには17種類の必須要素があるのですが、そのうち肥料として与えなくてはならない3つの重要な肥料成分があります。
それが肥料のパッケージに記載されているチッ素(N)-リン酸(P)-カリ(K)です。
- チッ素(N)・・・茎や葉を成長させるために必要
- リン酸(P)・・・花や実をつけるのに必要
- カリ(K)・・・根を成長させるのに必要
ご覧の通り、チッ素(N)は茎や葉を成長させるために必要な肥料なので、チッ素成分の多い油粕などの肥料を与え過ぎてしまうと茎が太くなりすぎる、葉は茂り過ぎることになります。
要するにチッ素成分の肥料の与え過ぎは意図的に花が咲きにくい状態を先に作ってしまうんですね。
だから花も落ちてしまうということです。
しかし、初心者がチッ素成分肥料をやり過ぎるわけがない!
花が落ちる原因の1つとしてチッ素成分の肥料のやり過ぎ、あるいは土の状態がそもそもチッ素成分が多くなっているから起こることは全くその通りです。
しかし、果たしてミニトマト栽培初心者の方が敢えてチッ素成分の多い油粕や観葉植物用の肥料などを与えるとは考えにくいです。
おそらくほとんどの初心者の方は畑であれば化成肥料や有機質複合肥料、プランター栽培なら肥料成分が配合された野菜用、花と野菜用の培養土を使用していると思います。
そこでチッ素成分が多すぎこと以外の初心者栽培で考えられる理由を見て行きましょう。
植え付け時点の元肥が多すぎる【肥料過多】
チッ素成分だけが多いのではなく、肥料が全般的に多すぎることが原因です。
元肥(もとごえ)とは苗を植え付けるときに与える肥料のことで畑栽培ではたい肥とは別に投入しますが、初心者の方のプランター栽培では肥料配合済みの培養土を使うことが多いので敢えて入れないはずです。
(中上級者になると色々と培養土に少量、実付きを良くするために魚粉やバッドグアノなどリン酸成分肥料を配合したりする人もいます。)
ですが、ミニトマトはそもそも光合成によって糖やデンプン等の養分を作り出しているため以下のようにプラスαで肥料を与えたり結果的に肥料が多くなると「つるボケ」状態を作り出してしまいます。
青
- 肥料を目分量でなんとなく播いている
- 発酵油粕ではなく油粕を使用し施肥分量が多い
- 肥料効果の長い培養土を使っている
- 肥料効果の長い培養土+単肥肥料を配合している
肥料を目分量でなんとなく播いている
まず、畑栽培にて元肥として化成肥料などを投入しますが、分量を目分量などでテキトーに与えているとチッ素成分関係なく、全体的に肥料が多すぎる状態を作り出してしまうことがあります。
化成肥料を例にすると、適切な分量は1㎡あたり30g程度、成人男性なら片手で一握り、成人女性なら片手の半分くらいです。
この目分量を理解した上で播いている分には構わないですが、よくわからないけどこれくらいで良いかという感じで撒いているとダメです。
ついつい、畑に対して肥料が少なく感じてしまうためいっぱい播いてしまう方がいらっしゃいますが、必要な分量を超えてしまっている可能性が高いです。
肥料効果の長い培養土を使っている
プランター栽培の場合、培養土を使うわけですが「野菜用」「花と野菜用」の培養土の中でも「肥料が長持ちする」と記載されている商品のうち、場合によって全体的に肥料が多すぎる状態になってしまうことがあります。
ただ、難しいのは商品によって肥料が長持ちするものであってもちゃんと花も咲き、実もなり収穫できるケースも普通にあります。
肥料効果の長い培養土+単肥肥料を配合している
初心者の方は注意したいのですが、肥料効果の長い培養土を使用しさらに魚粉・骨粉・バッドグアノなど別の肥料を追加して与えると、全体的な肥料過多になります。
「発酵油粕」ではなく「油粕」を使用し施肥分量が多い
元肥に発酵油粕+魚粉・骨粉・バッドグアノ等のリン酸成分肥料を使うことはありますが、「発酵油粕(はっこうあぶらかす)」ではなく「油粕(あぶらかす)」を使うとチッ素成分が多くなることがあります。
「発酵油粕(はっこうあぶらかす)」は油粕だけでなく魚粉、米ぬか、骨粉の他数種類以上の有機物を配合し、発酵させた肥料です。
そのためチッ素・リン酸・カリの成分比率も4:6:2などです。
一方、「油粕(あぶらかす)」は菜種や大豆などを原料を搾ったカスで、チッ素・リン酸・カリの成分比率も5~7:1~2:1~2などダントツでチッ素成分の多い単肥と呼ばれる肥料です。
どちらも名前は似ていますが、成分比率が全く異なるため元肥として使う時は注意して下さい。
4月の早植えによる寒さ
ミニトマトの苗はハウス栽培向けの苗が3月から、家庭菜園向けの苗が3月後半から4月に早くも出回ります。
しかし、結論から申し上げますと初心者の方は3月後半~4月に苗を購入し即植えるべきではありません。
なぜなら寒さに当たってしまうことで苗が傷み、その後の成長に影響を及ぼすことがあるからです。
4月の東京や大阪などの中間地と呼ばれる地域の最低気温はまだ10℃を下回る日があります。
ミニトマトの生育適温は25℃~28℃と高温性の野菜のため、幼苗にはこのように寒さよけをしないと厳しく根が傷んでしまったことで、成長に影響し、その1つとして花が落ちてしまうことがあります。
寒さよけのグッズは販売されていますが、初心者の方は苗の購入時期と植える時期を5月の大型連休くらいまで待った方がその後の栽培は簡単になります。
日当たりの悪い場所になっている【日照不足】
ミニトマトは日当たりの良い場所で育てることが基本です。
あえて日陰で栽培している人は少ないと思いますが、日当たりのいい場所に置いているつもりでも結果的に日照不足になっているケースでね。
ミニトマトはしっかり日が当たらないと発育不足になり花が咲いても落ちることがあります。
要するに開花させるだけの体力がないイメージです。
特にプランター栽培では午前中の朝早い時間帯に太陽が当たる場所に置いておくと良いです。
要するに日が当たる時間が長い方が良いわけです。
日当たりの良い場所に置いているつもりでも、例えば南側のベランダだとしても壁際に置いていると日が当たっていないことがあります。
ベランダの壁が柵のように日が当たる構造であれば問題ありませんが、コンクリートの壁であれば幼苗には光が当たりません。
ですので、ベランダに置く際はよく日が当たる場所、壁際ではなく部屋側、窓に近い場所であれば日光が当たると思います。
過乾燥、水が足りていない【水分不足】
ミニトマトはどちらかというと乾燥に強い野菜です。
原種は地割れのするアンデス高地に生息していますが、私たちが栽培しているのは園芸品種ですのでそこまで過酷な環境だと生育に影響が出ることがあります。
おそらく、ミニトマト栽培をしよう!と考えて始められた方が水やりをしないことはほぼなく、どちらかというとやり過ぎによって枯らしてしまうケースの方が多数です。
乾燥による水分不足状態というのは苗がぐったりし過ぎている状態ですので、全くミニトマトを育てたことがない方でも気づくはずです。
ですので、水分不足が原因で花が落ちてしまうというケースはかなり少ないのではないでしょうか。
肥料をやっていない【肥料不足】
こちらはよくあるケースで、苗を植えて水やりしかやっていないケースです。
あるいは自分で色々な単肥を配合したけれど何かの肥料成分が足りていないなどです。
肥料配合済みの培養土を使ったプランター栽培であれば、先ほどご説明したように肥料効果が長いことによる原因以外にはほぼ問題ありません。
肥料不足によって花が落ちているのだとすれば、適切な分量を与えていなかったり、あるいは栽培途中で全く肥料を与えなくなったケースです。
途中から肥料を与えていないケースでは、元から培養土に配合されていた肥料のおかげで最初の方はちゃんと花が咲いて実も成っていたはずです。
考えらえるのは栽培後期に花が落ちているのではないでしょうか。
これは肥料不足も考えられますが、次の原因も該当することがあります。
夏の高温期による疲れ
ミニトマトは高温性の野菜なので暑さや乾燥に強い野菜です。
しかし、8月後半以降になってくると7月から8月にかけて大量に収穫が終わり、株自体が夏の高温期と合わさりだいぶ疲れています。
肥料を与えていても成長し続ける茎の先端の方に咲く花は小さくなったり、落ちたりします。
この場合、畑栽培では無理ですがプランター栽培では涼しい場所に移動させて休ませてあげて下さい。
苗の植え過ぎ
苗を植える間隔が狭すぎたり、あるいはプランターに植えられる数を超えて育ててい場合、花が落ちるというだけでなく、おそらく株もあまり大きくならず茎もひょろひょろとして隣の苗とぶつかってしまっているのではないでしょうか。
これは満員電車を想像してもらうとわかるのですが、周りからぎゅうぎゅうに押されて手も足も伸ばせず、縮こまった状態です。
トマトでいうと根が下にも横にも張れず、葉は隣と重なり陰になって光合成もできず、栄養分も作り出せていません。
そうするとなんとか生き延びるために茎は伸びますが、軟弱な株に育ちとても花を咲かせるだけの体力が残っていません。
よって花が落ちてしまうことが起きます。
畑栽培では株間50~60㎝、列間60~70㎝、プランター栽培では直径30㎝深さ30㎝に1苗が目安です。
イチゴ栽培で使う長さ65㎝深さ20㎝程度の横長プランターだとミニトマト栽培では小さすぎるためうまく成長できません。
たくさん収穫したい気持ちはよくわかります!ですが、適切な間隔、プランターの大きさを守って育てて下さい。
植え替えるなどして育て直します。
受粉がうまく行かなかった
基本的にミニトマトは大玉トマトと違い人工授粉をする必要はないのですが、受粉がうまく出来なかった落ちてしまうことはあります。
ただ、受粉が出来なかったからといってたくさんの花が落ち続けることはないです。
ちなみに人工授粉に関してミニトマト栽培ではする必要がありません。
しかし、マンションの高層階など全く昆虫がいない場所で栽培する場合は花が咲いたら晴れた日の午前10時~午後2時までの間に、筆、もしくは耳かきの上についている白いふわふわした梵天(ぼんてん)で花全体をやさしく1回撫でて下さい。
そうすれば確実に人工授粉できたので実はなります。
まとめ
この記事では初心者栽培で考えられるミニトマトの花が落ちる原因についてお話してきました。
おそらく紹介したどれかに当てはまるはずです。
野菜苗はとりあえず植えれば成長はします。
しかし、土質が悪かったり苗を植え過ぎたり、適切な肥料や水やりなど正しい栽培方法をしないと収穫までたどり着きません。
今一度正しい栽培方法の流れを確認してみて下さい。
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