レタスの育て方|プランター栽培で初心者がベランダで収穫できるコツ

サラダや中華料理、オムレツや洋食の付け合わせなどシャキシャキとした食感がたまらないレタスは、玉レタスや結球レタスとも呼ばれます。
レタスはミニトマトなどと違ってサイズも大きく、家庭菜園で育てるには少し難しい印象があると思います。
しかも、レタスをベランダでプランター栽培するなんて本当にできるの?と思う人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、初心者でもコツをおさえればベランダでレタスを収穫できます!
この記事では家庭菜園で扱う野菜の中では比較的難易度が高いと言われているレタス(玉レタス・結球レタス)のプランター栽培方法を
実際に私が育てた過程のオリジナル画像と共に、丁寧に解説します。
もくじ(タッチすると移動します)
レタス(玉レタス)の栽培基本データ
科名 | キク科 |
原産地 | 地中海沿岸、中近東内陸、小アジア |
食用部分 | 結球葉 |
生育適温 | 15~20℃ |
発芽適温 | 15~20℃ |
スタート方法 | 苗 |
株サイズ | 幅30㎝ 高さ15~20㎝ |
病害虫 | アブラハム、ヨトウムシ、軟腐病、菌核病 |
レタスの栽培時期と収穫までの流れ
レタスはキャベツ同様、春と秋の2回栽培できるタイミングがあります。
なぜそのようなことができるのか?というとそれはレタスの生育適温が15~20℃だから。
日本ではちょうど4~6月と9~11月の気温にあたります。
お住いの地域の植え付け時期を確認し、適期を逃さないように植え付けましょう!
レタスは高温長日(気温が高く日が延びる)になると、とう立ちといって花を咲かせようと背が伸び、結球しなくなります。
地域 | 植付け | 収穫 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 3月下旬~4月下旬 | 5月下旬~6月下旬 |
8月下旬~9月中旬 | 10月下旬~11月下旬 | |
北海道・東北 | 4月中旬~5月下旬 | 6月下旬~7月下旬 |
8月初旬~8月下旬 | 10月初旬~11月初旬 | |
四国・沖縄・九州南部 | 3月中旬~4月中旬 | 5月中旬~6月中旬 |
9月初旬~9月下旬 | 11月初旬~12月初旬 |
寒冷地・中間地・暖地の区分
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・四国、九州南部、沖縄県
用意するもの
- 苗
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(排水システムがあれば不要)
- 防虫ネット
- プランター 直径40㎝×深さ35㎝/幅65㎝×奥行20㎝×深さ20㎝ 容量15~20ℓなど
レタスの主な品種
品種名 | 早晩性 | 特徴 | 種苗会社 |
エクシード | 早生 | 高温・乾燥・病害に強い。葉は多汁で甘みがある。サラダや炒め物に。植え付け後約45日で収穫可能。1球重500~600g | カネコ種苗 |
Vレタス | 早生 | 高秀品率の定番品種。腐敗病や根腐病に強い | |
フリフリッカー | 早生 | 曇天や急激な日照に強い肉厚レタス。外葉が立ち上がるため日焼け&しおれ防止がある | サカタのタネ |
キングクラウン | 中生 | 丈夫で樹勢が強い大玉種。乾燥や多湿に強い | |
エムラップ231 | 早生 | 耐暑性がありとう立ちが遅い。葉は厚く味は強い甘みがある | |
サリナス88 | 中生 | 耐病性がありまとまりがいい。光沢のある外葉。食感が良い | |
シスコ | 中生 | 秋植え冬採り向き。強健で耐寒性に優れている。肉厚で日持ちが良い | タキイ種苗 |
極早生シスコ | 極早生 | 植付後35~40日程度で収穫できる。耐暑性&高温期の結球に優れる。大きさはコンパクト | |
ウィザード | 早生 | 春秋採りできる強健種。葉は多汁で食味が良い。肥大性と多収性に優れている | |
Jプレス | 中早生 | べと病に強く低温結球性に優れる。秋植え冬春採り向き |
レタスの栽培手順
苗選び
■苗選びのポイント
- 本葉が4~6枚くらい付いているもの
- 葉がシャキッとして株がしっかりしているもの
- 葉が破れたり汚れていない、きれいなもの
- 病気・害虫の被害に遭っていないもの
レタスの苗は年2回ほど流通します。
夏の終わり~秋にかけて販売される苗と冬の終わり~春先にかけてです。
どちらも苗の選び方は共通していて、本葉が4~6枚くらい付いていて、株がしっかりしているなどです。
葉物野菜なので、葉がきれいな状態で管理されているかどうかは大きいですね。
レタスの苗はどうしても下の葉は土から近いため、水やりの際に土の跳ね返りで汚れたり、黄色くなって枯れがちです。
生育していく中で取り除けば全く問題ないのですが、できればそういったものを残しておらず、しっかり管理されているお店の苗を購入することをおすすめします。
プランターと土の準備
レタスをプランターで栽培するなら通常、サイズに合わせて1株~2株です。
私は1株だけ栽培したので直径30~40㎝ほどの野菜栽培用のプランターを使用しました。
2株栽培するのであればプランターは横長のものを使ってください。
深さに関しても20~30㎝程度あればOKです。あまりに浅すぎると根が張りません。
以下はレタス栽培に適切なプランターサイズです。
- 1株植え 直径30~40㎝程度 容量15~20ℓ
- 2株植え 幅60㎝×奥行30㎝×深さ30㎝ 容量20ℓ程度
プランター選びについてはプランター選び方|野菜を栽培する家庭菜園初心者に教えますを参考にして下さい。
苗の植え付け
植え付け前の準備に関してはプランター野菜の植え方|家庭菜園初心者が出来る手順と方法で確認してください。
プランター内の中心に苗を仮置きして植える場所を決めます。
スコップ、もしくは手を使って穴を掘ります。
その際に、プランター内の土の高さと苗元の土の高さが同じになるように調整して下さい。
深すぎても浅すぎても良くないので、必ず水平になるように植え付けましょう!
植え付けたら水やりをしてとりあえず完了です。
防虫ネット
レタス、キャベツ、ブロッコリーなど“葉物野菜”を家庭菜園で育てる場合には、必ず防虫ネットをかぶせて栽培しましょう。
害虫に葉を食べられてしまうと生育がグッと悪くなります。
ですので野菜栽培専用の防虫ネットを購入して被せて下さい。
被せるタイミングは植え付けと同時です。
水やり
防虫ネットをしていると思いますが、水やりはネットをかぶせたままでも可能です。
ですが、レタスの株元は土から近いため蒸れて黄色く枯れていたり、ネットのすきまから侵入した害虫のせいで葉が喰われてしまうことがあります。
そのような状態になっていないかを確認・対処するためにも、時々完全にネットをはずして水やりをすることをおすすめします。
病害虫対策の水やりとして、汚れを落としたり、葉の表裏の乾燥による病害虫発生予防として定期的に葉全体にシャワーで水をかけてあげましょう。
害虫対策
先程からも説明しているようにレタス栽培の害虫対策の原則は防虫ネットをかけた栽培です。
レタスの葉を食害する害虫を入れなければ、害虫被害に遭う確率はグッと減ります。
ただし、土の中にいた場合は対処することができません。
ヨトウムシ(夜盗虫)は文字通り、夜に活動するため朝になって葉が食べられていることに気付きます。
若く柔らかい葉ほど食害に遭いやすいのでまずは、防虫ネットをかけましょう。
そして、その他アブラムシなどの被害に遭う場合は天然由来成分の殺虫剤を散布するといいです。
殺虫効果に関しては通常の殺虫剤の方が強いですが、せっかく家庭菜園で無農薬栽培(オーガニック栽培)を目指すのであれば「アーリーセーフ」のようなヤシ油の粘着性によって害虫の気孔をふさぎ駆除する商品を使うといいです。
病気対策
植え付けから収穫までの期間が短い早生種(わせしゅ)の品種を選べば、病害虫被害に遭う確率は下がります。
ですが、菌核病(きんかくびょう)や軟腐病(なんぷびょう)にかかってしまった場合は殺虫殺菌剤を散布するか、今回は諦めて株ごと処分するかです。
レタス栽培にかかわらず、基本的に病気対策は事前に行うものです。
病気にかかってから対処するというよりも、かからないように対策を打つという考え方ですね。
追肥(ついひ)
栽培の途中に追加で与える肥料のことを「追肥(ついひ)」と言います。
レタス(玉レタス、結球レタス)は追肥をしないと球が大きくなりません。
結球しない(丸くならない)リーフレタスやロメインレタス(半結球レタス)よりも栽培期間が長いため、しっかり追肥をしてあげないと球が大きくならないどころか、丸くならずに立ち上がって失敗することもあります。
追肥のタイミングは植え付け後2~3週間経ったら、その後2週間に1回ペースで固形肥料、あるいは水やりを兼ねた液体肥料を与えて下さい。
個人的には液体肥料の方が水やりを兼ねるため忘れにくく、初心者でも簡単にできます。
液体肥料を与える分量については液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!を参考にして下さい。
結球
レタスはまずは、葉が上に立ち上がるように成長します。
それが段々と外側から包み込むように丸くなってきます。
私が栽培した品種「エクシード」は早生種(わせしゅ)といって植え付けから収穫までが早いタイプですが、立ち上がった葉が丸く結球するまでにおよそ1週間程度です。
レタスの面白いところは一番外側の葉から結球するわけではなく、もう1~2枚内側の葉から巻いてきます。
もうこれなんかは中心部分が丸く結球しているのがわかりますよね?
だいたい収穫10日前の状態です。
収穫
はじめてレタス栽培をしたとき、いつ収穫して良いのかそのタイミングが分かりにくいです。
写真を見てもらうとわかりますが、レタスというのは全ての葉が丸く結球するわけではなく、外側の葉は丸まりません。
ですので球を少し押してみて、ギュッという中身が詰まっていて少し押し返す感触があれば収穫のタイミングです。
主婦の方や料理をする方であれば分かると思いますが、スーパーで売っているレタスを手に取ったときと同様の弾力があれば合格です。
いざ、収穫ですが外側の葉を数枚残した状態で、包丁を使って株元を切ります。
切り口から白い乳液(ラクチュコピクリン)が出てきます。
このラクチュコピクリンとは鎮痛効果のある苦味物質。
キッチンペーパー等で拭き取ってください。
そのままにして葉に付着すると赤茶色になって傷みます。
どうでしょう!自宅のプランター栽培でもちゃんと丸い結球レタスを収穫することができました。
調理
レタスがとてもきれいですよね!
プランターで収穫できたレタスとは思えません。
レタスとトマトの簡単卵炒めを作ってみました!
本当はミニトマトを使うのですが、普通の大玉トマトを使ったため果汁が多めに出てしまいました。
詳しい作り方はこちら
サラダも作りました。
調理というか洗って添えただけですが、スーパーで売っているレタスと変わりません。
むしろ、柔らかくゴワゴワした感じがなくて美味しかったです!
レタスのプランター栽培のコツ
- 植え付け時期を守る
- 防虫ネットをかぶせる
- 追肥を欠かさない
- 収穫時期を逃さない
家庭菜園では色々な野菜を育てることができますが、基本的に丸くなる結球レタスは初心者にとって栽培難易度が高いです。
栽培がカンタンなのは>>リーフレタスの育て方|プランター栽培で初心者が収穫できる方法【栽培手順と記録】
結球レタスの栽培が難しい理由は、虫との闘いや結球させるために植え付け時期を逃さないようにしたり、置き場所を考えたり、肥料を切らさないなど気にかけてあげることが多いなど、手間ひまがかかるんですね。
しかし、この記事で紹介したレタスの育て方のコツをおさえれば、初心者の方でも自宅のベランダでレタスを収穫することができます!
ミニトマトやナスなどと違い1株でたくさん収穫することはできませんが、レタス1個を使い切るには数日必要でしょう。
冷蔵庫の野菜室に入れておけば日持ちするので、サラダやスープ、中華料理の具材やオムレツの付け合わせ等使い道はたくさんあります。
レタスを収穫できたときの感動は実際にやってみた人しかわからないので、ぜひこの記事を参考に実践してみて下さい。
トマト栽培特集!
イチゴの月別!栽培方法
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