鷹の爪トウガラシの育て方|初心者がプランター栽培する方法
日本に古くからある香辛料野菜といえば鷹の爪トウガラシです。
ミニトマトなどの野菜と異なり単独で食べる人はあまりいませんが、完熟させれば一味唐辛子など保存食品として長く利用できます。
鷹の爪トウガラシは初心者向けの野菜なのでぜひこれから紹介する栽培方法を参考にしてください。
もくじ(タッチすると移動します)
鷹の爪トウガラシの栽培基本データ
科名 | ナス科 |
食用部分 | 果実 |
生育適温 | 23~30℃ |
発芽適温 | 25~30℃ |
スタート方法 | タネ、苗 |
株サイズ | 高さ70~80㎝ 幅60㎝ |
病害虫 | アブラムシ、ハダニ、うどんこ病等 |
鷹の爪トウガラシの栽培時期と収穫までの流れ
地域 | 植付け | 収穫 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 4月下旬~6月上旬 | 6月上旬~10月中旬 |
北海道・東北 | 5月下旬~6月中旬 | 7月初旬~9月下旬 |
四国・沖縄・九州南部 | 4月中旬~5月下旬 | 5月下旬~10月下旬 |
寒冷地・中間地・暖地の区分
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・四国、九州南部、沖縄県
用意するもの
- 苗
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(排水システムがあれば不要)
- プランター 幅30㎝×深さ30㎝
苗選び
■苗選びのポイント
- 茎が真っ直ぐでひょろひょろ間延びしていない
- 葉色が濃い
- 病害虫被害のないきれいなもの
鷹の爪トウガラシの苗選びのポイントは上記で示した通りです。
鷹の爪トウガラシは同じトウガラシの仲間であるピーマンやパプリカよりも成る実は小さく丈夫なので、よっぽど元気のない苗を選ばない限り、実を付けないことはありません。
下写真のように1ポットに2苗植わっている場合がありますが、これは一緒に植えて栽培するのではなく、1本ずつ分けて植えるのが正解です。
苗の植え付け
鷹の爪トウガラシ苗は4月から流通していますが、植え付けは5月中旬以降の方が良いです。
トウガラシの生育適温は25~30℃と高温なのでまだ気温が低い4月初めのころに植えてしまうと苗が寒さで枯れてしまうことがあるからです。
植え方の詳細はこちらの記事を参考にしてください。
>>プランター野菜の植え方|家庭菜園初心者が出来る手順と方法
支柱立て
苗の株元から10㎝程度離れた場所に支柱を立てます。
鷹の爪トウガラシは成長しても高さ1m以下なので支柱のサイズも高さ1m直径16㎜程度のものでOKです。
着蕾(ちゃくらい)と開花(かいか)
6月に入ると緑色の蕾が付き始めました。
そして白い花が咲きます。
鷹の爪はわき芽かき・整枝(せいし)はしない
ピーマンやパプリカなどはわき芽かきや整枝(せいし)という作業があります。
収穫量を増やすために一番最初に咲いた花より下の芽を摘む(わき芽かき)や一番最初に成った実を早めにとる(一番果、二番果の摘果)、
枝を3本に分けて育てる整枝作業があるのですが、鷹の爪トウガラシに関しては一切これらの作業はする必要はありません。
植えたらそれっ放しでOKです。
なぜかというと、まずできる実が小さいこと、そして青い実は青トウガラシとして、赤い実は赤トウガラシ(鷹の爪)として利用できるため、わざわざわき芽かきなどによって実を成らせるために養分を集中させる必要がそれほどないためです。
水やり
後で肥料の項目でも同じ説明をしますが、トウガラシの仲間は元々、中南米原産の野菜なので暑さには強いのですが、過乾燥にさせると株にストレスがかかり辛み成分であるカプサイシンが増幅することで激辛になってしまいます。
これは鷹の爪に限らず、シシトウなど本来はそれほど辛くない種類の仲間でも辛くなります。
ですので、水やりに関しては過乾燥にならないようにしましょう。
トウガラシの葉は硬くしっかりとしているため、水不足になると下を向きしんなりしてくるので初心者でも気づきやすいです。
そうなる前に与えるのがベストなので、毎日株をよく観察し、水やり直後の様子を写メなどで記録しておくと良いでしょう。
害虫対策
鷹の爪トウガラシは私たち人間でもあまりバクバク食べないように虫も好んで食べる野菜ではありません。つまり害虫に強いことを意味します。
とは言っても他の野菜と同様にアブラムシやハダニは栽培環境によって被害に遭う可能性は十分あります。
神経質になる必要はありませんが、一応住友化学園芸から販売されている「アーリーセーフ」など天然成分由来の殺虫剤を害虫被害に遭う前に散布しておくと良いですね。
病気対策
私が行う病気対策の1つに株の下回りの葉を間引き、風通しをよくする作業があります。
株の下回りは水やりや雨などによる泥はねによって、カビが生えるといって病気の原因になりかねません。
先程もお話ししたように鷹の爪トウガラシはわき芽かきや整枝をする必要はないのですが、病気対策として間引くこともあります。
鷹の爪トウガラシは害虫被害と同じく病気被害も少ない野菜です。
うどんこ病やモザイク病などにかかることもありますが、風通しの良い場所で水やりや肥料などきちんとやっていればそれほど気にする必要なく収穫までたどり着けます。
ただ、害虫対策と同じく天然由来成分の殺虫殺菌剤をまいておくとより被害に遭う確率は下がります。
追肥(ついひ)
苗を植え付けて2週間後から2週間に1回程度の間隔で固形肥料、もしくは液体肥料を与えて下さい。
「花工場」「ハイポネックス」など液体肥料であれば固形肥料と比べて速効性があるのと、水やりを兼ねてできるので肥料のやり忘れがなくて良いです。
鷹の爪トウガラシ栽培で気を付けたいのは肥料不足による株のストレスです。トウガラシの仲間であるシシトウなどもそうなのですが、水や肥料が不足すると株にストレスがかかり、辛味成分のカプサイシン増幅によって味が激辛になることがあります。
言い換えれば、激辛の鷹の爪トウガラシを収穫したいのであれば水やりや肥料を不足気味にするといいです。
収穫
鷹の爪トウガラシは白い花が咲いた後、緑色の実がなります。
青トウガラシですね。
そしてだんだん赤色に色付きます。
青トウガラシを収穫したいのであれば緑色の状態で取ってしまえば良いですが、一般的な収穫のコツとして赤くなった実から順番に1つずつヘタの上を枝からハサミで切り取ることです。
全ての実が赤く変色するまで待ってから収穫すると、株が成り疲れしてしまい弱ります。
なるべく長期間に渡って収穫するためには株を弱らせないことがポイントです。
ただ、株の房ごと収穫したい場合は株になっている8割方の実が赤く色付いてから株ごと引っこ抜いて収穫すると良いでしょう。
保存方法
1つずつ実を収穫した場合はザルなどに乗せて、風通しの良い場所に2週間程度置くと乾燥し保存できます。
株ごと引き抜いた場合は、同じく風通しの良い場所で逆さまに吊り下げて2週間程度、乾燥するまで干しておきましょう。
そして乾燥した鷹の爪トウガラシがこちら
市販されている鷹の爪と変わりありませんね。
長期間使えるように保存バッグに入れて冷蔵します。
鷹の爪は乾燥させて一味唐辛子、七味唐辛子やお漬物の材料として使います。
粉状にするときは手袋やメガネをして作業することをおすすめします。
うっかり唐辛子を触った手で目などを触ってしまうと大変なことになるので!
他の利用用途としては、個人的には輪切りにして甘辛コンニャクの炒め煮などが一番利用頻度が多いです。
あとはリンゴ酢、塩とタカノツメをフードプロセッサーにかけてトウガラシペーストを作ることもできますよ。
鷹の爪トウガラシのプランター栽培のコツ
- 4月には植えない5月以降がおすすめ
- 過乾燥にしない!水分と肥料不足に注意。
- 赤く色付いた実から1つずつ収穫
鷹の爪トウガラシは病害虫被害にも遭いにくく初心者でも簡単に栽培できる野菜です。
一度にたくさん食べる野菜ではありませんが、1回の栽培で家庭で使う1年分以上の量は収穫できます。
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