原種オリエンタリス・オリエンタリス(コーカシカス)|クリスマスローズ

最近のクリスマスローズは多弁、花形、ネクタリー(蜜腺)の形状、色乗りなど、改良に改良が重ねられたものが、もてはやされる傾向にありますよね。
確か観賞価値は高く素敵です。
しかし、私はそれとは正反対の原種オリエンタリスの地味で粗野な、あるいはニゲル等の楚々とした姿こそクリスマスローズ本来の姿だと思っています。
そこで、今回紹介したいのが正真正銘、原種オリエンタリスのオリエンタリス・オリエンタリス(H.orientalis subsp.orientalis)です。
おそらくクリスマスローズを育てている方のほとんどは、実物を見たり栽培したことがないと思います。
この記事では原種オリエンタリス・オリエンタリスの実際の栽培の様子を紹介します。
もくじ(タッチすると移動します)
クリスマスローズ 原種オリエンタリスの3種類
ヘレボルス オリエンタリス(Helleborus orientalis)の原生地はジョージア(旧名グルジア)、ウクライナ、トルコです。
“orientalis” とは「東洋の、東部の」という意味ですが、
これは原生地であるジョージア(旧名グルジア)、ウクライナ、トルコなどが、“ヨーロッパから見て東側の地域(東ヨーロッパ、東南ヨーロッパ)にあることに由来しています。
交配種の元となった原種
花の形や大きさも個体によって違いがありますが、基本的に原種の中では花が大きいです。
常緑で大きくゴワゴワした葉とネクタリー(蜜腺)が特徴的です。
全体的に粗野で丈夫な印象を受けますね。(下写真は基本種オリエンタリス・オリエンタリス(コーカシカス))
葉の淵はギザギザして触ると少し痛いくらい発達しています。
原種オリエンタリスには基本種オリエンタリス・オリエンタリス(コーカシカス)の他に、分布域によってアブチャシクス、グッタータスなど別種が存在します。
ちなみにこの2種は基本種オリエンタリス・オリエンタリスの「亜種」です。亜種とは基本同じ種だけれども、特に分布域によって明確に違いが見られる種類を指します。
- オリエンタリス・オリエンタリス(コーカシカス)
- オリエンタリス・アブチャシクス/アーリーパープル・グループ
- オリエンタリス・グッタータス
花色は白、クリーム色からアズキ色がかったピンクが主で、スポット(小斑点)やベイン(脈状模様)の入る個体もあります。
これらにトルカータス、オドルス、ヴィリィディスなどを交配・選抜し、現在のハイブリッド(交配種)が誕生ました。
以下クリスマスローズの世界展、展示パネルによる解説
それでは3種類のオリエンタリスについて、この記事では基本種オリエンタリス・オリエンタリス(コーカシカスorコーカシクス)について詳細解説します。
オリエンタリス・オリエンタリス(コーカシカスorコーカシクス)
H.orientalis subsp.orientalis(H.orientalis.caucasicus )
かつてはオリエンタリスの中でコーカシカス(コーカシクス)と呼ばれていました。なので正しくは“旧名コーカシカス”
分類上の話なので人によっては現在でも「オリエンタリス・オリエンタリス」をコーカシカスとしている人もいます。
コーカシクスとは黒海(左)とカスピ海(右)を東西に横断するコーカサス山脈周辺(青丸印)のコーカサス地方を指します。
この辺りに自生しているためこの名が付いていました。
微妙な違いですが、オリエンタリス・オリエンタリスは自生地によって2つのタイプに分類できます。
花形 | 花色 | |
ジョージア、ウクライナ産 | 大輪・丸弁 | クリーム、黄色、クリーム×ピンクなど |
トルコ産 | 花弁先のねじれ | クリーム~アイボリー |
私が育てているオリエンタリス・オリエンタリスはタグにGEROGIA(ジョージア)と書かれています。
典型的な原種オリエンタリス・オリエンタリスです。
元々、イギリスのナーセリーPhedarNurseryのMr.McLewinさんから取り寄せた株だと聞いています。
色はオフホワイトをベースにグリーンがかっています。
花だけ見れば原種リグリクス(下写真)とそっくりです。
オリエンタリス・オリエンタリスの全体像はこんな感じです。
花の裏側
蕾です
基本的に我が家では地植えの植えっぱなし。
特に何もしません。
しかし、強健な原種ではありますがやはり、落葉樹の下に植えるのが最適だと思います。
2株ほどオリエンタリス・オリエンタリスを栽培していますが、1つはモミジの下、もう1つはアカマツの下に植えていました。
結果、モミジの下に植えている株は葉も落とさず、毎年花を咲かせます。
ですが、アカマツの下に植えた株は葉も1枚ほど残して全て無くなり、花も咲かない年が何年も続きました。
こちらの株のベースはクリーム色ですね。
花の裏側は若干ピンクがかっているのがわかると思います。
全体像はこのような感じ。
蕾です。薄いピンクが見えますね。
ガーデンハイブリッドの“オリエンタリス”とは違う
今回、紹介しているのは正真正銘の原種オリエンタリス・オリエンタリスです。
ですが、現在でもお店によっては無茎種の原種同士を交雑させた交配種Helleborus x hybridusを
- “クリスマスローズ・オリエンタリス”
- “オリエンタリス・ハイブリッド”
として販売していることがあります。
でも、正しくはこれらはオリエンタリスではありません!
ではなぜ、オリエンタリスという名称が含まれているのか?というと
かつては原種オリエンタリスが交配親に多く使われていたからです。
現在は交配されたものをさらに交配と、繰り返されているので、先祖は原種オリエンタリスだけど、
オリエンタリス以外の品種が交配されていることもあるため、
「ガーデンハイブリッド」という名前が正式名称になっています。
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