ガーデンマムの育て方|切り戻しで来年も小さくコンパクトに仕立てるコツ
9月中旬頃からホームセンター等で流通するガーデンマム。
同じ売り場には「スプレーマム」や「ポットマム」「ピンポンマム」という名前のついた物もあり、違いに戸惑う人も多いと思います。
この記事ではガーデンマムの基本的な育て方と「切り戻し」をして、来年も購入したときと同じように背丈が小さくコンパクトに仕立てるためコツを紹介したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
ガーデンマムの切り戻し
まず、一般的に何のために切り戻しをするのか?というと「開花期間中にもう一度花を咲かせるために草姿を整えるため」です。
ビオラ・パンジー、ペチュニアやサフィニア、ロベリアなど開花時期が長期に渡ったり、蒸れやすい時期を乗り超えて花をたくさん咲かせる種類の草花に対して行うことが多いです。
ただ、秋口に店頭に並ぶガーデンマムの場合は草姿が半球形に整っており、蕾がたくさんついた状態です。
そのため、開花期間中に強く切り戻し(強剪定)をしてしまうと花芽が付くまでに時間がかかり今年は花を見ることができません。
むしろ今年に関しては切り戻しはせず開花を楽しむことをおすすめします。
ただし、来年のために開花が終わったら切り戻し作業をする必要はあります。
ガーデンマムは最初はカチッと半球形に仕立てられていることが多いですが、何も手を加えず成長にするままに任せていると草姿が乱れます。
そもそも放っておけば田舎の畑の隅で見かけるように茎も伸び、あっちこっちに暴れるように成長します。
なので、来年も今年購入したくらいのサイズに保ちたいのであれば、切り戻しをして株を再生しなければなりません。
小さくコンパクトに仕立てるコツ
素人がきれいな半球形に仕立てるには、毎日観察して手入れをしなければならないので少々難しいのですが、「切り戻し」をすれば半球形に近い背丈が短いコンパクトな形に仕立てることは可能です。
まず、花が一通り咲き終わった11月後半くらいに株元から3㎝程度だけ残し、あとの上の方はバッサリ切ります。
日本では多くの地域でキクは屋外でも越冬しますので、切り戻したときに雑菌等が入らなければ何もしなくても脇からまた芽が出ます。
春になるとまた新芽が伸びて葉が茂ってきますが、4月と7月に摘芯(てきしん=ピンチ)をしてわき芽を増やすことで花数を増やすことができます。
摘芯をすることで高さを抑え、枝を分岐させこんもりと半球形に仕立てることができます。
ただ、先ほども言ったようにプロの生産者さんが仕立てたようにきれいに半球形にするのは難しいのと、矮化剤(わいかざい)といって背丈が伸びないようにする薬剤を使用して仕立てることもあるため、私たちのような素人がそれを完全にマネるのは無理があります。
ですので、私たちができることは「花後の切り戻し」と「4月・7月の摘芯(ピンチ)」ということを覚えておきましょう。
ガーデンマムとは
ガーデンマムとはズバリ鉢植え用の小菊(コギク)です。
小菊とはその名の通り花が小さい菊の品種群のことで、基本的には切花で多用されており主に仏花に利用されています。
今までは鉢植え用の小菊というと「懸崖仕立て(けんがいしたて)」といって菊の競技会、品評会に出品するような“ザ・和風”的なものが多く流通していたのですが、近年は「ガーデンマム」という洋風な名称で広く販売されています。
マムとはキク科キク属学名であるChrysanthemum(クリサンセマム)も後ろ2文字「マム」のことなのですが、
garden(庭)+Chrysanthemum(クリサンセマム)=ガーデンマムという造語です。
ガーデンマムとスプレーマムの違い
同じ鉢植え用としてスプレーマムも流通しています。
ガーデンマムとスプレーマムの違いは品種の違いです。
ガーデンマムが小菊と言われる日本古来からある品種に対し、スプレーマムは西洋菊に分類されています。
厳密にいうと、スプレーマムは西洋菊ではないのですが流通の便宜上、西洋菊扱いになっています。
西洋菊とは欧米に持ち込まれて品種改良された種類のキクのことで丈の短い品種の鉢植え用として流通する「ポットマム」「ヨダーマム」
「クラシックマム」などと呼ばれているものがあります。
ガーデンマムの基本栽培情報
原産地 | アジア |
花期 | 9~10月 |
置き場所 | 日当たり良い屋外、開花時は半日陰、風雨が当たらない場所 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷり |
肥料 | 定期的に追肥を与える |
ガーデンマムの特徴
ガーデンマムは色々あるキクの中でもとても丈夫で長く咲く品種です。
ガーデンマム=小菊としてお話しますが、仏花などに利用されている理由は「長持ち」が一番でスプレーマムなどに比べてはるかに長く咲いています。
ちなみに根がない切花の状態でも寒い時期などは1ヶ月近く持つこともあるため、根が付いているガーデンマムが丈夫と言われる理由がわかると思います。
だいたい、9月中旬から出始めますが、花芽がたくさんついてるボリューム感いっぱいの商品であればお正月くらいまで咲きます。
その他のガーデンマム栽培のコツ
- 過乾燥にしないように水やりをする
- 追肥(ついひ)をする
過乾燥にしないように水やりをする
基本的にキクは丈夫な花です。
少々水切れをしても根まで枯死することはなく、毎年花を咲かせます。
しかし、真夏など水切れによって葉が小さく丸まり、ぐったりとしおれるくらいまで過乾燥にしてしまうと根が傷みます。
根が傷むと回復するまでに時間がかかり、場合によっては枯れてしまいます。
一般的に水やりの原則と言えば「土の表面が乾いたらたっぷり」ですが、正直、加減がよくわからないと思います。
一番良いのはキクの水が足りている時の株の様子と水が切れてきたときの株の様子を覚えておくことです。
水が不足してくると葉がやや下向きになってきます。
ただ、この時に土がかなり湿っているのであればこれは水のやりすぎに根が傷み始めているサインです。
株の様子を見ずに毎日の日課として水やりをしていると必ず土は加湿状態になります。
過乾燥にしないように株の様子を見て鉢土の表面は乾いており、葉がやや下を向いていたら水を与えましょう。
追肥(ついひ)をする
長期間、たくさんの花を咲かせるということはそれだけエネルギーと養分を必要とします。
肥料とは植物にとって食事です。
私たち人間が食事によって栄養を摂取するように、肥料を与えることで養分を取ることができます。
秋口に購入したガーデンマムのプランター内には肥料配合済みの土と固形肥料が入っています。
だた、これらの肥料効果はせいぜい30日程度なので途中で足りなくなります。
特に花壇など地面に植えずプランター栽培の場合は、水やりの度に肥料成分も流れ出ます。
プランターと言う狭いスペースの中で根を張り長く花を咲かせるためには、栽培途中で与える追肥(ついひ)が必要になります。
追加で与える肥料だから“追肥(ついひ)”です。
追肥には固形肥料と液体肥料の2つがありますが、忘れずに与えられるのは液体肥料です。
固形肥料の方が1回与えれば2~3か月もつので楽なのですが、せっかく栽培するのであれば観察して育てる楽しみがあった方が良いですよね。
液体肥料は水やりを兼ねてできるため、育てる楽しみを味わってみて下さい。
液体肥料の詳しいやり方は液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!を参考にして下さい。
まとめ
ガーデンマムは大変丈夫で長期間花を咲かせづつける鉢植え用小菊です。
半球形に仕立ててある姿が可愛らしく、花壇やプランターなどどちらでもカンタンに育てることができます。
ただ、花後の切り戻しや摘芯(てきしん)をしないと来年は今年と同じようなコンパクトな草姿を保つことはできません。
特に切り戻しをしないと、丈夫なため上に横に伸びてしまうんですよね。
もし、今年限りで処分する予定なのであれば花後も放置しても良いのですが、病気にかかったりする可能性もあるので
来年以降も育てるのであれば、今回ご紹介したコツを試してみて下さい。
トマト栽培特集!
イチゴの月別!栽培方法
10月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
11月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
12月1月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
冬のイチゴの育て方! 2月の時期の作業と栽培方法 | |
3月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
4月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
5月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
6月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
7月8月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |
9月のイチゴの育て方! 栽培管理と作業 | |