スプレーマム菊の育て方-花を長くたくさん咲かせるコツ【摘芯】
日本を代表する秋の花といえばキクですが、その中でもバリエーションが豊富で枝分かれしてたくさんの花を咲かせるのがスプレーマムです。
スプレーマムはキクのため丈夫で長く花を咲かせます。
もちろんそれだけでも十分なのですが、この記事ではスプレーマムをさらに花を長く咲かせるコツとして摘芯(ピンチ)についてお話したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
スプレーマムとポットマムとヨダーマム
スプレーマムという名前ですがお店によってはポットマムとかヨダーマムという名前で販売されていることがあります。
そこで、これらの違いについて簡単にまとめておきます。
- スプレーマム・・・欧米で1茎多花咲き品種を改良した園芸種。1975年日本に導入。
- ヨダーマム・・・1950年アメリカのヨーダーブラザーズ社で育成された短茎性の品種。
- ポットマム・・・1960年に日本に導入されたヨダーマムの流通名称。
マムとはキク科キク属学名であるChrysanthemum(クリサンセマム)も後ろ2文字「マム」のことで、日本の伝統的なキクの品種を除いた西欧で品種改良された西洋ギクを指します。
スプレーマムとは「spray」+Chrysanthemum「クリサンセマム」=スプレーマムという造語です。
キクは日本原産の植物のような気がしますが、実はアジア~ヨーロッパの温帯に自生しています。
今現在はポットマムもヨダーマムもスプレーマムの仲間として扱われていますが、厳密いうとスプレーマムとポットマム(ヨダーマム)は別物でした。
スプレーマムは切り花にも使われていますが、ポットマム(ヨダーマム)は短茎性の品種なのでそもそも鉢物用として流通したものです。
スプレーマムの基本栽培情報
原産地 | アジア、ヨーロッパ |
花期 | 9~10月 |
置き場所 | 日当たり良い屋外、開花時は半日陰、風雨が当たらない場所 |
水やり | 土の表面が乾いたらたっぷり |
肥料 | 定期的に追肥を与える |
スプレーマムの花を長く沢山咲かせるコツ
初心者の方は秋に販売されているスプレーマムの鉢をそのまま育てても十分花を楽しめます。
ただ、商品によっては花数が少ないものもあると思います。
そこで、ひと手間加えることで、さらにたくさんの花を咲かせることが出来ます。
スプレーマムはキクなので、キク自体元々長持ちする花なのですが摘芯(てきしん)=ピンチすることで長く沢山の花が咲かせられます。
摘芯(てきしん)=ピンチのやり方
摘芯(てきしん)とは芽の先端を切ったり摘んだりすることで、切った場所から上に伸びる成長を止め、脇に分岐させるために行う作業です。
ピンチも同じ意味で「ピンチする=摘芯する」ということです。
なぜ分岐させるのか?というと分岐させることで枝が増えると同時にそこに花芽が付くため、結果的に花を沢山咲かせることができるからです。
摘芯(てきしん)の作業はキクだけでなく、パンジーやビオラ、ペチュニア(サフィニア)などでもこんもりさせるために行う作業です。
ただ、一般的にハサミを使って切るのですあ、キクの摘心作業はちょっだけ異なります。
それは、摘心する場所より下に5~6枚の葉があることを確認し、摘心する茎の先端は「手で」摘みます。
目が小さいうちに摘むため、ハサミでは切りにくいのと、キクは金属を嫌う性質があります。
この摘芯(てきしん)作業は繰り返し行うことで、枝数が増え花芽をたくさん増やすことができます。
※ただし、あまりに分岐させると養分が分散し花が咲きにくくなるので加減してみて下さい。
この辺りは育てている鉢で実験しながらやっていくしかないので、追肥を忘れず養分が分散しないよう育てていきましょう。
スプレーマムの場合は、品種の特性として小さい花が分岐していくのですが、大輪に咲く品種を分岐させて品評会に出品する「千輪作り」など、人為的に積極的に分岐させる方法もあります。
このような菊の仕立て方は全国各地で行われている「菊の品評会」で見ることができます。
よく、神社の参道や市民会館などで開催されているのでぜひ行ってみて下さい。
追肥(ついひ)をする
追肥とは生育途中で与える肥料のことです。
畑など地植えの場合と違い、プランター栽培では水やりの度に鉢内の肥料成分が流れ出るため、定期的に液体肥料などで追肥を与える必要があります。
なぜ追肥をしなければならないのか?というと、スプレーギクは1株でたくさんの花を長期間咲かせ続けます。
植物にとって花を咲かせる行為というのはエネルギーと養分を使うため、外界から肥料を補給されないと株が弱ります。
反対に肥料を補給されれば、スプレー状に分かれた枝や花に養分を回すことがき、結果的に長く花がきれいな状態で鑑賞することができます。
野菜や果樹と異なり、そこまで多くの肥料は必要ありませんが、正しい分量とタイミングで与える必要はあります。
液体肥料のやり方については液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!を参考にして下さい。
花が終わったら茎を切り詰める
ポットマムのように元々丈が短い株は花が咲き終わった後に、伸びた茎を株元から5㎝くらいまで切り詰めましょう。
もちろん、放っておいてもキクは成長するのですが、木質化(もくしつか)といって木のように固くなって葉数が減り、間延びすることで
花数が少なくなったり、咲く花が小さくなることがあります。
また田舎の畑の脇などでよく見られますが、地植えしたスプレーマムがあちらこちらに暴れて見た目もあまり良くないです。
来年以降、咲かせるためにも一旦、切り詰めて新しい芽を吹かせた方が良いですね。
まとめ
スプレーマムはそもそも、分岐して咲く品種であり、生産者さんの方でボリューム満点に咲くように摘芯済みで出荷されます。
ですので、敢えて摘心作業をしなくても良いのですが、ちょっと花が咲かず間延びしている箇所があったら摘芯することで分岐し枝数を増やすことが出来ます。
キクは多年草でありまた日本の冬にも耐えられる丈夫な花なので、毎年花を咲かせることも可能です。
お気に入り花があったら枝分かれさせて、株を大きくするのも良いですね。
少々摘芯する場所を間違えても、またすぐ脇から芽が伸びますので、色々やってみて下さい。
キクは個人が鑑賞する目的であれば、挿し木をして増やすことも可能なのでぜひ菊の切り花の挿し木方法!時期に関係なく必ず発根させるコツを参考に挑戦してみてくださいね。
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