ミニトマトが甘くなる液体肥料?有機液肥アミノ酸リッチの効果
先日ホームセンターで見かけた“ミニトマトが甘くなる肥料”、「有機液肥アミノ酸リッチ」が販売されていました。
まだ使ったことがないため、今年は体験した感想についても随時追記していければと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
有機液肥アミノ酸リッチとは
朝日工業株式会社さんから販売されているアミノ酸を多く含んだ家庭園芸専用の有機液体肥料です。
有機(ゆうき)とは動植物を原料とした肥料を指しています。
■生産業者保障票から一部抜粋
登録番号 生第101896号
肥料の種類 液状複合肥料
肥料の名称 有機入り液状複合肥料666特号
保証成分量(%)
- 窒素全量 6.0
- 水溶性りん酸 6.0
- 水溶性加里 6.0
正味重量 550g
生産業者の氏名 朝日工業株式会社
原料の種類
農林水産大臣の確認を受けた工程において製造された原料)副産動物質肥料
備考 副産動物質肥料は牛の脊柱等が混合しないものとして農林水産大臣の確認を受けた工程において製造されたものである。
この肥料には牛由来タンパク質が入っていますから、家畜等の口に入らないところで保管・使用し、家畜等に与えたり、牧草地等に施用したりしないでください。
保証成分量を見ると窒素(N)6.0・リン酸(P)6.0・カリ(K)6.0と割合は均一のため葉、花や実、根の成長をバランスよく助けるように作られています。
原料の副産動物質肥料とは?
食品工業・繊維工業・ゼラチン工業又はなめしかわ製造業において副産されたものであって、動物質の原料の由来するもの
(独立行政法人 農林水産消費安全技術センター(FAMIC)公式サイトより引用)
う~ん、難しい。。色々と調べてみたところ、要するに牛の骨粉や内臓など牛を主原料とした肥料です。
「脊柱等が混合しないものとして」という注意書きに関しては牛海綿状脳症(BSE)の発生により一時的に肥料などの原料として使用できなかった牛骨粉などが厳格な管理措置によって使用できるようになったことを表しています。
含まれる主なアミノ酸とその効果
アミノ酸の種類 | 効果 |
グリシン | うま味と甘みを作り、耐寒性を高める |
グルタミン酸 | うま味を作り、耐寒性を高める |
プロリン | 着花を良くする |
アラニン | 旨味を増す |
アルギニン | 植物ホルモンの源 |
アスパラギン酸 | アミノ酸合成に必要 |
アミノ酸とは
アミノ酸とは動物の体を作るタンパク質の元になる有機化合物のことです。
人体は何で構成されているのか?というと60%の水と20%のタンパク質、15%の脂肪、5%の糖質などです。
ほとんどのが水分で出来ているのはご存知だと思いますが、残りのタンパク質、脂肪、糖質等の中で最も多い割合を占めているのがタンパク質なんです。
で、そのタンパク質は20種類のアミノ酸から出来ています。
人体を作る20種のアミノ酸
■必須アミノ酸
- トリプトファン
- リジン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン(スレオニン)
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
■非必須アミノ酸
- アラニン
- アルギニン
- グルタミン
- アスパラギン酸
- グルタミン酸
- プロリン
- システイン
- ヒスチジン
- チロシン
- アスパラギン
- グリシン
- セリン
人間が肉や魚、お米などの穀物を食べた時、その中に含まれているタンパク質は一度20種類のアミノ酸に分解されます。
そして体内で必要なタンパク質に組み替えられます。20種類の内11種類のアミノ酸は体内で合成することができますが、残り9つのアミノ酸は体外から摂取しなければなりません。
よく「必須アミノ酸」という言葉を聞くと思いますが、この体内で合成できず食事など体外から摂取しなくてはいけない9つのアミノ酸が必須アミノ酸です。
アミノ酸によってミニトマトが甘くなる理由
ミニトマトを含むトマト全般は青から赤に熟すに従って糖分とうま味成分の元であるアミノ酸の1つグルタミン酸が増加することはわかっています。
またトマトは元々中南米高地の乾燥地帯に自生する植物のため、水やりを抑えることで糖度が高まると言われています。
家庭菜園で栽培する品種では品種改良の段階で甘くなるように作られたものもあり、肥料や水やりなど様々な要素を合わせることで甘くなります。
つまり元から昔ながらの甘くない酸味の強い品種をフルーツトマトと呼ばれるトマトと同じように甘くするのは無理があります。
うま味ってどんな味?
うま味は5つの基本味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)の1つですが、どんな味か聞かれたときに最も答えにくい味です。
例えば、酸味であればレモンの味や梅干しなどをあげられますが、うま味を説明するのはちょっと考えてしまうと思います。
では、うま味とは具体的にどんな味のことを指すのか?というと「昆布やかつお節、シイタケなどから取った出汁(だし)の味」です。
料理として出汁だけでは成立しませんが、それぞれの食材の味を引き立てて料理全体に深みを出す役割をしています。
グルタミン酸×アスパラギン酸の組み合わせによって私たちが知っているトマトらしい味になります。
アミノ酸リッチを与える意味とは?
では、多くのアミノ酸が配合されている有機液肥「アミノ酸リッチ」を与える意味はなんなのか?というと、
トマトが赤く熟す過程で糖分グルタミン酸が増加するので、肥料としてダイレクトに外部からグルタミン酸や甘味を引き出すグリシンなど他の複数のアミノ酸を吸収させて美味しくさせる目的があります。
ただ、アミノ酸を液体として吸収させることが本当に味に影響を与えるのでしょうか?
これは実験データを見てみないとわかりませんが、あくまで個人の家庭菜園をやっている一般人が確かめるには実際に「アミノ酸リッチ」を与えてみて試してみるしかありません。
ということで、今年はやってみることにしました。
「アミノ酸リッチ」の与え方と使用料目安
植物 | 野菜&花 | 芝生 | |
水量 | 2ℓ | ||
キャップ内側目盛 | 20ml | 5ml | |
使用回数 | 3~10月 | 1週間に1回 | |
11月~2月 | 1月に1回 |
ミニトマトに与える場合は1週間に1回の施肥で大丈夫です。
これから実践してみて使用感をまたお伝えしますので楽しみにしていてください。
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