スイートピーの育て方|種から初心者がプランター栽培する方法
春の花といえばスイートピーを挙げる人も多いのではないでしょうか。
甘い香りと繊細な花の姿がなんとも優しい雰囲気を醸し出します。
スイートピーには主に花束などで多用される一年草の春先タイプと夏咲きの宿根タイプがありますが、この記事では前者の一年草タイプのスイートピーを種から栽培する方法について、実際に私が育てた過程のオリジナル画像を使って解説します。
もくじ(タッチすると移動します)
スイートピー栽培基本データ
イタリアのシチリア島を始めとした地中海沿岸を中心としてヨーロッパ、アジア、南北アメリカ、東アフリカなどに約150種が分布しています。
学名はLathyrus odoratus(ラティルス オドラタス)、英名がSweet pea(スイートピー)です。peaは「えんどう」という意味なので、甘いえんどう=スイートピーです。
ちなみに花屋さんや園芸店などに行くと「スイトピー」と表記されています。私自身も長年園芸、生花、野菜などの業界に携わっていますが、おそらく何らかの流通上における表記の慣習がそのまま続いていると思われます。
科名 | マメ科 |
原産地 | イタリア・シチリア島 |
スタート方法 | 種・苗 |
栽培期間 | 9月~6月 |
花期 | 4~6月 |
土壌酸度 | 中性 |
発芽適温 | 15~20℃ |
株サイズ | 草丈30~200㎝ |
スイートピーの栽培時期と開花までの流れ
一年草のスイートピーの栽培は秋に種を播いて春に花を咲かせるサイクルになります。
北海道に関してのみ冬の寒さに耐えられないため、種まきは春になります。
その他地域ではだいたい平均して10月に種を播き、5月くらいに花が咲くイメージです。
基本的に日当たりの良い場所で育てて下さい。
日当たりが良くないところで栽培すると花付きが悪くなったり、蕾が付いても開花せずに落花してしまうことがあります。
地域 | タネまき | 開花 |
北海道 | 4月 | 8月 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 9月中旬~11月上旬 | 4~6月 |
東北・高冷地 | 8月下旬~10月下旬 | |
四国・沖縄・九州南部 | 9月中旬~11月中旬 |
極寒地・寒冷地・中間地・暖地の区分
寒冷地・・・東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・愛知県沿岸、和歌山沿岸、瀬戸内海沿岸、四国、九州南部、沖縄県
用意するもの
- タネ
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(排水システムがあれば不要)
- プランター
- 肥料
種まき前日の準備
スイートピーの種まきの時期は秋、9~10月が適期です。
スイートピーの種まきで注意してほしいのは、いきなり土に播かないことです。
種の皮が硬いため、そのまま播いてしまうと発芽しない可能性があります。
そこで、種まきの前日にカッターなどで種に傷をつけ、翌日まで一晩水に漬けて下さい。
そうすると水分を吸収し種が膨れ、発芽しやすくなります。
プランターと培養土の準備
マメ科のためツルが伸びます。
そのため横長のプランターを使ってツルが絡んでも良いようにフェンスのそばで栽培するか、あるいはネットを張る、もしくは丸型、四角型のプランターに行灯支柱(あんどんしちゅう)を立てて、グルグルとツルを回すようにはわせる方法を選びます。
ですので、まずは自分が育てたい方法に適してプランターの形を選んでください。
今回私が紹介する方法は容量25ℓの正方形のプランターに行灯支柱を立てる栽培方法です。
種まき当日の作業
スイートピーは大根などと同じく直根性(ちょっこんせい)といって根が下に真っ直ぐ伸びる特徴があります。
直根性の植物で気を付けなければならないのは、移植してはいけないこと。
移植するとまず枯れます。
ですので「直播き(じかまき)」といって種まきから開花が終了するまで同じプランターで育てて下さい。
3~4粒を点まきします。全て順調に育つと隣の芽と芽の間が近くなり、株が十分の育たなくなるため、間引きながら育てます。
本葉が4~5枚くらいになったら1株を残し、他は取り除きます。
ただ、最初からプランター内の4か所くらいに点まきしておいても、どれかが発芽すれば1つの株がプランター内いっぱいに育つので、
そこまで種まきのやり方に関して神経質に考えなくても良いと思います。
支柱立て
マメ科のスイートピーはツルが伸びます。
そのため、支柱を立てないと茎が暴れるように広がってしまい、美観的によくありません。
スイートピーを毎年育てているおうちの方で、フェンスのそばにプランターを置き、つるを絡ませて垣根のように仕立てる方法や、キュウリやゴーヤなどツルもの野菜栽培で使う園芸用ネットを張ってはわせるやり方など色々あります。
ただ、場所を取るため私がおすすめなのは「行灯支柱(あんどんしちゅう)」を使う方法です。
行灯支柱とは輪っかが3個程度付いている円柱状の支柱のことで、アサガオ栽培ではよく使われています。
これであればコンパクトに仕立てることができます。
水やり
スイートピーの水やりは種から発芽して冬を超える秋冬と、4月以降の成長期の水やりは異なります。
基本的に土の表面が乾いたらたっぷり与えるのですが、秋冬はまだ株が大きく成長していないと気温が低いため水やり後、乾くまで時間がかかります。
一方、春になって開花時期になると株も大きく成長し気温も上がってくるため水が乾くまでの時間が早まります。
ですので、一番良いのはスイートピーの株をよく観察します。
一般的に水が不足してくると葉が下向きになり元気がないような感じになります。
一方、水が足りている時は茎がシャキッとしており株全体的に上を向いています、
水が足りている時に日課のように水を与えると、今度は水分過多で根が腐りますので注意してください。
肥料
肥料には最初に与える元肥(もとごえ)と栽培途中から与える追肥(ついひ)の2種類があります。
スイートピー栽培では最初に肥料配合済み培養土を使うため、敢えて元肥は必要ありません。
一方、栽培途中から与える追肥は必要になります。
初心者の場合、追肥は液体肥料がおすすめです。
花が咲く4月~6月の成長期に2週間に1回ペースで水やりを兼ねて与えることができます。
液体肥料の与え方については>>液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!を参考にしてみて下さい。
摘芯(てきしん)
一般的な草丈が伸びる品種は茎が20㎝くらい伸びたとき、茎元から5~6節あたりで茎の先端を摘み取るか、ハサミで切ります。
そうするとわき芽が出てきて枝数を増やすことができます。
寒さにも強くなるのでやっておくと良い作業です。(やらなくても茎が枯れることはありません。)
もし、忘れてしまってもマメ科のスイートピーは茎が広がるように育ち、次から次へと花を咲かせるので、そこまで心配することもないです。
着蕾(ちゃくらい)
ツルが伸びて支柱に絡まり出すと、ツルの節の脇から花芽が付きます。
蕾が膨らんできました。
マメ科の花らしい形状をしていますね。
着花(ちゃくか)
蕾が膨らみ色が付き始めます。
開花(かいか)
きれいな蝶々のような形をしたスイートピーの花が咲きました!
次の写真のようにスイートピーの種は単色よりも色々な花が咲くミックスのもので販売されていることが多いです。
どんな色が咲くか分からない楽しみもありますね。
まとめ
■スイートピー栽培のコツ
- 種に傷をつけ一晩水に漬ける
- 点まきをして間引きながら栽培
- 移植をしない
- 摘芯(てきしん)をする
- 追肥を欠かさない
スイートピーは甘い香りを放ち、ふんわりとした優しい印象を与える春にもっともふさわしい花です。
切花用スイートピーを種からプランター栽培すれば、根が付いているため切花で購入するよりもずっと長く楽しむことができます。
一般的に初心者の場合、種から育てるのはどんな花でも栽培期間が長くなるため失敗する確率も高くなるのですが、この記事を参考に育ててもらえばあなたも春に美しいスイートピーの花を咲かせることが可能です。
仮に万が一、種を発芽させるのが難しければ園芸店に種より簡単に育てられるスイートピーの「苗」も販売されています。
苗であれば種よりもずっと簡単に花を咲かせることができます。
ですので、まず種から育ててみてどうして上手く行かなかったから苗を購入して育てる方法もあります。
ただ、この記事を参考にしてもらえば種からでも十分スイートピーの花を咲かせることができるので、ぜひチャレンジしてみて下さいネ!
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