ビオラの育て方と栽培のコツ
ビオラを秋から春まで長くきれいに咲かせる育て方と栽培のコツを丁寧に解説します。
もくじ(タッチすると移動します)
ビオラ栽培の作業
- ビオラを種から育てる(上級者)
- ビオラを苗から育てる(初心者)
- 植え付け
- 水やり
- 肥料
- 切り戻し
- 花がら摘み
- 枯れ葉取り
- 害虫対策
種から育てる(上級者)
ビオラを種から育てる方法はお気に入りの新品種や超大量の苗を作りたい、または種から育ててみたい!という苗から育てるやり方は一通り経験した上級者向けです。
種まき
ビオラの種まきの適期は8月下旬~9月下旬なのですが、発芽適温は15~20℃のため35℃を超える今の日本の夏ではかなり難しいです。
そのため屋外で発芽させるには気温が落ち着く9月下旬を逃さないか、エアコンの効いた室内・玄関などが良いでしょう。
用意するもの
- ビオラの種
- ビニールポット3号(直径9㎝)
- 種まき専用土
ビニールポットに種まき専用土を入れ、ビオラのタネをばらまきます。土を乾かさないようにじょうろのハス口などで湿らせて管理します。10~15日程度経過すると双葉が出てくるのでしっかりとした芽を5本程度残しあとは間引きます。
さらに15~20日程度経過したら2~3本を残して間引き、1ヶ月経過後、最終的に一番丈夫に成長した1本を残し1ポット1苗にして苗の出来上がりです。
苗から育てる(初心者)
初心者でなくても正直ビオラは苗から育てることをお勧めします。なぜなら圧倒的に種から育てるよりも安いからです。種から栽培するとビニールポットや専用土のほか資材費もかかりますし管理の手間もかかります。
ディズニーランドや公園などを植栽するために超大量のビオラが必要なのであれば別ですが、家庭のお庭やプランターで栽培する程度であればホームセンター等で1個100円~500円の苗を買ったほうがコスパ良いです。
苗選びのコツ
- 10月下旬から流通する苗を買う
- 花がきれいに咲いている
- 葉が濃い緑色でしっかりしている
- 株元がぐらぐらしていない
- 茎の節間が詰まっている
- 病害虫の被害にあっていない
ビオラの苗は早ければ9月から出回っていますが、気温が高い時期なので植え付けても間延びしがちです。そのため10月下旬以降から出回る苗を購入しましょう。
じっさいに手にとってみて、株がギュッとつまって丈夫そうなものを選んでください。スーパーで野菜を選ぶ感覚と同じでビオラもシャキッと元気な印象を受ければそれは良い株です。
植え付け
庭や花壇など地植えをする場合は、苦土石灰やたい肥などを植え付けの2種間くらい前にまき土を元気な状態に戻しておきましょう。
野菜を栽培するときほど神経質になる必要はありませんが、何年も同じ場所に花を植えていると日本の場合土が酸性に偏ってきたり土の構造も悪くなります。病気に感染していることもあるためまずは土をクリーンにすることからはじめましょう。
プランターなどに植えて育てる場合は、必ず「元肥配合済みの培養土」を使用しましょう。
「パンジービオラの土」などの専用土でもいいです。培養土は花や野菜を育てるのに必要な土がブレンドされていて、さらに最初から成長に必要な肥料が配合されています。
これ1つあれば植え付けから最低30日、良い培養土だと180日程度効果のある肥料が配合されているので安心です。
植え付け作業の実践
ポットに植わっている苗を取り出します。白い細い根が回っていると思いますが、土を崩さずにそのまま植える場所の表土と水平になるように植えます。
根の周りにある土を崩すか崩さないかは人によって分かれるのですが、植物にとって根を崩すことは手術と同じであり一時的に弱ります。
何年も育てた花を植え替えるときは根が堅くなっている為、崩したり切ったりする必要がありますが、10月以降に流通する苗は生産者さんが出荷して間もないものでありポットから根がはみ出るほど成長はしていません。
そのためわざわざ根を崩して弱わせる必要はなく、そのまま植え付けることをおすすめしています。
水やり
初心者の人がやりがちな水やりの失敗は「毎日やること」です。北海道を除き、ビオラは真夏に家庭で栽培されることはありません。
そのため10月~5月までの栽培時期は土が毎日すぐ乾いてしまうほどの気温でもないため、毎日絶えることなく水やりをするとまず枯れてしまいます。
水やりの時間帯は午前中が基本です。そして
ビオラの正しい水やり方法は「ビオラの花や葉が水が欲しそうなときにやること」です。
一般的には“鉢土の表面が乾いたら鉢底から水がたっぷり出るまでやる”のが基本なのですが、これだと鉢の中の方が乾いているかどうかわかりません。指を入れて確認するといっても限界があります。
正しい水やりのタイミングを身に付けるためにはやはり一番はビオラの観察です。
水が不足しているときの花や葉の様子と水が足りているときの様子を比較して体感で覚えるしかありません。
他に水やりのタイミングのコツを掴む方法は
水やり前の鉢の重さと水やり後の鉢の重さを比較して、水やり前の鉢の重さに近づいたときが次の水やりのタイミングです。
肥料
なぜ肥料をやらなければならないのか?
それはビオラにとって肥料は食事です。水だけでは栄養が足りません。植物は光合成によって糖を作りますが、葉の成長を助ける窒素、花や実を付けるために必要なリン酸、根の成長を助けるカリなどその他微量の栄養成分が必要です。
ビオラも人間と同様栄養が不足すると、株が弱くなり花付きも悪くなります。
ビオラが花を咲かせるのは私たち人間を楽しませるためではなく、虫に目立たせ受粉を促し子孫繁栄させるためです。
種を作れば枯れるのが一年草であるビオラの生涯。命がけでパワーを使い花を咲かせます。
私たちはそれを利用して花を楽しむために肥料を与える必要があります。
2週間に1回程度水やりと同時に「花工場」「ハイポネックス」などの液体肥料を与えましょう。
切り戻し
ビオラは生育期間が長いので株が育ち四方八方に間延びします。その他株間を空けずにぎゅうぎゅうに植えたり、日照不足、水や肥料のやり過ぎでも間延びすることがあります。
株を整えるために「切り戻し」作業をしましょう。
12月頃までに元気な葉を下から2~3枚残して、その上の葉の付け根のすぐ上をハサミで切ります。
購入してすぐ切り戻しを勧める人もいますが、切り戻し後は花が上がるまでに時間がかかるのでせっかく買ったのに花がない状態はさみしいです。
早く切り戻す分だけ早く花が上がってくるのですが、成長していない段階で切り戻すと株が弱り枯れることもあるのでおすすめしません。
花がら摘み
花がらとは花が咲き終わってしおれかけた状態のものです。このまま放置すると種を作りますが、同時に養分回すためエネルギーを使い株が弱ります。次々と花を楽しむためにはビオラに種を作らせないようにします。
なので花びらが丸まってきたら根元から手で摘み取りましょう。
ビオラは花が小さく新しい花が咲くのと同時に古い花は枯れていきます。
花がら摘みの作業をするかしないかで株の負担度合いが変わり咲く花の数と長さに差が出ます。また病害虫の原因にもなるのでぜひ花がら摘みをやりましょう。
ただ、ビオラ生産農家でもない限りそこまで作業に付きっきりというわけにはいきませんよね。正直花がら摘みをしなくても花は咲きます。
より丁寧に育てるなら花がら摘みをした方が絶対良いので出来る範囲で実践しましょう。
枯れ葉取り
ビオラは生育期間が長期な分、下葉が黄色く変色して枯れてきます。
風通りしが悪かったり、病害虫が原因ということもありますが、生理現象として古い葉を落とすので見つけたら早めに摘み取りましょう。
枯れ葉にカビが発生すると株全体に広がってしまうことがあるので、注意して下さい。
病害虫対策
病気
ビオラにかかりやすい病気には以下があります。
専用の殺菌剤がありますので散布して感染拡大を防ぎましょう。
- うどんこ病
- 灰色かび病
- 黒斑病
- モザイク病
- 斑点病
- 根腐れ病
- べと病
害虫
生育期間が長い分、害虫被害に遭う頻度も高くなります。
害虫には葉の汁を吸汁して栄養分を取るタイプと花や葉を食害して栄養を取るタイプがあり、どちらの被害にも遭いやすいです。
害虫対策は日頃からよく観察し、殺虫剤を散布しておきましょう。
野菜と違って家庭で育てたビオラを食べることはないと思いますので無農薬栽培にこだわらないのであれば積極的に対策することをおすすめします。
- アブラムシ
- ハダニ
- オンシツコナジラミ
- アオムシ・ケムシ
- ヨトウムシ
- ナメクジ
- スリップス
まとめ
ビオラは花期が長くパンジーと違って切り戻し作業をしても早く花が上がり、花壇やプランター栽培、ハンギングバスケット等々に欠かせない花です。
- 肥料をやること
- 花がら摘み
- 枯れ葉取り
を忘れずにやり秋から初夏までキレイに咲かせましょう!
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