結球しない!キャベツやレタス栽培で葉が巻かない8つの原因
キャベツやレタスの葉が丸くならずにバラバラ状態になっているというご相談があります。
今回はキャベツやレタス栽培で葉が巻かない原因や葉が巻く条件などの疑問にお答えします。
もくじ(タッチすると移動します)
葉が巻く現象=結球(けっきゅう)
まず、キャベツやレタス・ハクサイなど葉が中心に向かって球体になろうと巻いてくる現象を結球(けっきゅう)と言います。
ただし、レタスの中でもリーフレタスのような結球しない種類もあります。
結球するしくみと条件
結球するためには外側の巻かない葉(外葉)が20枚くらい付く必要があります。
全ての葉が巻くと思っている人もいますが、外葉はそもそも性質として巻きません!
20枚程度外葉ができると今度は内側の葉は幅が広くなり、長さが短い扇形になって立ち上がり始めます。
なぜこのようなことが起こるのか?というと
成長点で作られているホルモンの集積バランスが変わり、それまで葉の表裏に均等に集まっていた成長ホルモンが1枚1枚の葉の外側に移動するからです。
そのため葉の内側に比べて外側の方が大きくなり、内側に丸まりながら立ち上がるので最終的に球体になります。
結球しない(葉が巻かない)8つの原因
キャベツやレタスなどが結球しない(葉が巻かない)原因は主に以下の8つがあります。1つずつ見て行きましょう。
- 追肥時期の遅れ
- 肥料不足
- 肥料過多
- 種まき時期の遅れ
- 苗の植え付け時期の遅れ
- 害虫被害
- 外葉を取ってしまった
- 密植
追肥時期の遅れ
キャベツの追肥時期は植え付け後2週間に1回ペースで与える必要がありますが、追肥の時期が遅れてしまうと栄養不足のため結球するためのパワーを蓄えることができません。
肥料不足
肥料を全く与えなかったり、量が不足している場合も結球しない原因になります。
植え付け時に肥料配合済みの培養土を使用し、植え付け2週間に1回ペースで追肥(液体肥料や化成肥料)をしますが、肥料が配合されていない培養土を使ったり、追肥などでは分量を守らず適当に与えてもいけません。
肥料が配合されていない土を使うのであれば元肥(もとひ)を別に混ぜなければいけません。
肥料不足は葉も堅くなることを覚えおきましょう。
肥料過多
今度は肥料を与え過ぎているケースです。
植物栽培に必須の肥料の三要素はチッ素(N)・リン酸(P)・カリ(K)ですが、キャベツやレタスなどは葉の成長をうながす油かすなどのチッ素(N)成分の多い肥料配分が適しています。
ですが、肥料は与え過ぎても❝肥料焼け❞といって成長に支障がでるので注意です。
種まき時期の遅れ
キャベツもレタスも原産地は地中海沿岸地域なので生育適温も15~20℃と涼しい気候を好みます。
そのため温度が低すぎると寒さで結球できなくなります。できても球が小さくなります。
秋植えの場合は10月初旬までに外葉を大きく成長させて結球体勢に備えておくことが必要です。
反対に気温が高すぎると高温長日(気温が高くて日が長い)で成長途中で花茎が伸び結球できないばかりか、味がまずくなります。花芽が付いた花茎が伸びることを「とう立ち」といいます。
苗の植え付け時期の遅れ
キャベツやレタスはタネから育てる場合と販売されている苗からスタートする場合がありますが、種まき時期の遅れと同じように苗の植え付け時期が遅れると理由は同様うまく結球できません。
害虫被害
キャベツ・レタスなどの葉物野菜は害虫対策が必須です。冒頭でも紹介した通り、
20枚程度外葉ができると今度は内側の葉は幅が広くなり、長さが短い扇形になって立ち上がり始めます。
成長点で作られているホルモンの集積バランスが変わり、それまで葉の表裏に均等に集まっていた成長ホルモンが1枚1枚の葉の外側に移動します。
そのため葉の内側に比べて外側の方が大きくなり、内側に丸まりながら立ち上がるので最終的に球体になります。
外側の葉が大きくしっかり成長すれば光合成できる面積も広いので栄養素も作れるし、内側の葉も大きく成長できるのでギュッとしまった状態で収穫できます。
しかし、アオムシ・ヨトウムシ・アブラムシなどによる食害によって葉がボロボロにされてしまうと光合成が上手くできない、ホルモンバランスが崩れることによって結球条件が満たせなくなります。
外葉を取ってしまった
これは害虫被害だけでなく病気にかかってしまったなど、外側の葉を取ってしまうと結球できません。
外側の葉が結球するための重要な物だという話は今しましたが、1つ注意しておきたいことは外側の葉はそもそも性質的に巻かないことです。
初心者は全ての葉が全部丸くなると思っていますが、外葉はそもそも巻かないものだということを覚えておきましょう。
以下の写真はキャベツ畑の様子ですが巻かない外葉に包まれた中に丸いキャベツができます。
密植
結球しない直接的な要因ではありませんが、株と株の間を畑なら40~45㎝、プランターなら20㎝空けて植えないと外葉が成長できません。
密植してしまうと日当たりや風通しが悪くなり病害虫が発生しやすくなります。
繰り返しますが、結球には外葉の成長が重要なので大切に育てましょう。
上手に結球させる方法
上記の結球しない(葉が巻かない)8つの原因をまとめたものが以下の3つ。この3つを守れば結球させることができます。
- 植え付け時期を守る
- 害虫対策をする
- 肥料の量とタイミングを守る
結球しないキャベツは食べられる?
ちなみに適期に結球しないともうダメです。
その個体が丸くなることはありません。
では、結球しなかったキャベツやレタスは食べられないのか?というと
答えは食べられますが、結球していない分だけ栄養分が残っているので栄養素は高いですが堅いので、炒めるなどすれば食べられます。
味は残念ながらちゃんと結球したものよりは落ちます。
まとめ
結球しない!キャベツやレタス栽培で葉が巻かない8つの原因を紹介しました。
キャベツやレタス栽培において最も多いのが結球しないトラブルです。
ぜひ今回紹介した内容を来年の栽培に活かして下さい。
▼初心者でも簡単に栽培できるの葉物野菜▼
キャベツなら収穫までの期間が短いソフトボール大のミニキャベツ。
レタスならリーフレタスなど結球しないタイプや半結球タイプの玉レタスもあります。
ベビーリーフもおすすめですよ!
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