ポテトバッグの育て方【カルビー】ポロシリを初心者が収穫できるコツ
かんたん!かんたん!といわれるジャガイモ栽培ですが、初心者には意外と難しく失敗することも多いです。
そういう裏事情もあり、昨年あたりからポテトチップスのパッケージを模した袋栽培キットが販売されています。
この記事では、実際に私が行ったポテトバッグキットの栽培から収穫までの手順とコツを解説しています。
もくじ(タッチすると移動します)
ポテトバッグの購入ポイント
芽が出ている種いもを選ぼう
購入するもの
- ポテトバッグ(ポロシリ栽培キット)
- ぽろしり(専用種いも)
購入するものはポテトバッグと専用の種いも(たねいも)です。
ポテトバッグだけ買っても種いもは含まれていない為、忘れずに!
こんな感じで“ぽろしり”と書かれた種いもが並んでいます。
もちろん、どれを選んでも芽が出る予定なのですが、初心者が失敗しにくい種いも選びを教えます。
それは、すでに種いもから4~5㎜程度、芽が出ているものです。
ジャガイモ栽培の最初のハードルは種いもから芽を出すこと!
一見、簡単なように見えますが、芽が出る前に種いもがしわしわになって腐ったり、土に植えても芽が出ずに失敗してしまうことがあります。
そのため、お店の迷惑にならない程度に他よりもすでに芽が出ている種いもを選びましょう。
ただ、一般的にポテトバッグは早いと2月初旬から店頭に並びますが、この頃はまだ芽が出ていない種いももあります。
この場合は、次の浴光育芽(よくこういくが)という作業をして芽出しを早めます。
浴光育芽(よくこういくが)
浴光育芽(よくこういくが)とは、植える前に予め種いもの芽を出す作業。2~3週間、種いもを直射日光に当てて発芽させます。
雨にぬれないように注意しましょう。
ただ、全くの初心者は管理がうまくできず失敗することがあるため、しっかり芽が出始める3月中旬以降に購入し、すぐに植え付けることをおすすめします。
意外と面倒くさい!ポロシリの植え付け
3月21日
気温が暖かくなる3月中旬以降のスタートがおすすめです、
ポテトバッグの裏面にやり方が書かれていますが、
袋の上から約5㎝くらい下をハサミで切り、切り口を外側に2~3回折り返します。
そして、袋の底にある×印に切り込みを入れて穴をあけます。
※両面あるので忘れずに!
袋の説明書きには「種いも2個を底の両端に植え付けましょう。そのとき、種いもを土のいちばん深いところに植えつけるようにします。」とあります。
しかし!
使われている土(ココヤシピート、ピートモス、ハスクチップ)には弾力があり、どうやっても袋に記載された絵のように土をこぼさず種いもを袋の底に並べるのは不可能です。
試しに種いもを棒で押してみましたが、傷つけるだけでなく土の弾力に負けて上手く底まで押せません。。
正直これはちょっと不親切。
おそらく初心者の方は底に入れるのに苦労し、結果的に浅く植えてしまう可能性があります。
■なぜ浅く植えてはイケナイ?
ジャガイモは種いもの下に根を張り、そこに新しいイモができる為、成長と共に株全体が押し上げられるように上へ上へ登ってきます。
種いもが露出して光に当たってしまうと緑化現象が起こり、ソラニンという有毒物質が作られることで食べられなくなります。
そこで、
通常は、「土寄せ」や「増し土」といって成長に従い株元に土をかけて栽培するのですが、袋栽培の場合は一番最初に種いもを袋の底に植えることで、「土寄せ」作業を省略しています。
初心者は一旦、袋から土を全部出そう
袋の説明書きの通りにやってもうまく出来ません!
そこで、このように一旦、土をぶちまけることをおすすめします。
そして、ポテトバッグの青い線より少し下くらいまで土を入れ、そこに種いもを2つ置きます。
あとは残った土を戻すだけ!
頑張っていれましょう。
土を入れ終わったら、底から水が出るま上から水をたっぷりとあげて植え付け終了です。
日がよく当たる屋外で栽培して下さい。
水やりさえ忘れなければ、雨の当たらないベランダなどでも大丈夫です。
室内では光量が足らないためダメです。
水やりの基本とタイミング
じゃがいもは元々、南米のアンデス山脈、標高3000m以上の高地に自生しています。
そのため涼しく乾燥した環境を好むのに対し、高温多湿のジメジメした環境はNGです。
日本のジャガイモの一大産地は北海道ですよね。
昼と夜の温度差が大きくまた梅雨が無い、雨が少ないなど原産地の環境に似ているからです。
このことから分かるように、基本的にジャガイモ栽培は水をやり過ぎると失敗します。
そのため、毎日水を与えてはいけません!
土がしっかりと乾いてから袋の底穴から水が出るまでたっぷり与えます。
発芽
4月23日 植え付け後1ヶ月
袋の底に植えた種いもから芽が伸び、土の上に出てきました。
とりあえず、順調に育っている証拠です。
芽かき(めかき)のやり方
成長すると種いもから複数の芽が出て茎が伸びます。
だいたい茎が10㎝くらい伸びた頃、その中で最も太くて丈夫そうな茎だけ1~2本残し、他は根元から抜き取って処分します。
※ちなみに袋の説明書きには「じゃがいもから5㎝ほどの芽が出てきたら、硬くて元気のよい芽を1~2本残してあとは抜き取ります。」
と書かれていますが、初心者の場合5㎝くらいだとその芽が元気なのかそうでないのか区別が付かないため、10㎝くらい伸びた頃での作業をおすすめします。
なぜ芽かき(めかき)をしなければならないのか?というと
たくさんの芽を成長させると沢山イモはできますが、養分が分散してしまい小さいイモしかできなくなります。
小さいイモにはソラニンという有害物質を含まれるため食用に向きません。
ですので思い切って茎を整理しましょう。
5月2日
葉が20㎝以上成長しています。ここまで来ればよっぽど栽培方法を間違えない限り失敗しません。
開花
5月20日 植え付け後2ヶ月
ジャガイモの花が咲きました。
しかし、ジャガイモはトマトなどと違い、花が咲かなくてもイモはできます。
受粉や摘む必要もありません。
6月19日
全体的に葉が黄色っぽくなってきているのがわかるでしょうか。
収穫しても良い頃なのですが、もう少し枯れるまで待ちたいです。
掘り上げ!葉が黄色く枯れたら収穫のタイミング
花や観葉植物栽培では葉が黄色くなると“失敗”につながりますが、ジャガイモ栽培では反対に収穫のタイミングになります。
6月24日
茎も葉もがっつり枯れて収穫期を迎えました。
もうちょっと前に収穫しても良いです。
ジャガイモを収穫するときは土が乾燥しているときに行います。
ですので、雨に当たる場所で栽培していた場合は2~3日晴天が続いているときに行います。
収穫日 6月26日
新聞紙などを敷き、袋から土を出しましょう。
茎を引っ張るように。
大小8個ほどのジャガイモが出現しました。
■小さいイモは危険なので捨てる
豆粒~ピンポン玉サイズのジャガイモがありますが、小さいイモは処分して下さい。
なぜかというと、芽かきのところでも説明したように、小さいイモにはソラニンという有害物質が含まれ食用に向かないからです。
何個できる!?ポロシリの収穫量
種いもを除き、新しくできるイモの数は芽の数で決まります。
ですので、芽かきをしなければイモの数は増えます。
しかし、繰り返しますが1個1個のイモの大きさは小さくなってしまうため、食用に向きません。
そのため、今回私がポテトバッグで栽培したポロシリの収穫量は4個でした。
うまくいくと大きいイモ6~7個くらい収穫できます。
収穫後は洗わずに乾かす
イモを収穫したら土を軍手等で軽く落とします。
水洗いなどはせず、風通しの良い場所において1~2日程度乾燥させます。
表面が湿っていると腐りやすいからです。
ただ、収穫したその日のうちに調理するのであれば乾燥させなくても良いです。
調理!ポロシリのポテトチップスを作ってみた
ポテトチップスの作り方はカンタン!
皮をむいてスライサーで薄切りにします。
たっぷり水を入れたボールに浸し、表面のでんぷんを洗い落とすために数回水を交換します。
油で揚げたときに跳ねないように、1枚1枚キッチンペーパーで水分をよくふきとります。
160~180℃くらいの油で2~3分揚げ、色付いたら取り上げ油を切ります。
すぐに塩などを振って完成です。
味の感想ですが、自家栽培なら上出来です!
もちろん、味や薄さだけで比較するならコンビニやスーパーで売ってるポテトチップスの方が美味しいですが、ポテトバッグで自分で育てて収穫したポロシリの方が美味しさの喜びがケタ違いです。
以下はポテトバッグで失敗する理由を挙げました。
もし、失敗してしまった方は以下を参考にして来年リベンジしてみてくださいネ!
ポテトバックで失敗する理由
- タネイモの深さが浅かった
- 芽かきをやらなかった
- 栽培場所が悪い
- 水のやり過ぎ
- 水のやらなさすぎ
- タネイモ自体が悪かった
タネイモの深さが浅かった
ポテトバッグでは種いもポロシリを袋の底の方に置きましょう。
しかし、土質が一般的な培養土ではなくココヤシピートなど弾力があるため、テキトーに浅く植えてしまうと上手く育ちません。
正しい植える位置は記事に書いてあるので戻って確認してみてください。
芽かきをやらなかった
芽が出てきたからといって、喜んで放置してはいけません。
ジャガイモは芽の数が多ければ多いほど、新しいイモが多くできます。
しかし、その代わり小さいイモばかりになり、有害物質ソラニンを含んだイモができてしまいます。
ですので、丈夫な芽を1~2つほど残す“芽かき”作業をしましょう。
栽培場所が悪い
ジャガイモは日当たりで育ちます。
日陰や半日陰などに置いて育てると、十分に光合成ができないため結果的に袋の中のイモが大きくなりません。
ポテトバッグを直射日光が当たる場所に置いて育てましょう。
水のやり過ぎ
ポテトバッグを始めとしたジャガイモの袋栽培は、芽が出るまで1ヶ月程度かかるため、その間不安で毎日水やりをしてしまうことがあります。
特に初心者の方は真面目な方が多く、水やりをしないと枯れてしまうと考えてしまうからです。
しかし、ジャガイモは比較的乾燥に強いため、水のやり過ぎは逆効果です。
水のやらなさすぎ
ジャガイモは乾燥に強いですが、とはいえ極端に水を与えないと失敗します。
もし、忙しくて水やりを忘れがちな方は、雨の当たる場所に置いて栽培しましょう。
であればまだマシです。
種いも自体が悪かった
カルビーのポテトチップスを模したパッケージのポテトバッグですが、発売元はカルビーではなく株式会社プロトリーフです。
プロトリーフは植物や園芸用品などを扱った企業であり、種いものポロシリもちゃとしたものです。
しかし、種いもも“ナマモノ”であるため、お店の管理状況などによって稀に状態が良くないものもあります。
特に販売時期の終盤など売れ残りの際は、よく見て購入しましょう。
例えばしわしわになっているものなどは避け、しっかり芽が出始めているものがベストです。
最後に初心者向けに栽培のコツを紹介します。
初心者が失敗しないポテトバッグ・ポロシリ栽培のコツまとめ
- 4~5㎜程度芽が出ている種いもを買う
- 袋から土を全部出してから植え付ける
- 芽かきをして種いも1個につき1~2芽で栽培する
- 直射日光が当たる屋外で栽培
- 毎日水やりをしない
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