ポインセチアの育て方★葉が落ちる・しおれる・枯れる原因
ポインセチアはクリスマスシーズンになるとお店や街の装飾として利用されており、「祝福、幸運を祈る、私の心は燃えているなどの花言葉を持つ誰でも知っている花です。
そんなポインセチアですが、買ってきたばかりなのに
- 葉が落ちてしまった
- なんだか元気がない!
- 枯れてきている
- 葉が黒くなってきた
など意外と育てるのに苦労している人も多い植物なのも事実です。
今回はポインセチアのよくあるトラブルについてご紹介したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
初心者必見!ポインセチアがしおれて枯れてしまう5つの原因
- 寒さ
- 光
- 水
- 病気
- 環境の変化
寒さに弱い
ポインセチアの原産地はメキシコです。ポインセチアが最初に発見されたのは首都メキシコシティの南部にあるタスコという町ですが、高地でありながら緯度が低いため年間を通して温暖な気候に恵まれています。
メキシコシティの気温を例にすると一番寒い1月の最低気温でも6℃・最高気温が21℃、1月の東京の最低気温1℃・最高気温が10℃なので日本で育てるには寒さに弱い植物ということになります。
そのため冬は最低15℃以上ある室内で育てる必要があります。
暖房の効いている20℃以上ある部屋だとなお良いです。
よくお店に飾られている方で室内で育てているにもかかわらずポインセチアが枯れてしまう経験をしたことがあると思いますが、夜は暖房を切っている場合がありますよね?
室内といっても夜間など室温が低ければ室内・屋外関係ありません。
光が足りない
ポインセチアの元気がなくなる原因の1つとして見落としがちなのが光不足です。日光不足といった方が正確ですね。
玄関など光が当たらない場所に置いていると光合成ができないためやはり植物は弱ってしまいます。
そのためできれば日中は暖かい室内の窓辺において夜はカーテンの手前など窓から離して管理してあげるのが良いです。
ポインセチアは日が短くなると赤くなる性質を持っているため私たちが店頭で購入するものは既に生産者によって処理されたものを手に入れているわけですが、翌年以降同じように赤くするためには9月になったら夕方5時~翌朝8時まで箱や布をかけるなどの作業をする必要があります。
しかし、これらは赤くするためだけに15時間程暗くしているだけで残りの9時間は日に当てています。
しかも3カ月くらいなので基本的にポインセチアを元気に育てるためには陽当たりの良い窓辺がベストなのです。
水のやり過ぎ
水やりをしなくて枯らす人よりも水やりをし過ぎて枯らす人の方が大半です。
毎日水をあげているならそれは水のあげすぎといっても良いでしょう。
ポインセチアの鉢はプラスチック製のものに植わって流通しており、ほとんどの人がそのまま育てますよね。
ポインセチアは移植を嫌うので時期的にも寄せ植えを作らない限り植え替える必要はないのですが、プラスチック製の鉢は水をあげても乾きにくいので毎日水をあげると植物の根が傷み枯れてしまいます。
しかもクリスマスシーズンと重なっているためラッピングをしたまま飾るケースが多いためより鉢土が蒸れやすく、乾きにくい状態になります。
したがってそのような状況を知らないまま毎日日課のように水やりをするためしおれて、枯れてしまうのです。最終的には黒くなって枯れるなどします。
初心者の人がポインセチアを枯らす原因はほぼこの水のやり過ぎです!
正しい水やり方法は、1回鉢底から水が出るまでたっぷりあげたら土の表面が乾くまであげず、触ってみて水分を感じないようになったら上げます。
よく、葉が枯れてきたから水不足ではないかと思ってさらに水やりをする人がいますがあれは水不足でしおれているのではなく、鉢内に水が多すぎて根が呼吸できず窒息しているからです。
もし、土が完全に湿ってしまう3日おいても乾かない場合は新しい土に入れ替えないと元に戻らないかもしれません。やはりあまりに水やりが多すぎると手遅れの場合もあります。
水のあげなさ過ぎ
プレゼントでもらった、もしくは会社の経費で買った、装飾のために買ったけど全く園芸に興味がないなどの環境にいるポインセチアはかわいそうなことに全く水やりをしてもらえていないことがあります。
下写真は実験的にやってみたものですが、購入してから1滴も水をあげず2週間くらい経つと鉢の淵と土の間に隙間ができ水分不足でカラッカラになります。
このように水をあげなさ過ぎても葉が落ちたり、ひどいと枯れます。
ただ、この記事を読んでくれているあなたは少なからずポインセチアの育て方について気にしれくれている方ですのでこれが原因というケースは少ないと思います。
病気によるもの
ポインセチアが病気によって株が弱り枯れてしまうことがあります。
そのほとんどは水のやり過ぎにより土が乾かないためカビが生えてしまい株まで弱る、または加湿や風通しの悪い場所に置いているためアブラムシやオンシツコナジラミなどの害虫が発生し、さらにすす病を起こし葉が黒くなってしまうなどです。
こうなってしまったらまず、根を傷めないように土は完全に新しいものと交換して植え直すことをおすすめします。
できれば寒風の当たらない玄関などの場所でやりましょう。
カビが生えて状態の株は既に弱ってきているので放置したままだと吸水力も弱く大概このまま枯れていきます。
すす病は吸汁性害虫の排泄物を餌にして繁殖するカビが原因で起こります。ホームセンター等に殺虫殺菌剤がありますので散布します。
病気が発生してしまった場合は諦めて処分するか、ダメ元で殺菌剤を撒くかです。
環境の変化
買ってきたばかりなのに下葉が黄色くなってくる場合は、単純に環境の変化によるケースもあります。
まだ買ったばかりなのに、こんな感じで段々葉が黄色くなって落ちるときはこれが原因です。
植物は環境が変わるとその環境に適応するために葉を落とすなどすることがあります。
これは生理現象なのである程度は仕方のないことですが、ポインセチアでよく起こるのはラッピングしたままの状態が長く続くことにより通気性、排水性の悪さが原因となって葉が黄色くなって落ちることがあります。
株元が小さい葉で密集している場合は、蒸れないように少し葉を取り風通しを良くしておきましょう!
ですので黄色くなった葉は取り除き株元の通気性を良くするとともに、さらにラッピングをしているのなら外して管理しましょう。
生育の楽しみを取るか寿命は短くても一過性の装飾を楽しむかどちらか選択する必要があります。
初心者のためのポインセチアの歴史と室内での育て方
今お話してきた5つの枯れる原因に気を付ければ11月に手に入れたポインセチアを超初心者の人でもクリスマスまでは楽しむことができます。
ですが、ポインセチアは学名Euphorbia pulcherrima(ユーフォルビア・プルケリマ)トウダイグサ科の常緑低木つまり樹木なのでメキシコなどの原産地では何十年以上も成長し続けることができます。
驚くなかれこれ野生のポインセチアの木です。見事に色づいていますよね。
私たち日本人にとってポインセチアはクリスマスシーズに見る鉢花の1つですが世界的にみるとこれが自然な形なのです。
ポインセチアはアメリカの医者であり政治家であり植物学者であったジョエル・ロバーツ・ポインセットという人が1825年以前からメキシコ公使として赴任していたのですが、
メキシコをアメリカ合衆国が乗っ取る計画の一員であることがバレて国外退去になる途中にメキシコ南部のタスコという街に寄った際、冬に赤く咲いていたトウダイグサ科の木(後のポインセア)を持ち帰って広まりました。
語源は言うまでもなくポインセットさんが見つけて広めたのでポインセチアという名前になったんです。日本には明治時代に入りました。
ちなみにポインセチアの赤い部分は葉ではなく葉が退化した苞(ほう)と呼ばれるものでカラーとか水芭蕉、アンスリウムなどと同じです。ポインセチアの花は真ん中の小さい黄色くなっている部分です。
なぜポインセチアの葉色は赤?赤くなる原理としくみ
葉が赤くなるしくみ
なぜポインセチアは赤くなるのか?赤くなるのはもしくは黄色くなるのは紅葉の原理と同じです。
葉に含まれる色素にはクロロフィル(葉緑素)とカロチノイドがあります。クロロフィルの量の方が多いため普段は私たちは緑色の部分しか見えていません。
紅葉は気温が低くなり短日になるとクロロフィルが分解されることによりカロチノイドの黄色が目立っています。
それと同時に植物は落葉させる準備を進めるのですが、その際に葉の付け根にコルク質の離層という組織が作られます。
ちょうど葉っぱに栓がされているのと同じで葉で作られた物質は葉の中に留まります。
葉では光合成によって作られた糖からさらに赤い色素であるアントシアニンが出来ることによって葉が赤くなるです。
なぜポインセチアの葉は赤いのか?
なぜ赤のなか?というとそれは鳥や虫に目立たせるためです。自然界で黄色い葉があるのは先に説明した紅葉の原理からで、必ずしもすべての樹木が赤くなりません。世の中には紅葉しない常緑樹もありますからね。
鳥や虫は鮮やかな色が好きです。特に鳥は赤が好きで赤い実などは大好きです。
ポインセチアは私たち人間を楽しませるために葉を赤くしているわけではなく、子孫繁栄のために葉を赤くして虫を寄せ付け受粉させたり、鳥を誘い中心の実を食べさせ、その実が糞になり落ちたところからポインセチアの芽が出て繁殖するしくみを利用しています。
ほとんどの花が鮮やかで綺麗なのは子孫繁栄のためと言えます。
ベタベタした白い樹液は有毒なので洗い流す!
ポインセチアを含むユーフォルビア(=トウダイグサ科トウダイグサ属)の植物は茎が折れたり葉をちぎったりするとそこから白くベタベタした樹液が出てきます。
これは草食動物から食べられないように発達したこの植物特有の防御反応です。
そのため白い樹液には毒性があり、人間でも皮膚がかぶれたり口にするとしびれたリするので注意してください。
ポインセチアの色と葉形の種類と様々な品種
現在、日本の市場で流通しているポインセチアにはたくさんの種類がありますが、世界的にみると40種以上もあるそうで見たことがないような色や模様の品種も存在します。
代表的なのは赤で赤の中でも黒っぽい赤色からオレンジに近いものまであります。その他ピンク、黄色、白、オレンジ、マーブルなどがあります。
また葉の形には通常のタイプの他、カールしているものや切れ葉があります。
プリンセチアはサントリーフラワーズが開発したオリジナル品種
プリンセチアと言う名前で流通しているポインセチアに似たピンクや白の細葉の植物がありますが、これはサントリーフラワーズが独自に開発したポインセチアの人工的に作り出した品種です。
育て方はポインセチア同様ですね。
白いポインセチア
白いポインセチアを探しているお客さんは多く、今までは白い品種といえば「ポーラーベアー」が定番品種だったのですが写真を見てわかりように黄色なんですね。
日の当たり加減によって白っぽく見えたりするのですが今まではこれが限界でした。
私が最近みた「グレイス」という品種は「ポーラーベアー」よりもだいぶ白くなってきたと思いますがまだクリーム色です。(実物は写真よりもうちょっと白いです)
しかし、サントリーからプリンセチア「クリスタルスノー」という白い種類のポインセチアが出ており現段階ではこれが一番白いポインセチアと言えますね。
青いポインセチア
写真のような青いやエメラルドグリーンなどのポインセチアがありますが、これらは全て人工的に特殊な液体を吸わせて着色したものです。
水を与えたからといって色落ちすることはありませんが、赤や黄色と異なり来年以降私たち素人が青くすることは出来ません。
ポインセチアの鉢植えの値段はいくらぐらい?
プレゼント用の鉢植えとして最も標準的な大きさは5号鉢(直径15㎝)程の商品です。価格は1500円~2000円前後ですね。デパートなどでは3000円以上します。流通上もこの大きさが一番多く出回っていますが、品種や生産者により同じ5号鉢でも株張りが大きいものとそうでないものもあるので一番良いのは花屋さんなど店頭で見て買うことをおすすめします。
現在ポインセチアは3号(直径)以下の小さい苗から上は10号鉢(直径30㎝)、特注だとさらに大きい鉢もあります。
したがって値段も大きさによりピンキリです。小さいサイズであれば1000円以内、大きいのは15000円以上します。品種による値段の差はそれほどありません、強いて言えば黄色よりは赤の方が値段が高いといったところでしょうか。
ポインセチアの植え替え時期と栽培方法
ポインセチアは日の当たる室内で管理し続けると枯れずにクリスマスやお正月の年を越して生育し続けます。
植え替え適期は3~4月です。株の3分の1を残し切り戻します。
一回り大きい鉢に培養土などで植え替えて完了です。
切り戻しは3~4月と8月の春・夏2回行う
3~4月の植え替えと同時に切り戻しをしましたが、8月は3~4月に切り戻した場所の2~3㎝ほど上を切って下さい。
切り戻す理由についてですが、まずは伸びすぎた株を整える目的がありますが、
もう1つ大事なのは枝を短く切り戻すことにより養分があちこちに分散しないようにして新しく育つ芽や花のために使う養分を温存させる目的があります。
秋冬の置き場所は室内で!寄せ植えは夜は玄関に移動する
ポインセチアの栽培は基本的には室内です。沖縄では屋外でも大丈夫だと思いますが、日本のほとんどの地域では室内で育てましょう。最近は寄せ植え用の小さいポインセチアの苗が流通していますが、ポインセチアは寒さに弱いため屋外に置く寄せ植えを作っても夜は玄関など寒さにさらされにくい場所に移動させましょう。
ポインセチアはクリスマスのイメージが強いためお正月を迎える前には違う植物に植え替えると良いですね。そういった意味でも長期間寄せ植えに向く鉢物ではありません。
しかし、銀座などでは屋外の花壇にポインセチアが植えられているなどかなり豪華な植栽ですがこれも長期間持たせるというよりはクリスマスまで楽しむという意味合いが強いと思います。1ヶ月程度であれば屋外に植えても鑑賞に堪えうるでしょう。ただし、雨が当たると黒くなって枯れてくるのが難点ですね。
水やりと肥料をあげるタイミングはいつ?
水やりについては先ほども説明したようにやり過ぎに注意し、鉢土が完全に乾いてさらっとしっとりしたらまた上げるの繰り返しです。
しかし、土の色が黒くて乾いているのかどうかよくわからないというお悩みを頂きました。
その場合は買ったばかりやもらったばかりの頃と比べて、株全体がどう変化したかを覚えておくと良いです。一例として以下の写真をご覧ください。(左が元気な状態、右が水切れの状態)
なんとなく右側の方は葉が下向きにしなっとして鮮度が悪い感じがしませんか?これ水が足りない初期の状態です。
株元の緑色の葉も下向いてますよね。
肥料は葉が赤くなり中心の黄色い花が咲いている11月~12月は2週間に1回水やりと同時に液体肥料を与え、その他は月1回程度で良いです。
挿し木の方法
ポインセチアの枝を切って増やしたい場合は春と夏に切り戻しをしたときの枝を利用し、
なるべく先端の新芽を10㎝ほど切って1日ほど水の入ったコップに入れてから、発根促進剤である「ルートン」を切り口に付けバーミュキュライトの挿します。
なるべく暖かい室内の窓辺などで管理すると良いでしょう。
赤くならないポインセチアを赤くする方法
よく、いつまで経っても緑の葉が赤くならない!色づかない!という悩み相談を受けますが、日本でポインセチアを自然に真っ赤にするには短日処理といって敢えて人工的に暗い時間を長くしてやる必要があります。
短日処理(たんじつしょり)は9月~11月までの3カ月間夕方5時から朝の8時までポインセチアに段ボールか布をかけ1日も欠かしてはいけません。1日でも忘れるとやり直しです。花芽が付くころまで行います。
ちなみにサンルームやコンサバトリーのようなガラス張りの空間に置いておいても赤くなります。
店頭で販売されているほど真っ赤にはなりませんが、室温と日光と水やりの条件が揃えば自然と赤くなるということです。
自宅でコチョウランが翌年も咲いた経験がある人はおそらくポインセチアも自然と赤くなるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。街で見かけるようになるとクリスマスを感じるほど私たちの生活に身近なポインセチア。
上手く育ててれば何十年も生育し立派な木に育ちます。
もっとも日本でこれを実現するのはかなり困難ですが、少なくともパンジー・ビオラのような半年で終わってしまう1年草ではないのでぜひ今回ご紹介したことを参考にして上手に育ててみてください。
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