ポトスの葉が黄色くなる理由|葉先や淵が茶色く枯れた葉は元に戻る?
プランター鉢に植わったポトスや植え替えたポトスの葉が、先端や淵だけでなく全体的に黄色くなる、あるいは茶色くなって枯れてきて困っている方も多いと思います。
ポトスの葉が黄色くなる理由は複数ありますが、その中でもよくある理由とそれほどでもない理由があります。
そこでこの記事ではポトスを栽培する中で、よくある理由を中心にすべての黄色くなるパターンを解説したいと思います。
もくじ(タッチすると移動します)
ポトスの葉が黄色くなる具体的な理由
水のやり過ぎによる根の傷み・根腐れ
まず、最も多いのが水のやり過ぎによる根の傷みです。
もし、土の状態が湿っていて乾いてない状態であればこれが原因です。
最悪は根腐れ(ねぐされ)といって水分過多(すいぶんかた)によって根が腐り枯れます。
今、月にどのくらいのペースで水を与えているでしょうか?
もし、季節に関係なく毎日、あるいは1週間に1回、2回など日課的に与えている場合は注意です。
特に一年中室内で育てている場合であれば、毎日やる、1週間に1回などは多すぎです。
ポトスは丈夫な観葉植物なので少々水が不足していても生きます。
本当に?と思うかもしれませんが、水不足状態になれば、土はカラカラに乾き、明らかに株全体の葉がしなっとして元気がなくなってくるため、この記事を読んでいるほとんどの人はそこで水を与えるはずです。
ポトスの水やりで大事なのは、〇日に1回など決めるのではなく必要かどうかは、ポトスの株の様子を観察して必要かどうかを見極めてることです。
毎日見ていると、水が足りている時と不足している時の違いが分かるようになります。
よく、園芸本や観葉植物の本などには「土の表面が乾いたらたっぷり」とか「プランターの底から水がでるまでたっぷり」などと書かれていますが、あれはあくまでも原則論です。
正しくは、土の表面が乾いているとかいないとかで判断するのではなく、毎日ポトスを観察する中で水が足りている状態と不足しているときの状態を記録、あるいはざっとでもいいので覚えておきます。
例えば水を与えてばかりのときは葉がシャキッとしているのに対し、水が不足してきたときはやや葉がしんなり下を向き始めているなどです。
そしたら次の水やりをするタイミングだとわかります。
土の状態を実際に触ってみて、黒くびしょびしょに湿っている状態なのか、やや乾いているのか、土質がさらっとしっとりしているのか、地割れのようにカサカサになっているのかなど、色々あるの中で、土が掴めてややしっとりしている状態が通常時であるなど。
体験をして覚えていきます。
根腐れとはどんな状態なのか?
水のやり過ぎが極限まで行ってしまうと、根腐れ(ねぐされ)という状態に陥ります。
根腐れとは文字通り根が腐る現象なのですが、要するに土中の水分が増えたことで根が呼吸できず窒息してしまっている状態です。
水栽培と異なり土で育てる場合は、排水性も重要になります。
本来、植物の根というのは水を求めて伸びます。
土に植わってる場合、乾いてきたら根は水分を求めて伸びようとします。
水に含まれている酸素が鉢内に溜まっている古い空気を押し出し、常に新鮮な空気に根が触れることで、根だけでなく株全体が丈夫に成長していきます。
しかし、土が乾かないうちに常に鉢内に水分があると根が吸収できる量をオーバーしてしまい、貧弱になり、最悪枯れます。
日照不足(光が足らない)
洗面所 玄関、お風呂など電球の光しか入らない場所で栽培していると、日照不足によって葉の一部が黄色く枯れ込むことがあります。
太陽光も電光も同じと思っているかもしれませんが、全然異なります。
晴天時のお昼の太陽光が10万ルクスなのに対し蛍光灯の照度は1000ルクスです。
ポトスを元気よく栽培するのに必要な照度は2000ルクス程度と言われています。
つまり、蛍光灯の明かりだけだとポトス栽培では照度不足になります。
太陽光が当たらない場所での栽培で葉が黄色くなるのは仕方のないこととして割り切りましょう。
ただし、照度不足+水のやり過ぎのダブルパンチで枯れる場合はまずは水やりを停止し、あまりにも土が過湿状態であれば新しい土に植え替えた方が良いです。
生理現象
ポトスの葉が黄色くなる原因に生理現象があります。
生理現象とは正しく育てていてもポトスが成長する上で葉を黄色く変色させたり、落としたりすることです。
成長する上で自然に起こることなので、問題ありません。
生理現象が起きる具体的な例を紹介します。
- 環境の変化・移動
- 葉の寿命
環境の変化・移動
例えばお店で買って自宅に飾った途端に、下の方の葉が数日で黄色く変色してくることがあります。
これはポトスが新しい環境に適応するために葉を落とす生理現象の1つです。
また室内で育てていたポトスに水を与えるために、屋外に出して、また夜にしまうなどを繰り返したり、長期間半日陰で育てていたものを日当たりの良い場所に移動させたりなど、環境を変えると自ら葉を落とすことがあります。
よくよく考えて欲しいのですが、植物は歩きません。
後ほど詳しく説明しますが、原生地に生えている野生のポトスは熱帯雨林の木々が茂っている半日陰で、樹木に絡まりながら生きています。
私たち人間もそうですが、新しい環境や急な環境の変化に対応するときストレスがかかりますよね。
慣れるまでに時間がかかる人もいます。
これと同じように、ポトスも急激な環境変化に適応するために葉を黄色くして落とすことがあります。
葉の寿命
造花のポトスと違い、どんなに上手に栽培しても1枚の葉や株には寿命があります。
寿命によって葉がだんだん黄色くなり茶色に変色して枯れます。
ポトスの葉の寿命は7年くらいと聞いたことがありますが、株に関しても実際長年、ツルを伸ばして順調に育っていた鉢植えのポトスがある日から突然枯れ込んできたなんてこともあります。
ただ、ポトスの場合は株分けや挿し木、水栽培によって簡単に発根するため、増やすことができます。
クリスマスロースの株ではよく行われるのですが、ポトスでも寿命に備えて子株を作るといつまでも子孫の株を育てることができます。
寒さ・低温障害
ポトスは熱帯雨林のムシムシとした場所で元気に育つ植物なので、元来寒さには弱いです。
そのため寒さによって耐えられず葉が黄色くなることがあります。
根にダメージを受けている証拠です。
日本でも10月後半には室内に入れて育てないと枯死します。
寒さ+水のやり過ぎ
育てている場所の気温が低い+水のやり過ぎによって根が傷み根腐れに進行します。
例えば出窓にライムポトスを置いていたところ、黄緑色の葉が黄色く変色してくることがあります。
季節によって原因はいくつか考えられますが、冬期、外気温が氷点下になる地域にお住いで出窓にポトスを置いている場合、明らかに寒さが原因です。
気温が低いということは乾くまでの時間もかかります。
特にプラスチック製や陶器の鉢は中の土が乾きにくい性質を持っているため、余計時間がかかります。
そのため乾いていると思ってまた水を与えてしまうと、全体として水分過多の状態になり根腐れします。
根詰まり
根詰まりとは、小さな鉢で育てている場合や何年も植え替えていないなど、鉢の中いっぱいに根が回ることでうまく水分を吸収できない状態になっていることです。
根から水が上手く吸収できなければ葉にも行きわたらないため、黄色く変色します。
根詰まりを解消するにはまず、今植わっている鉢から出し、5~6月の成長期に根をほぐしたり切るなどして、植え替えます。
葉焼け
葉焼けとは、夏の直射日光下に葉をさらしたとき、葉が焼けてしまい葉緑素が壊され、黄色や茶色く色があせたようになる現象です。
ただ、夏に限らず春でも日差しが強いときになることもあります。
この場合は葉が黄色くなるといっても他の原因とは異なり、1日、2日程度ですぐに状態が表れるので分かりやすいです。
水不足・水をやらなさすぎ
葉が黄色くなる原因の1つに水不足、水を与えない期間が長いことがあります。
ただ、ポトスを気にかけている人で水をやらない人はほとんどいません。
また仮に水不足が原因だとしたら黄色くなる葉は1枚2枚ではなく、株全体的にしんなりとして元気がありません。
そのため1枚、2枚黄色くなったからといって水不足が原因ということはほぼないです。
もし水の問題が原因で葉が黄色くなるのであれば、むしろ水のやり過ぎによる根の傷みの可能性の方が高いです。
観葉植物に全く興味のない人ならあり得ますが、この記事を読まれるような方は水不足が原因で葉が黄色くなるケースは少ないです。
肥料不足
水やりはするけどポトスに肥料を与えたことがない人は結構います。
肥料とは栄養分で人間でいうところの食事にあたります。
食事量が減れば痩せますよね。
それと同じく肥料を与えなければポトスの株も弱々しくなります。
その表れとして葉先から黄色くなります。
植物は葉にある葉緑素で光合成をすることで養分(糖やデンプン)と酸素を作り出します。
ただ、自分で作る養分だけでは限界があり、外部からの栄養を必要とします。
それが肥料になります。
肥料には葉を成長させるもの、花・実を成長させる・根を成長させる成分があります。
- チッ素・・・葉の成長を促す
- リン酸・・・花や実の成長を促す
- カリ・・・根の成長を促す
観葉植物に多く必要な成分は葉の成長を促すチッ素成分です。
購入した際に、鉢内に固形肥料が入っていると思いますが、水やりの度に少しずつ溶け、やがて鉢内には肥料成分が0になります。
ですので、観葉植物用の肥料があるので水やりと合わせて、肥料を定期的に与えて下さい。
肥料焼け
肥料焼けとは決められた分量以上の肥料を与え過ぎたことで、根がダメージを受ける現象で、1例として葉にその症状が表れて黄色くなることがあります。
これに関しては単純にしっかり決められた分量の肥料を与えれば起こりえないので、正しい分量を守って下さい。
ちなみに肥料焼けに関しても、1枚2枚だけ黄色くなるのではなく全体的に元気がなくなります。
適切な肥料の分量を与えている初心者であれば、肥料焼けを起こしてしまうケースはまずないと思います。
黄色く変色した葉は元に戻る?
ズバリ、一度黄色く変色した葉は元の緑色に戻ることはありません。
黄色くなったら茶色く変色するか、その前に株から落ちるかのどちらかです。
放っておくと環境によっては黒くなってカビが生える可能性もあるので、黄色くなった葉は取り除いて下さい。
葉の先端から新しい葉が出てきているのであれば、株は元気です。
ポトスの原産地の環境を知り栽培に生かす
ポトスを上手に育てるコツは、できるだけポトスのふるさとに近い環境を再現してあげることです。
ポトスの原産地は東南アジア、南太平洋諸島で湿度の高い熱帯雨林に自生しています。
沖縄などでも屋外の植栽に使われています。
湿度の高い熱帯雨林にどのように自生しているのかというと、ポトスはツル性植物なので主に樹木に絡まっています。
直射日光ではなく、うっそうとした森の中の木漏れ日を取り入れて育っています。
つまり、これと同じような環境で育てれば日本の家庭でも上手く育てることができます。
具体的にいうと
- 半日陰(レースのカーテン越しなど)
- 霧吹きや加湿器で湿度60%を保つ
- 肥料を与える
などです。
ポトスは丈夫な植物なので、多少日が当たる場所に置いても湿度が40%でも、肥料を与えなくても生きます。
ですが、自生地の環境に近づけてあげればより、育ちやすいということです。
まとめ
ポトスの葉が黄色くなる原因について、よくある順に解説してきました。
ポトスは初心者でも育てやすいメジャーな観葉植物であり、近年は新しい品種も次から次へと出ています。
一般的な緑色の地に黄色い斑(ふ)と呼ばれる葉緑素が抜けた部分が特徴的な「ゴールデンポトス」と呼ばれている品種だけでなくライムやマーブル、同じくマーブル柄のエンジョイ、濃緑色のパーフェクトグリーンなど様々です。
たくさん品種はありますが、葉が黄色くなる原因はほぼ同じです。
ぜひこの記事を参考にして、ポトスのプロフェッショナルを目指してください!
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