アンスリウムの葉が小さくなる原因と対処法

アンスリウムの葉が購入したときよりも段々と小さくなっていることはありませんか?
今回は、読者様より頂いた質問から育てている「アンスリウムの葉が小さくなる原因」について解説しています。
まずは、質問内容から見ていきます。
もくじ(タッチすると移動します)
読者様の質問!アンスリウムの葉が小さくなる
1年程まえよりアンスリウムの葉が小さく、又花が咲かないようになって2月頃に葉が全てなくなってしまいました。このアンスリウムは頂いたもので約12年になります。
途中、植え替え、土の入替は行っていましたが、仕立て直しと言われることは行っていませんでした。
葉が出てこないので諦めようかと思い、土から出してみました
根っこは短くなってしまっていますが、ごく細い根が延びていました。
再び葉が出るでしょうか、若しくは寿命とかあるのでしょうか
ご教授頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。
貴重なご質問ありがとうございます。
観葉植物の中でも栽培の難易度が高いアンスリウムを12年間も育てられていらっしゃるのは、プロ級の腕前です!
近所の園芸店に今回の質問内容を尋ねたところ「10年以上持っている人は聞いたことがない」と言われたそう。
確かにアンスリウムは寒さに弱いので、コンサバトリーのあるお宅や温室で冬越しでもしない限り、家庭で10年以上栽培するのはとっても難しいのです。
素晴らしいですよね。家庭園芸でも1つの株を何年も育てて頂けるのは生産者さんにとってはとても嬉しいことです。
葉が小さくなる根本的な原因は根に問題が生じている
まず、一般的に葉が小さくなるということは大きな葉を作ることができない、つまり養分が不足しているか、そもそも養分を吸収するための根が弱っていることになります。
読者様のアンスリウムを例に取ると、根っこが短くなっていたり、ごく細い根が伸びていたというのはその証です。
花を咲かすのは葉を作るよりも体力がいるため咲かなくて当然になります。
2月に葉が全て無くなったのは寒い時期=休眠期なので最低限の体力を維持するために葉を落としたと考えていいと思います。
葉が小さくなる原因には肥料不足の他にも根詰まりなど色々ありますが、それらの根本的な原因は「根」なのです。
例えば根詰まりの場合、植え替えをしていないことで鉢内に根がいっぱいになりうまく水を吸収できないことから、成長が阻害され大きな葉が作れなくなり結果的に小さくなることがあります。
結論からいえば根が健全な状態であれば葉は茂り花(仏炎苞)は咲くんですね。
それだけ根が順調に生育できているかどうかは重要です。
読者様のアンスリウムの葉が小さくなる原因は肥料不足と寿命?
アンスリウムの根が弱る理由の多くは寒さや水のやり過ぎなのですが、読者様のケースは既に12年も栽培がうまくいっているため栽培環境や管理方法には問題ないと思います。
植え替え等もされているので根も順調に育っていたのでしょう。
そこで最初に気になったのは肥料についてです。
固形肥料もしくは液体肥料など肥料は与えていらっしゃたのか?地植えと違い鉢植えは追肥(栽培途中で肥料を与える)をしないと、養分不足になり成長が衰えます。
水だけでも何年かは生育できるのですが、やはり肥料を与えないといずれ枯死します。
もし、追肥もされていたのであれば株の寿命も考えられます。
株の寿命を防ぐために植え替え時に株分けをして子株を作り増やしていく方法があります。
注意!“土に刺している肥料”は肥料じゃないかも!?
今回、質問者様が栽培しているアンスリウムの葉が小さくなったり、花が咲かなくなったり、葉がなくなってしまった原因はほぼ間違いなく肥料不足だとわかりました。
なぜかというと、読者様は「液体肥料は刺していた」とおっしゃっていたからです。
おそらく以下写真のようなアンプルタイプのものだと思います。
※アンプルとは以下の容器を指します。
とてもよくありがちなのですが読者様が使用していた土に刺すアンプルが、実は「肥料」ではなく「活力液」だったんですね。
そのため肥料不足によって根が発達せず年々弱っていった結果、株に葉を大きくするだけの力が無くなり、葉が小さくなってしまったということです。
肥料と活力液の違いは>>液体肥料-さすタイプ【アンプル】の使い方|活力剤と間違えないことに注意!をご覧ください。
アンプルタイプの「肥料」のデメリット
そして紛らわしいのはアンプルタイプには「肥料」と「活力液」の両方があり、肥料だと思い込んで使用しているケースが多いのです。
またアンプルタイプの肥料にはあるデメリットがあります。
それは土に刺すアンプル型のものは各肥料成分の配合割合が少ないため、育てているアンスリウムの株に対して不足する可能性があることです。
例えば販売されているアンスリウムにも3号鉢(直径15㎝)から10号鉢(直径30㎝)まで株の大きさによって色々あり、当然必要な肥料の分量も違ってきます。
そのため10年以上生きている株に対して、アンプル型の肥料では分量不足になり、長い年月をかけて栄養不足により徐々に根の力が弱まっていったと思われます。
植物の生育に必要な3大肥料成分
植物の生育に必要な3大肥料成分には以下があります。
- チッ素(N)・・・主に葉の成長を促す
- リン酸(P)・・・主に花や実の成長を促す
- カリ(K)・・・主に根の成長を促す
液体肥料を与える場合、NーPーKの割合が均一のもの選ぶのが一般的です。(割合は商品の裏面に記載されています)
アンスリウムなどに使う観葉植物用の液体肥料は、葉の成長を促すチッ素成分の割合が多いのですが、根の方も貧弱になっている場合、均一型の液体肥料を選ぶと良いです。
例)「ハイポネックス」や「花工場」
液体肥料に関しては>>液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!を参考にして下さい。
また液体肥料ではなく、「マグアンプK」や「エイドボール」などの固形肥料を与えても良いです。
肥料配合済みの培養土で植え替えても肥料不足になる?
ホームセンターなどにいくとあらかじめ肥料が配合されている培養土が販売されています。
親切な商品には肥料成分の持続期間が「30日間」「180日間」など明記されています。
新しい培養土によって植え替えても、このように肥料の効果があり期間が30日~180日間程度なのでそれ以上経過するすると、肥料成分が無くなっていきます。
どのように肥料成分が無くなるのか?というと水やりです。
鉢植えに水をやると、その度に鉢底から水だけでなく土に含まれている肥料成分やゴミ、鉢内に溜まった古い空気も一緒に流れ出ます。
地植えと違い、鉢植えは追加で肥料を与えないと水やりの度に流れ続けるので、何もしないと肥料不足になり最終的に0になります。
もちろん水だけでも植物はある程度生きることはできるのですが、肥料は植物にとって食事にあたるため、0だと成長が鈍り根が細くなり、葉が小さくなったり、花が咲かなくなったりします。
寿命
質問者様が育てられているアンスリウムが12年ものということで、葉が小さくなるなどの原因が肥料不足に他に「寿命」も考えられるのではないか?という問題があります。
アンスリウムは観葉植物ですが、園芸学的な分類では多年草になります。
多年草とは条件が揃えば何年も生きる樹木以外の草本類(木じゃないという解釈でOK)を指し、アンスリウムを始めとした多くの観葉植物が該当します。
しかし、多年草といえどもやはり個体差はありますが寿命はあります。
明確に何年とは言えないのですが、順調に育っていた株がある年に急に枯れることは全然あり得ることです。
冒頭の質問者様に対する私の回答内にても、お話していますが株の寿命を防ぐために「株分け」という作業をすることがあります。
これは大きくなった株を半分なり子株として別鉢に分けて栽培する方法で、親株の根詰まり防止や繁殖をする際に行います。
アンスリウムの株分けは成長期である5~6月に行うのが最適です。
まとめ
今回は当サイトの読者様より頂いた質問に回答した内容を再編してご紹介しました。
アンスリウムは家庭園芸でも環境と管理方法が良ければ、10年以上育てられる観葉植物だということがお分かりになったと思います。
アンスリウムの原生地は熱帯雨林のため、温かくて湿度が高い環境を好みます。
そのため日本の冬の寒さに弱く、秋以降室内に取り込んだとしても暖房が切れた夜間には室温は0℃近くなることもあるため、アンスリウムにとっては生育が困難になります。
順調にきれいなアンスリウムの花(仏炎苞)を咲かせるには>>アンスリウムの花が咲かない理由と年中咲かせ続ける育て方のコツを参考にしてみてください。
また葉が枯れる原因については>>アンスリウムの花や葉が枯れる原因と対処法を参考に!
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