サフィニアとペチュニアの違い-値段や育てやすいのは?
ホームセンターや園芸店に行くと見た目が全く同じなのに、「サフィニア」と書かれている花と「ペチュニア」と書かれている花があります。
園芸好きの方であればすぐに違いがわかるのですが、初めてガーデニングを始める初心者の方には違いが良く分かりませんよね?
この記事では初心者の方向けにサフィニアとペチュニアの違いについて分かりやすくまとめました。
歴史や育てやすさなど理由も詳しく紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ(タッチすると移動します)
サフィニアとペチュニアの違い
サフィニア | ペチュニア | |
原産地 | ブラジル パンパ | 南米 |
誕生年 | 1989年 | 1767年・1831年 |
登録商標 | サントリーフラワーズ㈱ (日本第2395224号) | なし |
繁殖方法 | 栄養繁殖(挿し木) | 元々は種子繁殖だった |
不稔性 | ◎ | △ |
雨に強い | △ | × |
ほふく性 | ◎(立性品種も有り) | ○ |
植付から開花までの早さ | 早い | ふつう |
開花期間 | 長い(4~10月) | |
商品名種 | 多い | 不明 |
値段 | 400~500円/個 | 200~300円/個 |
育てやすさ | ◎ | △ |
ペチュニアとは
ペチュニアは南アメリカ原産のタバコ属に近いナス科ペチュニア属の花です。
ブラジルやアルゼンチンに25種類以上の原種が自生しています。
分類に関して厳密にいうと半耐寒性多年草/宿根草なのですが、日本では越冬できないことが多いため一年草扱いになっています。
“ペチュニア”の語源はブラジル先住民族のpetun(タバコ)から来ていてペチュニアの葉を近縁種であるタバコにに混ぜて吸っていたことが関係しています。
以下写真ナスの花と比べても分かるように、ペチュニアの咲き方とそっくりなのがわかりますよね。花形はナスの花より丸くなりましたが面影があります。
ペチュニアがナス科の植物であることをよく表しています。
下写真、ペチュニアの蕾(右上)と終わった後の花(手前)
ナスの花が終わった後の様子
ペチュニアは1767年にフランス人植物学者コンメルソンが南米ウルグアイで発見した白系の原種Petunia axillaris(アクシオラリス)を持ち帰ったことでヨーロッパに知られるようになりました。
1831年にブラジルから濃ピンク系種Petunia integrifolia(Petunia Violacea)がイギリス、ドイツ、フランスに導入され先の白系と交配されたものが、現在私たちが知っているペチュニアの園芸品種の原形です。
ペチュニアの弱点は雨に弱いことです。
反対に乾燥には強いです。
またサフィニアが誕生する前まではタネによって増やされていたため成長するまでに時間がかかること、雨に弱いこと、コンパクトでしだれるような咲き方をしなかったことなどにより、弱点がありました。
現在はサフィニアの誕生をきっかけにペチュニアも品種改良が進んでおり、サフィニアに似た特徴を持つものが増えています。
ですが、サフィニアと比較して値段は安く、1個200円~300円くらいです。
ただ、サフィニアにのようにブランド化しているペチュニアの品種はサフィニアと同様、値段が高めに設定されています。
サフィニアとは
学名:Petunia × atkinsiana Surfinia Group
サフィニアとはペチュニアの改良品種のこと。
サントリーフラワーズ㈱が品種改良したペチュニアの登録商標品種です。
ほふく性(匍匐性)があることから、“波乗りのようにほふくするペチュニア”ということでサーフイン(surfing)+ペチュニア(Petunia)=サフィニア(Surfinia)という名前(造語)が付いたようです。
経緯としてはサントリーの駐在員が持ち帰ったペチュニアの原種を元に品種改良が始まり、1989年にサントリーと京成バラ園芸が共同開発して誕生しました。
サフィニアがペチュニアより優れている点
栄養繁殖に成功した
サフィニアの品種改良の過程において何が一番凄いことなのか?というとペチュニアの栄養繁殖(えいようはんしょく)に成功したことです。
栄養繁殖(えいようはんしょく)とは「挿し木で増やす」ことで、それまでのペチュニアは種子繁殖(しゅしはんしょく)「種から増やす」方法でした。
※挿し木とは茎の一部を切り取って土に植えること。そのまま根が出るため、大量に生産できる繁殖方法の1つです。
栄養繁殖のメリットは短期間で大量に同じ形質を持った株を増やせることです。
ただ、デメリットしてウイルスに感染してしまうとそれも同じように感染してしまうため、商品として流通させるには技術的に困難でした。
しかしサントリー等の技術によって栄養繁殖で増やし流通させることが可能になりました。
不稔性(ふねんせい)=タネができない
まず、種ができない性質のことを不稔性(ふねんせい)と呼びます。
基本的に植物は自分の子孫繁栄のために、花を咲かせたらすぐに種をつけようとします。
タネが出来てしまえば、花が終わろうが株が疲れて枯れようが植物にとっては本来の役目が終わるためOKです。
しかし、花を観賞する人間にとっては出来るだけ長く花を観賞したいですよね。
そこで、種をつけさせないように品種改良が進められました。
花を咲かせ、種をつける一連の成長には養分とエネルギーを使います。
植物は種ができるように花を咲かせます。いつまでも種ができる兆しがない限りずっと咲かせ続けようとするわけです。
そのため株も疲れるので寿命も短くなります。
しかし、種をつけさせないように品種改良することによって、人間は花を長く鑑賞することが可能になったんです。
なんだか植物の気持ちなると気の毒なきもしますが、、、
ほふくせい(匍匐性)
サフィニアが誕生した当初、もっとも人気が爆発的に出た要因の1つがほふく性であったことです。
ほふく性とは匍匐前進(ほふくぜんしん)と同じ意味で、横に横に、あるいは下にしだれるように広がる咲き方を言います。
それまでのペチュニアは立性といって上に向かって咲く咲き方しかありませんでした。※現在のペチュニアには、ほふく性タイプもあります。
しかし、ほふく性のサフィニアが誕生したことでハンギングバスケットやバルコニーの植栽など、しだれる楽しみ方もできるようになりました。
サフィニアにも多くのシリーズが誕生し、ほふく性だけでなく、ほふく性&立性、ボリュームが大きくなるもの、小輪多花性など様々なバリエーションがあります。
雨に強い
ペチュニアは雨に当たるとぐちゃっと汚くなり、雨後もきれいに立ち上がるのに時間がかかりました。
しかし、サフィニアの誕生によって雨に強い性質を持つようになりました。
ですが、やはり原種はペチュニアのためニチニチソウなど雨風に強い花と比較した場合、それでもまだサフィニアも雨には弱い花に分類されます。
乾燥気味を好みます。
これはもう仕方ないことなので、出来るだけ雨に当てない育て方の方が向いています。
植付から開花まで早い
元々ペチュニアの原種は長日植物(ちょうじつしょくぶつ)といって、ある一定の日照に当たらないと花が咲かない性質を持っていました。
そのため花が咲くまで時間がかかるわけです。
しかし、サフィニアは4月上旬に幼苗を植え付けて約2週間後には花をつけます。
そして植え付けから1ヶ月後には花がどんどん咲き始め、2ヶ月後にはこんもりとプランター一杯に満開の花を咲かせます。
このように初心者でも植え付けから満開までの期間が短く、また切り戻し作業をすると秋まで約半年間と長期間楽しめるのも特徴です。
商品のバリエーションが多い
発売当初、サフィニアと言えば、ほふく性のパープルの大輪系が主流でした。
当時は現在の大輪系よりも若干花も小さかったと思います。
年々、様々なシリーズが増え毎年新しい色の商品が展開されています。
サフィニアは一般的にペチュニアとして販売されているものと違い、サントリーフラワーズ㈱の登録商標品種のため、値段も1個400円~と高いのも特徴です。
サフィニアシリーズと商品別特徴
- サフィニア・・・ほふく性
- サフィニアアート・・・覆輪
- サフィニアブーケ・・・立性
- サフィニアマックス・・・ボリューム大のほふく性&立性
- サフィニアフリル・・・八重咲き
- すぐ楽サフィニア・・・混植商品
- ブリエッタ・・・ボリューム大の超小輪多花性
- ミリオンベル・・・小輪多花性
- ミリオンベルチホイップ・・・小輪八重咲き
- すぐ楽ミリオンベル・・・混植商品
まとめ
サフィニアとペチュニアの違いについてお話してきました。
色々な違いはありますが、結局のことろ、サフィニアはペチュニアをさらに育てやすく改良した花ということが出来ます。
そのため、サフィニアとペチュニアどちらかを購入しようか迷ったとき、広大な花壇にたくさん植えたいのであれば値段の安いペチュニアを選ぶと良いです。
ベランダでのプランター栽培などたくさんはいらないけど、一鉢でこんもりとした花をたくさん咲かせたいのであれば値段は高いですが、サフィニアを選んでください。
サフィニアは1ポットでもすごく大きく成長するため、花壇に植える場合でもそれほどたくさんの量が必要ありません。
むしろぎゅうぎゅうに植えてしまうと、密植になり、通気性の悪さから病害虫の発生を誘引します。
たくさんの種類が販売されているため、いくつも育ててみたい気持ちはわかりますが、欲張り過ぎないようにした方が失敗せずに育てることができます。
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