マリーゴールド-花が咲かない理由【保存版】
早春から秋にかけて長く咲く花の代表格がマリーゴールドです。
黄色やオレンジ色だけでなく最近は赤茶色系の品種も出ており、系統やサイズなども含めバリエーションが多くなりました。
マリーゴールドは早いものだと3月から市場に流通し始めます。それからだいたい9月くらいまで出回り続けますが、苗を買って植えたけど花が咲かなくて困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではマリーゴールドの花が咲かない理由について細かく紹介していきます。
ただ、一番最後にどうすればマリーゴールドの花が咲くのか?の原則を説明していますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
まずは、皆さんのお悩み例から紹介します。
もくじ(タッチすると移動します)
マリーゴールドの花が咲かないお悩み例
- 買ったときは沢山花が咲いていたのに、なぜか咲かなくなった
- つぼみは付くのに開かずに黒くなって終わる
- 思い切って切り戻ししたのに葉だけ茂っている
- 茎ばかり伸びて花が咲かない
- 週1回必ず液体肥料を与えているのに花が咲かない
- 毎日水やりをやっているのに花が小さく少なく株も弱ってきた
ではマリーゴールドの花が咲かない理由について1つずつ解説していますね。
マリーゴールドの花が咲かない理由
- 肥料過多(ひりょうかた)=肥料のやり過ぎ
- 肥料焼け
- 切り戻し過ぎた
- 日照不足
- 暑すぎる夏
- 水のやり過ぎ
- 過乾燥(かかんそう)=乾燥させ過ぎ
- 花がら摘みをしてない
- 害虫被害
- 密植・苗の植え過ぎ
- 茎葉の茂り過ぎによる風通しの悪さ
- 土質が悪い
肥料過多(ひりょうかた)肥料のやり過ぎ
マリーゴールドの花が咲かない原因として最も多いのは「過保護!」手入れをしすぎるあまり毎週液体肥料を与えていると、葉ばかり茂って花が咲かなくなります。
よく、マリーゴールドの育て方を解説しているサイトや本では肥料は毎週1回~与えましょう!などと書かれていますが、正直「毎週」はやり過ぎです。
肥料に含まれる三大要素をご存知でしょうか?
草花や野菜に与える「ハイポネックス原液」や「花工場」「マグアンプK」など一般的な肥料にはチッ素(N)リン酸(P)カリ(K)という3つの大きな成分が中心に配合されています。
■肥料の三大成分
- チッ素(N)・・・主に葉の成長を促す
- リン酸(P)・・・主に花や実の成長を促す
- カリ(K)・・・主に茎の成長を促す
なぜ毎週肥料を与え続けると花が咲かなくなるのか?
植物には茎や葉を成長させる段階と花をつける段階の2つがあります。
花芽をつける段階より前に肥料を与え過ぎると含まれているチッ素成分やカリ成分が効きすぎてしまい、茎や葉が茂り過ぎます。
要するに茎や葉に栄養が回り過ぎてしまうため、花芽をつける段階への成長が鈍ってしまうんですね。
結果、花付きが悪い、花が咲かないという現象が起こります。
観葉植物用などチッ素成分の多い肥料を与えていなくてもチッ素が効きすぎます。
詳しくは葉ばかり茂って花が咲かない理由|チッ素肥料を与え過ぎてないのに!をご覧下さい。
<対策>
まず、毎週肥料を与えるような栽培方法をストップさせることです。
これは液体肥料に限ったことではなく、固形肥料でも容量を目分量で与えている場合も同じで、必要な量に対して与え過ぎてしまっていることが多々あります。
液体肥料を与えているのでばしばらく中止、固形肥料を与えていて、まだプランター内に残っているのであれば一旦、取り除きましょう。
肥料焼け
前の項目で説明した肥料過多(ひりょうかた)とは、肥料の与え過ぎによって含まれているチッ素成分が効きすぎ、茎葉の茂り過ぎによって花芽が付かないことですが、
肥料焼けとは肥料の与え過ぎまでは同じなのですが、与え過ぎによって根が傷んでしまう現象を指します。
例えば、夏の追肥による根のダメージです。
夏は暑いため高温に強いマリーゴールドであっても株自体が弱り気味になります。
人間でいうところの「夏バテ」です。
そのような状態のときに肥料を与えると根が傷みやすくなり株全体にも影響がでます。
<対策>
肥料に関しては用法・容量を守ることが前提で、特に真夏は肥料は避けましょう。
少々肥料が足りなくても株は枯れません!
むしろ与え過ぎによって根が傷み、ひどいと枯れることの方が圧倒的に多いので注意しましょう。
液体肥料の適切な使い方は液体肥料の与え方-野菜の追肥を初心者向けに画像解説!を参考にしてください。
切り戻し過ぎた
こんもりとした株に育てたくさんの花を咲かせるために「切り戻し」という作業をすることがあります。
基本的にマリーゴールドの場合は春に切り戻しをしなくても、どんどん株が大きくなり花を咲かせます。
切り戻しをする時期は8月中旬ごろに草丈の半分くらいを全体的に切れば10月頃まで花が咲きます。
しかし、ペチュニア等と同じく春に切ってしまった場合、花芽が付くまでに時間がかかります。
5月~6月は植物にとって成長しやすい時期なので1ヶ月もあれば回復してくるのですが、切り戻す位置をバッサリ根元まで切ってしまうと当然、その分新しい花芽が付くまでの時間がかかるため花が咲いていない時期があります。
<対策>
切り戻しをし過ぎた場合は、待つしかありません。
もちろん切り戻しをする時期にもより春に切り戻した場合、新しく花芽が付くまで時間がかかりますが、必ずまた茎葉が成長し花芽が付きます。
しかし、10月に入ってから切り戻した場合はマリーゴールドの生育時期の終盤なのでもう花は付かないでしょう。
日照不足
また最後に説明しますが、マリーゴールドはメキシコ原産の花です。
アフリカンマリーゴールドは元々アフリカ大陸にはありませんでしたが、メキシコ~ヨーロッパ経由で持ち込まれた結果、野生化し帰化植物になりました。
つまり暑くて乾燥気味の環境を好むということです。
そのため日照不足は厳禁です。
ほとんどの人が花壇でもプランター栽培でも日当たりで育てると思いますが、玄関が北向きであったり日当たりが悪い場所で栽培しなければならないケースもあると思います。
そのようなとき、太陽が好きなマリーゴールドの花は咲きにくいことがあります。
<対策>
ただ、カンカン照りの場所でなくても十分花を咲かせるので、よっぽどシダ植物が好むような日陰で栽培していなければ通常は花は咲きます。
暑すぎる夏(フレンチ系)
マリーゴールドは暑さに強いという話をしたばかりですが、フレンチ系と呼ばれるいわゆる私たちがガーデニングや寄せ植えでよく使う系統のマリーゴールドは、あまりに暑すぎると花付きが悪くなる性質を持っています。
ヒマワリのようにカンカン照りの場所を好むようなイメージがありますが、実は過乾燥になる場所よりも多少陰になるような場所の方が秋まで長く咲き続けるような気がします。
<対策>
花壇など地植えにした場合はどうしようもありませんが、プランター栽培の場合は移動できるようにすると良いです。
水のやり過ぎ
「過保護」栽培の1つに水のやり過ぎがあります。
特に初心者の方ほど植物を過保護に育てる傾向があり、かえって植物が軟弱に育ち場合には枯れてしまうことがあります。
例えば、毎日欠かさず水を与えたりするなどです。
真夏は土の乾きが早いため、早朝~午前10時前まで、夕方涼しくなってからの2回与えると良いのですが、春や梅雨、秋も日課のように毎日水やりをやっていると、土が乾く時間がなく根腐れという現象を起こし枯死することがあります。
花が咲かないしくみとしては水のやり過ぎが直接的な原因なのではなく、水のやり過ぎによって根が呼吸を出来ず傷んだことで、株全体が弱り、花まで咲かせる力が無くなったと捉えるのが自然です。
<対策>
水やりは株の様子をよく観察してあげて下さい。マリーゴールドは水が不足している時と足りているときの違いがわかりやすいです。
葉を観察しているとよくわかりますが、水が足りていないときはややしんなりと下を向いています。
そのときが次の水やりのタイミングです。
ただし、土が乾いていて葉がしんなりしているときです!
もし、土が湿っているのにもかかわらず葉がしんなりしているのであれば、それは水不足によってしんなりしているのではなく、前回の水分が乾いておらず、吸収できなかったことで根が傷んでいる可能性が高いです。根腐れ状態です。
その場合は水やりをストップし、土が乾きそうにないようであればプランター栽培の場合、土ごと新しい用土に交換しましょう。
過乾燥(かかんそう)=乾燥させ過ぎ
プランター栽培の場合はあまりないのですが、例えばお店などの店頭に飾っていたり、景観をいじするための花壇に使用している場合など、管理が後回しになってしまうとき、夏場の水やりが不足しているケースがあります。
マリーゴールドは夏の暑さに強く、比較的乾燥にも強いのですが、あまりにも過乾燥にすると枯れます。
土が割れるくらい乾燥させてしまうと水分不足によって根が傷むため、当然株全体が弱ります。
乾燥させ過ぎによって花が咲かないのは直接的な原因ではなく、根が傷んだことで花を咲かせる充実した株に育たなかったのが原因です。
<対策>
土の表面が乾いてきたら次の水やりをしましょう。
特に夏場の水やりは1日2回行う必要があります。
花がら摘みをしてない
「花がら」とは咲き終わってしぼんだ花です。
咲き終わった花をいつまでも放置していると、だんだんと花付きが悪くなります。
なぜかというと、マリーゴールドは花が終わると今度はタネを作る段階に入ります。
マリーゴールドが花を咲かせる目的は私たちを楽しませてくれるためではなく、種を作って子孫を残すためです。
究極、種を作ってしまえばマリーゴールドの親株の役割は終わります。
種を作るために養分を使い株全体が弱って枯れていいわけです。
しかし、花を観賞する人間にとっては困ります。
そこで、種ができないように咲き終わった花(花がら)をどんどん摘んでしまえば、マリーゴールドは子孫を残そうと必死に次々と花を咲かせます。
マリーゴールドの気持ちになってみれば可哀想ですが。。。
<対策>
よく、園芸好きのおじいちゃんやおばあちゃんが毎日お花をいじっているを見たことあると思いますが、あれは何をしているのか?というと「花がら摘み」です。
咲き終わった花を摘むことで種をつけさせず、できるだけ長く花を楽しめるようにするための作業です。
だから苗をたくさん育てている場合は、その分全てやらなければならないためとても忙しいわけです。
こまめな花がら摘みを心掛けるようにして下さい。
害虫被害
マリーゴールドの根にはネコブセンチュウなど一部の害虫を避ける成分を放出するため、害虫に強い花だと思われがちですが、そんなことはありません。
たしかに一部の線虫には強いのですが、以下のような害虫被害にはあいます。
■マリーゴールドに被害に及ぼす害虫
- ナメクジ
- ヨトウムシ
- ハマキムシ
- ネキリムシ
- ハダニ
- カタツムリ
- カメムシ
- コナジラミ
- アザミウマ
- アブラムシ
- エカキムシ
特にナメクジやヨトウムシは夜のうちに花や柔らかい葉を食べてしまうため、日中気が付いた時には花が無くなっていることがあります。
花壇など広い場所で栽培している場合は、当然ナメクジをはじめ害虫も多くいるため被害に遭う範囲を大きいです。
<対策>
対策としては殺虫剤を散布するのが最も早いです。
ナメクジ駆除であれば住友化学園芸から出ている「ナメ退治」シリーズやハイポネックスジャパンの「ナメトール」があります。
密植・苗の植え過ぎ
マリーゴールドの限らずなのですが、隣の苗と苗との距離が近すぎることで根が成長できずに株が大きく成長できないことがあります。
苗を植えた時直後は違和感がなくても成長したときに葉も横に茂り株全体が一回りも二回りもになります。
だいたいとなりの苗との間隔は15㎝以上空ける必要があります。
満員電車を想像してほしいのですが、隣の人のとの距離が密接だと窮屈でとっても疲れますよね?
それと同じく苗も正しい間隔を空けて植えないとうまく成長できず、花も咲きません。
<対策>
対策として、今もし隣の苗との間隔が15㎝ないのであれば抜いて別の場所に植えてあげましょう。
茎葉の茂り過ぎによる風通しの悪さ
全項目と深く関わりますが、密植によって株が茂り過ぎ、風通しが悪くなると、株周りが蒸れてきます。
蒸れてくると新しい芽が出にくくなり、花が咲くところまでいきません。
風通しが悪く蒸れるような場所は細菌など病気が発生しやすく、害虫が媒介して病害虫両方の被害に遭う要因になります。
<対策>
対策として、茂っている葉を切って間引いて下さい。
透かすことで風通しが良くなります。
もし茎葉が茂り過ぎていなくても風通しの悪い場所栽培している場合は、プランター栽培であれば日の当たる風通しの良い場所へ移動することをお薦めします。
土質が悪い
そもそも、マリーゴールドを植えるのに使っている土質が悪いことで花が咲かないことがあります。
この場合は花だけでなく、株自体が弱々しくあまり大きく成長できません。
土質が悪いケースとして、毎年土を太陽熱消毒などをせずそのまま使い回していたり、病害虫に感染している土を使っているなどです。
マリーゴールドを植える場合、多くの方は花の培養土を使用されると思います。
新しい土であれば排水性・通気性・保水性・保肥性などが整っているため、問題なく栽培することができます。
しかし、古土や質の悪い培養土ですとしっかりと根が張れず株が軟弱に育ちます。
ですので花がなかなか咲かない株になってしまいます。
<対策>
対策として太陽熱消毒をしていない土を使い回しているのであれば、土を新しく変えるしかありません。
マリーゴールドの原産地の植生を知れば花は咲く
ガーデニング、園芸をする全ての人が抑えておくべきことは、その花の原産地の環境(気温・湿度)を知ることです。
マリーゴールドは南米メキシコ原産の花なので、メキシコの気温について知る必要があります。
首都メキシコシティの気候は雨季と乾季があります。特徴は雨季が暖かく、乾季はどんよりとした曇り空が多いです。
気温は6℃~27℃です。3℃未満になることや30℃を超えることはほぼありません。
「メキシコ」というとサボテンとカウボーイがいるような暑くて乾燥した土地のイメージですが、このことからもわかるように35℃以上の「暑すぎる」気温下は苦手だということが推察できます。
ある程度の暑さには強く、乾燥にも強いため育てやすいけど、反対に加湿やジメジメした環境は苦手ということもわかります。
これを水やりに置き換えてみましょう。
暑さに強く乾燥にも強いということは毎日水やりはせず、加湿にならないように土が乾いたら与えるようにしましょう。
ジメジメした土が苦手ということは毎日水やりをすると枯れる可能性があります。
ですので、少々水やりしなくても大丈夫です。
マリーゴールドの花を咲かせるには過保護に育てないのがコツ
苗を買ってきて新しい培養土(花壇:太陽熱消毒などをした土)に植え付ければ、特に肥料などを与えなくてもマリーゴールドの花は咲きます。
アフリカンマリーゴールドはアフリカで放っておいたら野生化した歴史があります。
これはマリーゴールドの性質にあった場所で栽培すれば放置してもちゃんと育つことを意味しています。
初心者の方の場合、ついつい花のお手入れに気合が入り過ぎてしまい、毎日お水を与えたり、毎週きっちり肥料を与えるなど過保護に育ててしまう傾向があります。
マリーゴールドは春から梅雨を超え、暑い夏を乗り越え寒くなる秋口まで屋外で栽培できます。
セントポーリアやバンダなどと違い、温度や湿度を過保護に徹底管理する必要はありません。
まとめ
■マリーゴールドの花が咲かない理由
- 肥料過多(ひりょうかた)=肥料のやり過ぎ
- 肥料焼け
- 切り戻し過ぎた
- 日照不足
- 暑すぎる夏
- 水のやり過ぎ
- 過乾燥(かかんそう)=乾燥させ過ぎ
- 花がら摘みをしてない
- 害虫被害
- 密植・苗の植え過ぎ
- 茎葉の茂り過ぎによる風通しの悪さ
- 土質が悪い
マリーゴールドの花が咲かない理由について紹介してきました。
多くの場合、肥料の与え過ぎが原因だったりするのですが、それ以外の考えられる原因についてはすべて網羅しています。
マリーゴールドは香りも独特でありどちらかといえば粗野な花です。
本来は雨にも風にも暑さにも負けず長期間花を咲かせ続ける丈夫で元気な花です!
ですので、過保護になりすぎないような育て方を心掛けてみて下さい!
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