ハイビスカスを地植えで冬越しするのは可能？外で育てられる条件

赤や黄色やオレンジ、あるいは複色など夏をイメージさせる鮮やかな花が特徴のハイビスカスですが、鉢植えではなく、地植えでそのまま屋外で冬越しさせることは出来るのか？

ハイビスカスが草花ではなく樹木なので外でもそのまま越冬できそうな気がします。

しかし、残念ながら日本の多くの地域ではそのままお庭などに植えても冬越しさせることは不可能です。

そこで、なぜハイビスカスを地植えで冬越させるのが難しいのか？冬越しできる条件について解説します。

最低気温10℃以上が必要

ズバリ、ハイビスカスを屋外で冬越しさせるには、最低気温が10℃以上ないと難しいです。

ハイビスカスは樹木ですが、非耐寒性常緑小高木の熱帯花木のため、ここ日本でも地植えで冬越しできる地域は限られています。

地植え・屋外で冬越しできる地域は沖縄と小笠原諸島

以下の表は冬期12月～3月の沖縄と小笠原諸島、東京の最低気温を表しています。

注目してほしいのですが、沖縄、小笠原諸島とも、12月～3月までの最低気温が10℃を下回ることがありません。

ハイビスカスが冬越しできる最低気温は10℃以上ですから、沖縄と小笠原諸島の最低気温それよりも高いです。

だから地植えでも枯れないんですね。

最低気温(℃)

東京の12月～3月の最低気温は10℃以下どころか5℃にも届きません。

どんなに屋外でビニール袋をかぶせる等防寒をしても、冬越しはできないんです。

近年、同じ熱帯の樹木であるブーゲンビリアは東京都内でも屋外で冬越ししているのを見かけます。

花壇や道路わきの地面などでも大きく成長してたりします。

ただ、ハイビスカスに関しては東京23区でこのような現象を私は見たことがありません。

仮にあってもとても珍しい現象だと思います。

なぜブーゲンビリアは地植えでも冬越しできるケースがあるのか？はわかりませんが、現状はそのようです。

では、東京などは無理だとして、沖縄や小笠原諸島のほかに日本で暖地と呼ばれている四国、九州南部はどうでしょうか？

暖地（四国・九州南部）の最低気温(℃)

12月～3月までの最低気温を見ると、やはり10℃を下回ってしまいます。

つまり、ハイビスカスを本州で地植えで冬越しさせるのはほぼ不可能だと言えます。

沖縄・小笠原諸島以外は室内で冬越し

ハイビスカスを沖縄・小笠原諸島以外で冬越しさせるには、最低気温が10℃以上を確保できる室内で栽培するしかありません。

適期は10月に入ったらです。

10月というのはハイビスカスに限らず熱帯地域原産の多くの観葉植物を室内に取り込む時期と重なります。

室内でも夜間は気温がグッと下がるため、できればエアコンなどがずっと付いている10℃以上ある部屋がベストなのですが、難しい場合は10月に室内に取り込む際に、伸びた枝を切り詰めて、余分な体力を使わないように剪定します。

根さえ生きて冬越しできれば、5月以降活発に根が動き、夏には花を咲かせます。

まとめ

夏などテーマパークの花壇など地植えされたハイビスカスを見かけます。

樹木のため1メートル以上の大きなものが植栽されていたりしますが、あれらは東京などの多くの地域ではそのままの状態で冬越しできません。

あくまで季節的な装飾なので秋になれば温室などに移されたり、一年草扱いで処分されることも多々あります。

家庭で育てる場合、ガーデン用の小さなハイビスカスの苗も同様に一年草扱いとして販売されていますが、5号鉢以上のものであれば10月以降室内で管理すれば、冬越しすることが可能です。

ただし、ハイビスカスの冬越しは上手くいく環境とそうではない環境があることも事実です。

また購入した品種や株の良し悪しも関係するので、取り敢えず、枝の剪定と10℃以上で冬越しさせることは覚えておきましょう。