サツマイモの育て方|プランター収穫法を初心者に写真解説
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みんな大好きサツマイモ!超人気俳優の横浜流星さんも焼き芋が好物だそう。
スーパーの入り口でついつい匂いに誘われて買ってしまいますよね。
そんなサツマイモですが、家庭でも簡単に育てることができます!
しかし、
農園でサツマイモを収穫したことがあるけど、
- 自宅のベランダなどプランターでも栽培できるのか?
- 一回チャレンジしたけれど芋が出来ていなくて失敗した。
など育て方のコツを知りたい人は多いと思います。
そこで、この記事では実際に私が自宅でサツマイモのプランター栽培をして収穫するまでの過程やコツを全て公開します。
オリジナル写真をふんだんに使って解説していますので参考にしてみてください。
もくじ(タッチすると移動します)
サツマイモの栽培基本データ
科名 | ヒルガオ科 |
食用部分 | 塊根、葉 |
生育適温 | 25~30℃ |
発芽適温 | 20~30℃ |
スタート方法 | 苗 |
株サイズ | 幅100~150㎝ 高さ約20㎝ |
病害虫 | コガネムシの幼虫、黒斑病など |
サツマイモの栽培時期と収穫までの流れ
地域 | 植付け | 収穫 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 5月中旬~6月中旬 | 9月後半~11月中旬 |
北海道・東北 | 6月中 | 10月中 |
四国・沖縄・九州南部 | 5月初旬~6月初旬 | 9月中旬~11月下旬 |
寒冷地・中間地・暖地の区分
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・四国、九州南部、沖縄県
用意するもの
- 苗(ポット苗ORさし苗)
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(軽石)
- 深くて大きいサイズのプランター 例)幅65.5㎝×奥行39㎝×深さ42.5㎝ 容量72ℓ
サツマイモの主な品種一覧
品種名 | 特徴 |
ベニアズマ | 定番品種 焼き芋、ふかし芋におすすめ。食味が良く育てやすい |
なると金時 | ホクホク系の代表種。“金時いも”の名で流通している西日本で多く栽培 |
べにはるか | ねっとり系で甘く焼き芋に向いている。昨今の焼き芋ブームには欠かせない存在 |
安納芋 | ねっとり系で甘い。糖度が高くてカロリーが低い |
シルクスイート | ホクホク系で甘い。絹のような滑らかさがある。病気に強い |
パープルスイートロード | 紫芋の代表種。抗酸化作用をもつアントシアニンが豊富。特有の甘さと育てやすさで人気 |
オレンジ芋 | 鮮やかなオレンジ色。ホクホク系でまったりとした食感 |
玉豊 | 乾燥芋(干し芋)など加工用の白い品種 |
初心者向け!サツマイモのプランター栽培のコツ
- 深くて大きいサイズのプランターを使う
- 排水性アップ!鉢底石(軽石)を入れる
- ポット苗を使う
- 日当たりと風通しの良い場所で栽培
深くて大きいサイズのプランターを使う
ポイントとしては下写真のような、深くて大きなプランターで育てることが大切です。
サイズは幅65.5㎝×奥行39㎝×深さ42.5㎝ 容量72ℓとかなり大きめですが、最低でも容量20ℓ以上の四角い深鉢のプランターを用意して下さい。
サツマイモに限らずジャガイモ、サトイモなどいも類はプランターの土の中にたくさんできるので、プランターサイズが小さいとイモもできにくく、できたとしても小さい、あるいは数が少ないです。
ですので、なるべく深くて大きなプランターを使いましょう。
排水性アップ!鉢底石(軽石)を入れる
最近の野菜栽培用プランターのほとんどは、排水性が良くなるように設計されています。
ですので鉢底石(軽石)は入れる必要がありません。
しかし、確実に排水性をアップさせるためには、鉢底石(軽石)を入れた方が良いです。
なぜかというと、サツマイモは水はけの良い環境を好むからです。
ポット苗を使う
5月の中旬になるとサツマイモの苗が出回ります。
しかし、サツマイモの苗には「さし苗」と「ポット苗」の2種類があります。
- さし苗・・・根が無いサツマイモのつる
- ポット苗・・・根があってビニールポットに植わっている
初心者におすすめなのはコスパ的にも育て方の難易度的にもポット苗です。
一般的にサツマイモの苗というと下写真の「さし苗」です。
さし苗は根が付いていないツルがたくさん束になって売られています。
畑など広い土地で大量に栽培するときに向いています。
ですが、当然家庭のベランダでプランター栽培するには量が多すぎます。
1本あれば十分です。
■ウイルスフリー苗
ウイルスフリー苗とは無菌状態で培養された苗のことで、その名の通りウイルスがいない状態の苗です。ウイルス病に感染してしまうと栽培途中であっても株ごと焼却処分しなければなりません。
そのためウイルスフリー苗を利用することで感染しにくくなります。
パッケージやタグなどに「ウイルスフリー」と書かれているのでチェックしてみると良いです。
日当たりと風通しの良い場所で栽培
サツマイモは日当たりが良く、通気性が良い場所を好みます。
そのためベランダで栽培するときは日中ガンガンに日があるところが良いです。
そして、風が通る場所が良いので、日陰や蒸れそうな場所には置かないようにしましょう。
紫いも パープルスイートロードで育て方手順を解説
品種一覧で紹介した通り、サツマイモには色々な品種がありますが、
今回は紫色と焼き芋がお好きな俳優の横浜流星さんにちなんで、紫いもの代表品種のパープルスイートロードを栽培します。
植え付け(うえつけ)
この記事ではポット苗を使った育て方をメインに紹介しますが、
さし苗を使った植え付け方法は>>サツマイモのさし苗の植え方|プランター栽培の船底植えと水平植えをご覧下さい。
■植え付け時の土と肥料について
サツマイモのプランター栽培では、肥料が含まれている培養土を使用すればOKです。
一般的にサツマイモの苗を植え付けるときに土に入れるチッ素肥料は少なめに、あるいは無しでと言われます。
これは苗が幼いときに肥料が効いてしまうと「つるボケ」といって、葉ばかり茂ってイモができにくくなる現象が起こるからです。
畑などではサツマイモのつるが成長し伸びると、各節から根を張りそこから肥料成分を吸収します。
しかし、プランター栽培では各節から出た根が土に根付くスペースが限られているため、肥料成分を多く吸収する心配がありません。
夏に葉が黄色っぽくなっていれば追肥を行いますが、そうでなければ必要ありません。
また9月中旬以降に葉が黄色くなるのは肥料不足ではなく、収穫時期のサインです。
まず、鉢底石(軽石)を高さ2㎝程度敷き詰めたプランターに培養土を入れていきます。
プランターの上から7~8分目くらいのところまで培養土を入れます。
手で軽く穴を掘り、ポット苗から出した苗を植えます。
植え付け作業は完了です。とっても簡単ですね!
蔓が伸び、葉が大きく成長してきました。
水やり
初心者の場合、日課のように毎日水やりをしなくては!と思い、与えてしまうケースが多いです。
しかし、サツマイモの原産地は中南米。生育適温も20~30℃と元々、暑さと乾燥に強い地域の植物です。
下写真のように土がしっかり乾いてから次の水やりをしましょう。
そのため、真夏など葉がぐったりするほどしなびても少々のことでは枯れません。
ですので、しっかり土が乾いてから水を与えましょう。
追肥(ついひ)
「サツマイモはやせた土地=肥料分がない土でも育つ」と聞いたことがあると思います。
ただ、これは植物の性質としての話。
全く肥料がない土ではイモが大きく育ちません。
夏以降、葉色が黄色くなったり青みが薄くなってきた場合は与えます。
草木灰などK(カリ)成分が多い肥料であったり、サツマイモ専用の肥料を与えると良いです。
茎葉がプランターから溢れ出しています。
いい加減、広がり過ぎてしまったので、「つる返し」という作業をします。
つる返し
栽培していくと分かるのですが、サツマイモはびっくりするくらい蔓(つる)が方々に伸び、葉が増えます。
そのまま放置しているとプランターから溢れます。
ただ、蔓と言ってもゴーヤやキュウリなどと違い、絡みません。
ベランダなどプランター周りがコンクリート等であれば問題ないのですが、土だと蔓の途中から出た根が張ります。
なるべくイモの肥大に必要な養分を分散させないように、蔓が繁茂してきたらプランターの上にまとめておきましょう。
この作業を「つる返し」と呼びます。蔓をひっくり返すからつる返しです。
害虫対策
サツマイモは野菜の中でも丈夫な部類に入るので、何事もなく収穫までたどり着くことも多いです。
しかし、害虫による食害被害はあります。
- コガネムシの幼虫
- ネコブセンチュウ
- イモキバガ
- チャイロムナボソコメツキ(ハリガネムシ)
- ドウガネブイブイ
- ナカジロシタバ(ヤガ類)
見つけたら取り除く、薬剤散布をするなど対処方法はありますが、ネコブセンチュウ等は薬剤を散布してもあまり効果がないこともあります。
なので、古い土を使ったり風通しの悪い場所で栽培しないなど予防に力を入れることが大切です。
病気対策
サツマイモも栽培途中で病気にかかることがあります。
- つる割病
- 黒斑病
- 立ち枯れ病
- かいよう病
多少茎に白いカビが生えても、その部分を除去すれば問題ないこともあります。
しかし、つる割病のように、感染するとどんどん葉が枯れて枯死してしまう病気もあるため
完全に防ぐことが出来ません。このような場合は栽培失敗ということで収穫を諦めざるを得ません。
収穫(しゅうかく)のタイミング
地域によって若干時期は異なりますが、9月の中旬以降、茎や葉が少し黄色く枯れてきたら収穫のタイミングです。
まず、茎葉を株元から3㎝程度残し、他は全部切ります。
茎と葉は処分するだけなのでバッサリ刈り取ってしまってOKです。
まず、イモを傷つけないようにシャベルなど使いながら、株元を持って掘り上げて下さい。
追熟(ついじゅく)させる
追熟とは収穫後に一定期間置くことで、甘さを増したり果肉を柔らかくする処理のこと。
サツマイモは収穫後すぐに食べないのが鉄則です!
イモを掘り上げたら直ぐに洗わず、土を軽く落とします。
4~5日程度日陰で放置し、乾燥させます。
雨に濡れないように気を付けましょう。
この時点で調理に移っても良いのですが、新聞紙に包み発泡スチロール箱に入れて、3週間ほど13~15℃の冷暗所に置くと追熟が増すとも言われています。
ただ、正直ここまでじっくりやらなくても良いかなというのが個人的な感想です。
調理
今回はふかし芋にしました。
パープルスイートロードの紫が生えます。
味は美味しいです!
ただ、紫イモは好き嫌いが分かれますよね。
私は大好きなのですが、家族はあまり好きではないので私と愛犬だけで食べました。
犬は喜んで食べてましたよ。
まとめ
■初心者向け!サツマイモのプランター栽培のコツ
- 深くて大きいサイズのプランターを使う
- 排水性アップ!鉢底石(軽石)を入れる
- ポット苗を使う
- 日当たりと風通しの良い場所で栽培
サツマイモはベランダのプランター菜園でも十分収穫することができます!
ただ、唯一のデメリットは葉がたくさん茂るのと、大きいサイズのプランターが必要なので場所は取ります。
ですが、蔓が絡まることはありませんし、なにより丈夫なので少々手抜きでも収穫までたどり着きます。
畑栽培ではないので、スーパーで売られているような大きなサツマイモはできませんが、家庭で食べるには十分なサイズのサツマイモはできます。
ぜひ、今回ご紹介した栽培過程を参考にして育ててみて下さい!
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