アサツキの育て方|プランター栽培で初心者が収穫できる方法
アサツキはワケギ以上にあまり馴染みの野菜です。
あるデータによるとアサツキの生産量はネギ全体のうち約1%ほどしかないとのことで、スーパーでもあまり見かけないのも無理はありませんね。
しかし、8月後半になるとアサツキの球根はホームセンターなど野菜苗のコーナーで販売されています。
そしてアサツキは初心者でもベランダ菜園のプランターで簡単に栽培できます!
この記事では、実際に私がアサツキの球根をプランター栽培した手順をオリジナル画像を使って1から解説します。ぜひ参考にしてください。
もくじ(タッチすると移動します)
アサツキの栽培基本データ
科名 | ヒガンバナ科 |
食用部分 | 葉、球根 |
生育適温 | 15~20℃ |
発芽適温 | 15~20℃ |
スタート方法 | 球根、苗 |
株サイズ | 幅10~15㎝ 高さ25~30㎝ |
病害虫 | アザミウマ、ハモグリバエ(エカキムシ等) |
アサツキのワケギの違い
ワケギの記事でも触れていますが、アサツキとワケギの違いを簡単に紹介します。
- アサツキ(浅葱)・・・エゾネギの変種
- ワケギ(分葱)・・・エシャロットとネギの交雑種
どちらも大きく分ければネギの仲間です。
アサツキはとても辛い野菜なので、利用用途は主に薬味として使われています。
アサツキとワケギの違いは球根で比較するとわかりやすいです。
下写真の通り、アサツキの球根の皮が紫っぽいのに対し、ワケギは茶色です。
アサツキの球根
ワケギの球根
こちらは収穫時の違い。
アサツキが少し太めでしっかりとしているのに対し、ワケギはシュッと細長いのが特徴です。
アサツキの栽培時期と収穫までの流れ
地域 | 植付け | 収穫 |
中間地(関東甲信・東海・近畿・中国・九州北部) | 8月下旬~9月下旬 | 10月初旬~12月上旬 |
3月下旬~5月中旬 | ||
北海道・東北 | 7月初旬~8月下旬 | 8月中旬~10月中旬 |
4月中旬~5月下旬 | ||
四国・沖縄・九州南部 | 9月初旬~9月下旬 | 10月中旬~12月下旬 |
3月中旬~5月初旬 |
寒冷地・中間地・暖地の区分
中間地・・・関東甲信、東海、近畿、福井県、中国、九州北部
暖地・・・・四国、九州南部、沖縄県
用意するもの
- 球根/苗
- 培養土(肥料配合済み)
- 鉢底石(排水システムがあれば不要)
- プランター 幅65㎝×奥行20㎝×深さ20㎝ 容量15~20ℓ
球根選び
8月後半になるとアサツキの球根が出回ります。
アサツキはたくさんの小さな球根が袋に入って販売されていると思いますが、以下の球根選びのポイントを参考にしてみてください。
ちなみに今回私が栽培したのは柳川採種研究会さんから出ている茨城県産の球根300g入りのものです。
■球根選びのポイント
- 乾燥していて腐ってないもの
- 柔らかくなっていないもの
- カビなどが生えていないもの
植え付け
植える時期は8月~10月くらいまで。
アサツキを植えるのに必要なプランターの深さは20㎝もあれば十分。
たくさん植えられる方がその分、収穫量も多くなります。
まず、プランターの上から3㎝くらいまで培養土を入れます。
詳しいやり方は>>プランター野菜の植え方|家庭菜園初心者が出来る手順と方法
アサツキの球根はそのまま植え付けても芽は出るのですが、できれば外側の皮は向いてから植えると良いです。
とりあえず、仮置きして植える場所を決めます。
1か所あたり球根は1~2個植えて下さい。
私は円形タイプのプランターを使ったので、それぞれ10㎝くらいの間隔をあけて仮置きします。
球根の先端が隠れるくらいに土をかけて終了です。
※深すぎても浅すぎてもいけません。深く植えても上から4㎝くらいまでです。それ以上深く植えてしまうと芽が出ずらくなります。
水やり
基本的に乾いたらたっぷり上げる程度で構いません。
もし、雨が当たる場所で栽培するのであれば、しっかりと日があたり土が乾く場所で育てて下さい。
特にアサツキはワケギ以上に土がなかなか乾かない過湿状態には弱く、球根が腐ってしまうことがあります。
そのため、ジョーロで水やりをする場合も、毎日水やりをするのではなく、土の乾き具合をよく観察して与えましょう。
アサツキに限らず「球根植物」は球根自体に水分と養分を蓄積しているので、少々水が不足したところで急に枯死することはないです。
反対に加湿によって球根が腐り成長できないケースを心配して下さい。
プランターの置き場所
ベランダやお庭など各ご家庭によってプランターを置く場所は変わって来ると思いますが、私がアサツキとワケギを栽培してわかったことがあります。
それは、水やりの項目でも触れましたがアサツキはワケギ以上に加湿を嫌います。
常に土が湿っていたりあるいは置き場所が土の上だと、プランターの土が乾きにくいです。
なので下がコンクリートの場所は心配ないです。
もちろん、それも各栽培環境によって変わって来るのですが、水はけがいいプランターで栽培し、日がよく当たる土がしっかり乾く場所に置いて育てて下さい。
土が乾かないと、成長途中で枯れ始めてしまったり、球根自体が腐ることがあります。
もし、秋に枯れてしまい3月になって、また葉が出てくれば問題ありませんが、一向に葉が出てこなければ球根が腐ったと判断して下さい。
害虫対策
アサツキは比較的、害虫被害に遭う回数も少ないです。
特に害虫対策をしなくても次から次へと葉は伸びてきます。ただ、アザミウマやエカキムシ(ハモグリバエ)と呼ばれる葉に直接害を及ぼす虫対策として、殺虫剤を散布しておくといいでしょう。
殺虫剤には住友化学園芸から出ている「アーリーセーフ」のような天然由来成分から出来ているものと、スーパーなどで売られている野菜と同じく人間が口に入れる分には安全なレベルの農薬の2種類があります。
どちらでも構いませんが、自宅で100%安全な野菜栽培を目指すのであれば、多少害虫被害にあっても天然由来成分の殺虫剤を使うといいでしょう。
病気対策
何度も繰り返しますが、アサツキは土の過湿状態に弱いです。
例えば夏の後半から秋~春にかけて栽培するアサツキの場合、水やりをしても日照時間が短くなっていく季節なのでプランター内の土の乾きも遅くなります。
なので、毎日水やりをしていると必ず腐ります。
ジメジメした状態はカビなどの病気発生原因になり、野菜栽培の上で良いことは一つもありません。
万が一、病気になってしまったときは新しい土に植え替えるか、もしくは殺菌剤を散布して様子を見て下さい。
秋に球根を植えて年内に収穫できますが、葉を短く切り詰めた場所から春先にも新たに葉が伸びてくるので、再び収穫できます。
追肥
アサツキ栽培では肥料は必要ないという人もいます。
確かに球根なので元々水分や栄養分を含んでいるので、丈夫に成長できるのですが、追加で肥料を与えた方が葉は元気に成長します。
葉を食べる野菜なので窒素成分の多い肥料が良いのですが、初心者の場合は「花工場」や「ハイポネックス」などの液体肥料を追加で与えれば十分です。
液体肥料を2週間に1回くらいのペースで水やりを兼ねて与えるといいです。
正しい分量は各肥料のパッケージに記載されてるのでご確認ください。
液体肥料はついつい、目分量で与えてしまいがちですが、キャップ水10ℓに対しキャップ1/2~1杯などと決まっているので希釈してから使うようにしてください。
肥料が多すぎると「肥料焼け」といって株がうまく成長できません。
収穫
アサツキ収穫方法には2通りあります。
1つは草丈がだいたい30㎝程度にまで伸びたら、ハサミを使って株元から3~4㎝くらいの高さのところでばさりとカットして下さい。
なぜ地際から3~4㎝残すのか?というと、そこからまた葉が伸びてきてもう1回収穫することができるからです。
2つ目の収穫方法は、薬味に使うなどほんの少ししか使わない場合、必要な分だけ根元から高さ3~4㎝残して収穫しましょう。
保存方法のところでも解説しますが、やはり土に植わっているものをちょっとずつ切って使う方が、野菜の鮮度面ではかないません。
ぜひ新鮮なアサツキを収穫して下さい。
調理
アサツキに関しては「辛い葉ネギ」としての役割が主なので、薬味としてご利用ください。
あまり食べ過ぎますと、お腹を壊したり胸やけを起こすので一度に大量に食べるものではありませんね。
お味噌汁に入れたり、お浸しに添えたり、あるいはうどんやお蕎麦に振りかける程度で良いかと思います。
保存方法
保存方法に関して、アサツキは一度に大量に必要とする野菜ではありません。
どちらかといえば薬味に使うなどその都度少量を使う野菜です。
ただ、初夏には枯れてくるのでせっかく栽培したのに使いきらないのはもったいありません。
リードさんから出ているフリーザーバックなどに入れて、冷凍しておけば長く保存できますので、ぜひお試しください。
アサツキのプランター栽培のコツ
- 土を過湿状態にしない
- 水はけがいい場所にプランターを置く
- 追肥をして葉を成長させる
アサツキは家庭で出来るプランター栽培できる野菜の中でも難易度が低く、誰でも簡単に栽培できるため、初心者の方におすすめです。
また害虫被害にも遭いにくいため、虫が苦手な方でも比較的管理がカンタンです。
過湿状態にしなければ、全国寒冷地、温暖地関係なく秋と春の2回収穫できるので、もしまだ栽培したことがないのであればぜひ、ベランダ菜園の1つとしてチャレンジして欲しいです。
ワケギ栽培についてはこちらを参考にしてください。
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